「+978」から始まる見知らぬ番号から着信があり、どこからの電話なのか、かけ直すべきなのか不安に感じていませんか。
結論からお伝えすると、「+978」という国番号は世界中どこにも実在しません。つまり、この番号からの着信は、システムを悪用した詐欺グループによる悪質な迷惑電話である可能性が極めて高いと言えます。
近年、スマートフォンに海外の国番号から突然電話がかかってくる「国際電話詐欺」が急増しており、多くの方が不安な思いをされています。
本記事では、「+978」という実在しない国番号から着信が来るカラクリや、最新の詐欺手口、そして着信があった場合の正しい見分け方と対処法について分かりやすく解説します。被害を未然に防ぐためにも、ぜひ最後までお読みいただき、適切な設定を行ってください。
「+978」から始まる電話番号の正体は?
見慣れない番号からの着信があると、重要な連絡かもしれないと焦ってしまうかもしれません。しかし、冒頭でお伝えした通り、「+978」は正規の電話番号ではありません。ここでは、その正体と裏側の仕組みについて詳しく解説していきます。
結論:「+978」という国番号は実在しない
国際電話をかける際に国ごとに割り当てられている番号を「国番号(カントリーコード)」と呼びます。たとえば日本なら「+81」、アメリカなら「+1」がそれに当たります。
しかし、国際電気通信連合(ITU)が定めている世界の国番号一覧を確認しても、「+978」という番号はどこの国・地域にも割り当てられていません。完全に存在しない架空の番号なのです。
実在しない番号である以上、海外に住んでいる友人や取引先、あるいは現地の公的機関からの電話である可能性はゼロです。この時点で「何らかの悪意を持った発信者からの電話である」と見分けることができます。まずは「存在しない番号なのだから、対応する必要はない」と安心してください。
なぜ実在しない番号からかかってくるのか(発信者番号偽装)
では、実在しないはずの「+978」から、なぜあなたのスマートフォンに着信を残すことができるのでしょうか。その答えは、「スプーフィング」と呼ばれる発信者番号の偽装技術にあります。
現代の電話回線、特にインターネットを利用したIP電話などの通信システムでは、専門的な技術や悪意のあるソフトウェアを使うことで、相手の着信画面に表示される番号をある程度自由に書き換えることができてしまいます。詐欺グループは身元を隠すためにこの技術を悪用し、適当な数字の羅列や、いかにも海外からかかってきたように見える架空の国番号を作り出しているのです。
最近では「+978」に限らず、さまざまな架空の番号や、実在する警察署の末尾「0110」を偽装した番号など、手口が非常に巧妙化しています。ディスプレイに表示された番号をそのまま鵜呑みにしないよう、警戒を強める必要があります。
「+978」など怪しい国際電話の危険な詐欺手口
詐欺グループは、なぜわざわざ発信者番号を偽装してまで、日本のスマートフォンに電話をかけてくるのでしょうか。彼らの最終的な目的は、通話料の搾取や金銭の騙し取りです。ここでは、現在横行している国際電話詐欺の代表的な手口を3つ紹介します。
高額請求を狙う「国際ワン切り詐欺」
最も多く報告されている手口の一つが「国際ワン切り詐欺」です。これは、着信音を一度か二度だけ鳴らしてすぐに電話を切り、あなたのスマホに着信履歴を残すという非常にシンプルな手法となります。
不在着信を見た人が「大事な用件かもしれない」と思って折り返しの電話をかけると、海外の高額な通信ルートを経由して通話が繋がります。電話に出た相手は、無言を貫いたり、「少々お待ちください」という自動音声を流したりして、意図的に通話時間を長引かせようとします。
実は、この長引いた通話によって発生した高額な国際通話料金の一部が、海外の通信会社を経由して詐欺グループに「キックバック(紹介料)」として支払われる仕組みになっているのです。折り返してしまうだけで、知らず知らずのうちに犯罪組織の資金源にされてしまう恐れがあります。
自動音声で不安を煽る「架空請求・特殊詐欺」
もう一つの危険な手口が、自動音声を利用した架空請求や特殊詐欺への誘導です。「+978」からの電話に出てしまったり、折り返してしまったりすると、流暢な日本語の自動音声ガイダンスが流れることがあります。
