特別支援学校には「間違いなく『闇』が存在します」現役の公立校教員が実名で明かすリアル 非正規教員で穴埋め、事なかれ主義の管理職…真実は?
▽生徒は10年で2倍以上、「質の高い教育守れない」 特別支援教育を受ける児童生徒の割合は増加傾向にある。文部科学省によると、2025年度に義務教育段階で特別支援教育を受ける児童生徒の割合は全体の7・8%。10年前の3・6%の2倍以上だ。 一方、担い手不足を非正規教員が穴埋めする現状はデータでも裏付けられている。同じ25年度の文科省調査(5月1日時点)では、全国の特別支援学校で589人の教員が不足。配置されている教員のうち、非正規の「臨時的任用教員」の割合は17・60%で、小中高校より高かった。 政府は特別支援教育の目的をこう掲げる。 「障害のある子供の一人一人のニーズを把握し、適切な指導や必要な支援を行う」 だが、現実を知った渡辺さんには空虚にしか聞こえない。 体調が戻っても現在の勤務先に復職するつもりはない。それでも、特別支援学校教員の仕事はこれからも続けたいと思っている。さまざまな困難を抱える子供たちや保護者にとって、特別支援学校は何よりも大切な場所だと感じているからだ。
今年6月、渡辺さんは、埼玉県が学校への適切な人員配置をせず、過重労働を放置したとして、慰謝料などを求めてさいたま地裁に提訴した。司法の場で行政の責任を追及すると決めた理由をこう明かす。 「教員が心身を破壊されながらギリギリの状態で教壇に立ち続ける環境では、絶対に質の高い教育は守れない。私が経験したような孤立や理不尽な排除を二度と繰り返さないために、組織の安全配慮義務の在り方を法廷で厳しく問い直したい」 埼玉県の担当課は、渡辺さんが訴えている内容の事実関係は調査中とした上で、訴訟について「必要な手続きを進めるとともに、適切に対応してまいりたい」とコメントしている。