玉ねぎ、りんごなどこれから旬を迎える野菜や果物も並んでいますが今後食べられなくなる可能性があります。
その原因には“ミツバチ”が関係しています。
一体、何が起きているのでしょうか?
■ミツバチ減少! 温暖化で病気に…なぜ?
「もしも、地球上からミツバチが消えたなら、人類は4年で滅亡するだろう」
こう警鐘を鳴らしていたというアルベルト・アインシュタイン。いま、そのミツバチが世界中で姿を消しつつあります。
北海道・南西部の町、倶知安町。
「養蜂家の一番の仕事はハチを育てること。養蜂家の『養』でしょ。ハチ任せじゃなくて、ハチをコントロールできるかどうかが養蜂家って呼べるかどうか」
光源寺毅寿さん(53)、およそ100年前から続く、日本の伝統的な「移動養蜂」を続けています。担い手が減る中、その技術を守り続けてきました。移動養蜂とは、旬の花を追い求め、開花時期に合わせ全国を転々としハチミツを採ること。拠点は広島ですが、春は福島、夏は北海道、秋・冬は地元・広島で養蜂を行っています。
(移動養蜂家光源寺毅寿さん)「これ新女王バチ」
Q.女王バチは増やせる?
「そうそう、それを養殖していくのが仕事」
ハチミツを採り終えたこの時期は来年に備え、ミツバチを増やさなければならない大事な時期。しかし…
(光源寺毅寿さん)「もう1年中、気が抜けないんですよ。どっかでダニをつけてしまうとその群が衰退の一途をたどってしまうんで」
これがハチに寄生したダニ。温暖化の影響でハチに寄生するダニが増えやすくなっているうえ、マナーを守らない養蜂家も増えていて、病気が蔓延しやすい環境だといいます。さらに…
(光源寺毅寿さん)「アカシアっていう木の蜜を採るためにこの開花時期を狙って北海道に上がってくるんですけど、その開花時期が大体10日ぐらい早くなっていますかね」
これも温暖化の影響なのか、花の開花時期が読めず、移動するタイミングが難しくなっているといいます。
(光源寺毅寿さん)「北海道でもちょっと本州に近いくらい温度が上がってきているんで、飼い方を変えていかなければならないかもしれないし僕らが失敗できないんですよ。うちが失敗してしまうと農家さんが困るし…」
■ミツバチ“絶滅”で…人類“食料危機”の恐れ
ミツバチがいなくって困るのは、ハチミツのためだけではありません。実は養蜂家は、育てたハチを、受粉が必要な農家に貸し出しているのです。
国連食料農業機関(FAO)によると、トマトやナス、玉ねぎ、リンゴ、さらにアーモンドやコーヒーまで、私たちが口にする主な農産物のおよそ7割は、ハチが受粉しているといいます。そのため、ハチがいなくなれば人類は食料危機に陥ってしまう可能性もあるのです。海外の研究ではハチなど花粉を運ぶ昆虫の4割が急激に減少しており、今後数十年で絶滅する恐れがあると指摘しています。
背景の一つに挙げられているのが温暖化です。
(玉川大学ミツバチ科学研究センター中村純教授)「乾燥に強いとか暑さに強い植物っていうのが、増えていくっていうことが、全世界的に危惧されているところなんですよ。どこが一番ハチミツが採れるところかっていうと、例えばカナダだったりロシアだったりの寒いところ。そういう(寒い地域の)植物がなくなっちゃえば、そういうハナバチ(ミツバチなど)も絶滅しちゃう可能性は指摘されています」
さらに…
(中村純教授)「ミツバチって花の蜜だけじゃなくて花粉も利用して(栄養にして)生きている。CO2濃度が上がってくると花粉の中のタンパク質の量が少し下がるだろうと。(ミツバチの)幼虫の栄養不足につながる可能性は指摘されている」
光源寺さんも危機感を募らせています。
(光源寺毅寿さん)「全国のスーパーにならんでいる北海道産の玉ねぎのおおよそ6個に1個っていうのが、うちのハチが付けた種で農家さんが植えられてできている。その玉ねぎがなくなるってことは市場の玉ねぎの価格が異常なほど上がっていくことですよね。そういうことが起きうる未来は怖いですよね」
■「ハチ見ない」農家が悲鳴! 手で授粉作業
農家も異変を感じています。
(フジワラルーツファーム藤原新哉さん)「僕が(農家を)始めた10年前とかはこの辺りにミツバチが団子みたいになっちゃって、そのまま巣に入っていくっていうのを何度か見かけたことありますけども。今はリンゴ畑では見なくなりましたね」
こう話すのは、長野でリンゴ農園を営む、藤原新哉さん。ミツバチによる自然受粉には頼れないため、ほとんどを人の手による受粉作業で補っているといいます。
(藤原新哉さん)「この箱はハチの巣箱ですね」
藤原さんは今後を見据え、自らハチを育てたいと考えています。これ以上、人工授粉の割合が増えるとコストがかさむ可能性があるからです。
(藤原新哉さん)「リンゴだけじゃなくて訪花昆虫に頼っている作物もたくさんあると思うので、ハチがいなくなると、私たちが食べる食べ物も減っていくのではないかと思う」
■交配用ハチ届ける! 養蜂家180万匹と大移動
移動養蜂家の光源寺毅寿さん。この日、仲間の養蜂家の力を借り、育ててきたハチを4tトラックに積み込んでいました。
Q.どこにいかれるんですか?