よくあるパターンとしては、「総務省です。あと2時間であなたの通信サービスをすべて停止します」「NTTファイナンスです。未納料金が発生しています。確認するには1番を押してください」といった、公的機関や大手企業を騙る内容です。
突然の警告に焦って指示通りに番号を押すと、本物の人間(詐欺オペレーター)に電話が繋がり、「未納料金を今すぐ支払わないと裁判になる」「あなたの口座が犯罪に使われている」などと脅され、最終的に指定の口座へお金を振り込まされたり、電子マネーを買わされたりしてしまいます。
電話に出るだけで「カモリスト」入りのリスクも
「相手が何を言うのか、ちょっとだけ聞いてから切ろう」と安易に電話に出てしまうのも大変危険です。金銭的な被害に遭わなかったとしても、別の深刻なリスクが潜んでいます。
詐欺グループは、無差別に大量の電話番号へ自動発信を行っています。あなたが電話に出た、あるいは着信を拒否せずに呼び出し音を鳴らし続けたという事実は、「この電話番号は現在使われており、反応する人がいる」という貴重なデータとして彼らに記録されてしまいます。
こうして集められた情報は「カモリスト(ターゲット名簿)」としてまとめられ、裏社会や他の詐欺グループの間で売買されると言われています。一度リストに載ってしまうと、「+978」以外のさまざまな不審な番号からも昼夜問わず迷惑電話がかかってくるようになり、平穏な日常が脅かされることになりかねません。
比較表で確認!注意すべき怪しい国番号一覧
国際電話を利用した詐欺は、「+978」のような実在しない番号だけでなく、実在する特定の国の番号を悪用するケースも急増しています。どのような番号に注意すべきか、見分け方の参考にできるよう比較表を作成しました。
| 国番号 | 主な国・地域(または特徴) | 詐欺における危険度 |
|---|---|---|
| +978 | 【実在しない】 | 極めて高い(詐欺確定レベル) |
| +1 | アメリカ・カナダなど北米 | 高い(ビジネスを装った詐欺が多発) |
| +44 | イギリス | 高い(公的機関を騙る手口に悪用されやすい) |
| +94 | スリランカ | 高い(ワン切り詐欺の報告多数) |
| +675 | パプアニューギニア | 高い(高額通話料狙いの報告多数) |
| +81 | 日本(正規の国番号) | 注意(国内からの普通の着信だが、偽装の可能性もゼロではない) |
※上記は一例です。心当たりのない海外からの着信は、どの国番号であっても警戒が必要です。
「+978」から着信があった場合の正しい対処法
もしあなたのスマートフォンに「+978」から始まる見知らぬ番号から着信があった場合、どのように行動すればよいのでしょうか。ここでは、被害を完全に防ぐための3つの具体的な対処法を解説します。
【鉄則】絶対に出ない・折り返さない
最も重要かつ確実な対策は、「電話に出ないこと」、そして着信履歴が残っていても「絶対に折り返さないこと」です。これが国際電話詐欺を防ぐための鉄則と言えます。
先述した通り、「+978」は実在しない番号であるため、あなたにとって有益な連絡である可能性はありません。着信音が鳴っている間は焦るかもしれませんが、そのまま放置して切れるのを待つのが正解です。
「誰からの電話だろう?」と好奇心で折り返してしまうと、高額な通話料金を請求されたり、詐欺のターゲットとして認識されたりするリスクを負うだけです。見知らぬ国番号からの着信履歴は、確認したらすぐに削除して忘れてしまうことを強くおすすめします。
スマホの設定で着信拒否(ブロック)する
同じ番号から何度もかかってきてストレスを感じる場合は、スマートフォンの標準機能を使って着信拒否(ブロック)の設定を行いましょう。
iPhoneをお使いの場合は、電話アプリの「履歴」から該当の番号(今回は+978から始まる番号)の横にある「i」マークをタップし、一番下にある「この発信者を着信拒否」を選択するだけでブロックが完了します。
Androidスマートフォンの場合は、機種によって若干操作が異なりますが、基本的には電話アプリの着信履歴から該当の番号を長押しし、「ブロックしてスパムとして報告」や「着信拒否設定」などのメニューを選ぶことで対応可能です。
