法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

外国で中国人と間違われて徹底的に口論することを愛国心に分類するような自衛隊では、暴力装置として信頼することは不可能

 陸上自衛隊の情報部が、政府や官僚にも秘密裏に大学教授らの思想調査をおこなっていることを、熊本日日新聞がスクープした。
【独自】陸自情報部隊が「愛国心」など調査か 国内有識者ら対象に個人情報収集 数千人分、シビリアンコントロール逸脱も|熊本日日新聞社

 現地情報隊は、2003年からの自衛隊のイラク派遣で現地の情報が乏しかった教訓を踏まえ、海外で活動する目的で07年に新設された。朝霞駐屯地を拠点とし、関係者によると約50~60人の隊員が所属する。しかし実際は、隊員の大半が国内で市民の個人情報を収集しているという。

 情報隊の設立目的と現状の乖離そのものが、外に敵を見いだすことの危うさを象徴している。
 そして驚き呆れざるをえなかったのが、愛国心について報告書に書かれた具体例。

 収集された情報は個人の内心に踏み込むものだった。NPO法人代表の男性の報告書にあった「愛国心」の欄には、海外で中国人と間違えられた際に「徹底的に口論する」などと具体的な言動が記録されていた。

 実際の報告書の内容をたしかめなければ細かいニュアンスはわからないものの、「徹底的に口論する」という表現からは感情が制御できていない印象がある。
 そのような愛国心がいきついた果てが第二次世界大戦の決定的な敗北であり、その反省をしたはずの戦後日本でも自衛隊幹部の愛国心が暴走した結果として中国大使館襲撃という重大事件が起きたのではなかったか*1
 たとえば差別対象としてのアジア人の代表として中国人と見なされたのならば、名誉白人である日本人という自認を説明するのではなく、むしろ差別にあらがうために中国人とも連帯するのが現代日本人のあるべき姿ではないか。
 あるいはアジア人の固有性を無視するという差別によって中国人と見なされて、それを批判するために口論するとしても、日本一国にかぎらない地域の、そして他者への尊重をうながすべきであって、そのふるまいは愛国心とは異なる心の動きだろう。