(光源寺毅寿さん)「長崎です。花粉交配用のハチの供給」
連れていくミツバチはおよそ180万匹。このミツバチは、長崎でイチゴやメロンの受粉のために働きます。移動は気温の下がる夕方以降を狙います。さらに…
Q.氷は何のために?
(光源寺毅寿さん)「ハチを冷やすため」
Q.なかったら大変?
「無理無理。せっかく前の年から準備してきて作り上げたハチが一瞬でパァになるから」
ハチが暑さで死なないよう、400kgの氷をトラックに乗せます。
このあと、小樽港からフェリーで京都の舞鶴へ。そしてそのままトラックを運転し、長崎へ向かいます。ハチと共に2000kmの距離を移動するのです。
■「危機だと気づく」 ミツバチを守る一歩に…
このような取り組みも始まっています。
(NPO法人「ビーフォレスト・クラブ」吉川浩代表)「ハチ宿を作ってハチを増やすということに加担してもらえたなと」
奈良市のNPO法人「ビーフォレスト・クラブ」。子どもたちに、ハチが直面する問題について教えたり、保護するための、巣箱の作り方などを指導しています。
(参加者)「ちょっと難しいとこもあったけどミツバチが色々働いてくれているんだなというのを学んだ」
代表の吉川さんは活動の意義について、こう話します
(吉川浩代表)「(ミツバチは)絶滅危惧種でもないし、希少生物でもないんですよ。だから何もしないんですよ。何もしないけど、全体として減っていっているんですよ、大変ですよ、ある域超えたらもっと大変なことになりますよっていうことにまず気づくことですよ」
“アインシュタインの警告”は、現実のものとなってしまうのでしょうか。
10月1日『サンデーステーション』より
アインシュタインが警告した未来が目の前に!?“ミツバチ絶滅”で人類に迫る食料危機
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処理水批判の中国で“ブーメラン”魚売れず関係者悲鳴 日本は販路開拓で“脱中国”へ
2023年9月24日 23:30
中国が日本の水産物の全面禁輸を始めて一カ月です。 実は中国国内でも、漁業関係者が悲鳴を上げる事態が起きています。 一方、日本の業者は新たな販路を求めて動きを活発化させています ■「ピンチをチャンスに」脱中国の動き加速 (佐々木一真アナウンサー)「港を出て15分。今、正面に養殖場が見えてきました。かなり大規模に養殖されていますね。多くの生簀が並んでいます」 豊後水道に面した大分県佐伯市。ここでは、ハマチ7万匹の養殖が行われています。天然の稚魚を捕獲し、1年半ほどかけて育てるといいます。ブランド名は「若武者」。弾力ある歯ごたえと、しつこくない上品な脂のりが特徴、塩で食べるのもお勧めのハマチです。養殖を手がけるのは、3代目の浪井さん。 (佐々木一真アナウンサー)「うわ、重たいですね!元気いっぱい!いやこれ一匹持つのでも一苦労という重さです。一匹何kgくらいあるんですか? (浪井丸天水産浪井大喜代表(36))「これは4kgくらいありますね」 Q.これが若武者?これもう出荷できる状態ということですね? 「はい」 先月、このハマチ2万匹を中国に輸出する予定でしたが、処理水放出を受け、中国政府が日本の水産物の輸入禁止を発表、全てキャンセルになりました。 (浪井丸天水産浪井大喜代表)「処理水を流したら取引が無くなるかもしれないというのは聞いていた。しょうがないというか、もうどうしようもない所かなと思いますね」 この養殖場にとって、初めての中国との契約でした。 (浪井丸天水産浪井大喜代表)「今年初めて取引するので、契約書を結んでいましたね」 Q.いつ本契約? 「取引開始するのは8月でしたね」 Q.損失額としては? 「大体ですけど1億円くらいですね」 ハマチ2万匹のキャンセルで損失は1億円。出荷できない間のエサ代も余計にかかります。 Q.