また、各通信キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)が提供している迷惑電話対策サービスや、専用のセキュリティアプリを導入することで、危険な番号からの着信を自動的に弾いてくれるようになります。
【抜本的対策】国際電話の利用休止を申し込む
「海外の友人や仕事関係者と電話でやり取りすることは一切ない」という方には、最も強力で抜本的な対策をおすすめします。それが「国際電話の発着信機能自体の休止手続き」です。
現在、日本国内の主要な通信会社では、特殊詐欺対策の一環として国際電話の利用を無償で休止できるサービスを提供しています。
申し込みは非常に簡単で、「国際電話不取扱受付センター(電話番号:0120-210-364、通話料無料)」に電話をかけるだけです。平日・土日祝日問わず自動音声案内で24時間受け付けており、簡単な手続きで海外からの怪しい着信を根元からシャットアウトすることができます。ご自身はもちろん、離れて暮らす高齢のご家族のスマートフォンや固定電話にも設定しておくと、絶大な防犯効果を発揮します。
参考:海外からの知らない国際電話が増えています!迷惑な国際電話は無視しましょう ブロックも有効です(発表情報) - 国民生活センター
もし「+978」の電話に出てしまったら?
どんなに気をつけていても、手元が狂って偶然通話ボタンを押してしまったり、寝起きでぼんやりしていてうっかり電話に出てしまったりすることは誰にでも起こり得ます。万が一電話に出てしまった場合の解決策をまとめました。
通話してしまった場合(すぐ切る、個人情報を言わない)
電話に出てしまい、相手が日本語で話しかけてきたり、自動音声が流れたりした場合は、その時点で詐欺だと見分けられます。パニックにならず、一言も発さずに「すぐに通話終了ボタンを押して切る」ことを心がけてください。
もし相手と会話をしてしまったとしても、名前、住所、生年月日、家族構成、クレジットカード番号、暗証番号などの個人情報は絶対に教えてはいけません。相手は公的機関の職員や弁護士を名乗り、もっともらしい理由をつけて情報を聞き出そうとしますが、すべて嘘です。
「間違えました」「結構です」などと返事をする必要もありません。無言のまま、冷酷にブツッと電話を切ってしまうのが最も安全な対応です。
お金を払ってしまった・不安な場合の相談窓口
もし、「自動音声の指示に従って番号を入力してしまった」「脅されて電子マネーを購入し、番号を教えてしまった」「個人情報を伝えてしまい、今後が不安だ」という場合は、一人で悩まずに速やかに公的な相談窓口へ連絡してください。
金銭的な被害に遭ってしまった、あるいは身の危険を感じるような脅迫を受けた場合は、迷わず警察の相談専用電話「#9110」へダイヤルしましょう。緊急時は「110番」でも構いません。
被害には遭っていないものの、個人情報を伝えてしまって不安な場合や、対処法についてアドバイスが欲しい場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話をかけてください。お住まいの地域の消費生活センターに繋がり、専門の相談員が今後の対策について親身になってサポートしてくれます。
まとめ
本記事では、「+978」から始まる見知らぬ国番号からの着信について、その正体と最新の詐欺手口、そして正しい対処法を詳しく解説しました。
改めて重要なポイントをまとめます。
- 「+978」という国番号は世界に実在せず、番号を偽装した詐欺グループからの迷惑電話である。
- 目的は、ワン切りによる高額な国際通話料の搾取や、自動音声を使った架空請求詐欺への誘導である。
- 着信があっても「絶対に出ない」「絶対に折り返さない」ことが最大の防御策となる。
- スマートフォンの着信拒否設定や、国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)での利用休止手続きを活用する。
見知らぬ番号からの電話には常に警戒心を持ち、正しい見分け方の知識を備えておくことが、ご自身や大切な家族の財産を守る第一歩となります。この記事の内容を参考に、スマートフォンを安全に活用していきましょう。