出荷が遅れるとどのくらいコストが上がる? (浪井丸天水産浪井大喜代表)「うちの規模でいうと1000〜2000万円くらいは変わるかなと。そういうカントリーリスクみたいなものはある種の勉強だと思って、逆にこういったピンチはチャンスに変えられるような動きをしていこうと思っています。嘆いている暇はないという感じですかね」 すぐに頭を切り替えた浪井さん。携帯電話を見せてもらうと、分刻みの営業の電話履歴が並びます。 (浪井丸天水産浪井大喜代表)「新しい出荷先と、ぜひ『若武者』を使っていただけませんかというお願いをしていますね」 必死の営業で、キャンセルになったハマチ2万匹の内、4割ほどの出荷先が決まりました。新たな販売ルートへの輸送用として、冷凍冷蔵車も購入。さらに台湾のホテルなど、海外への販路も広げつつあるといいます。 (浪井丸天水産浪井大喜代表)「ちょっとずつでも自分で販路を作って、反対に良かったって言えるように頑張ろうと思いますね」 ハマチの仕入れを決めた福岡にあるこちらの飲食店。来月から「若武者」が新しくメニューに加わります。 Q.試食をして入荷を決めたんですか? (海進丸矢賀部聖人さん)「そうですね。味が養殖のハマチと思えないような、すごい味と弾力だったので、個人的にすごいびっくりしたので」 Q.即決? 「即決です。国内で作ったものを、国内で消費するのはすごくいいことだと思いますので、すごく味も美味しかったので、どんどん使っていきたいなと思っています」 (イヨスイ荻原達也社長(71))「今、スイスのジュネーブです」 まさに今、ヨーロッパ各地で商談を進める会社もあります。 (イヨスイ荻原達也社長)「次のプロモーションの場所がフランスなんです。魚のPR活動があって、それに参加するために」 愛媛県で、魚の養殖や加工などを行っているこちらの会社。輸出事業が、売り上げのおよそ3割を占めており、中国への輸出も多かったと言います。 (イヨスイ荻原達也社長)「中国が輸入禁止だというタイミングですので、居ても立ってもいられないところがあって、どこか卸し先ないかということもあわせて、ここに参りました」 9日、フランス・トゥールーズで行われたのは、日本の食品をPRする、試食会。社長自らブリの刺身を切って提供。用意した500食は、あっという間になくなったそうです。 (イヨスイ荻原達也社長)「人がたくさんいらっしゃった。次から次へと。『脂がのっていて非常に美味しい』と言われました。大変好評だった。逆に我々の今までのPRが足らなかったかな、PRしていたら、もっと売れていたはずなのになって」 明日はパリで現地のバイヤーとの商談会。さらにイギリス・ドイツ・オランダなど1カ月以上かけてヨーロッパを奔走します。 (イヨスイ荻原達也社長)「まずは日本の食材を見て、食べて感じていただく。わかっていただけると思います。時間かかりますけど。輸出量も大きくなっていく。『災い転じて福となす』というふうになっていったら良いなと考えています」 日本貿易振興機構=ジェトロには、この1カ月、水産業者などからの相談が急増していると言います。 (ジェトロ農林水産食品部井上徹哉課長)「一気に販路をシフトしていかなければならないということで、約180件の問い合わせ、相談を受け付けています。世界各地で起きている戦争や紛争というリスクもある。輸出先の多角化というのは、非常に重要な選択肢になるのだろうなと考えています」 ジェトロは、先月下旬、日本の食材に関心を持つ、海外18カ国のバイヤーを東京に招待。商談会を開催するなど、販路拡大の後押しをしています。 ここには、中国からのバイヤー2社も参加。こんな本音も… (ジェトロ農林水産食品部井上徹哉課長)「キャンセルも出るのではないかと思っていたんですけど、ふたを開けてみたら、皆様、日本にお越しいただいて、積極的にご商談いただいたというところです。中国の中でもALPS処理水に関する受け止めは様々あるという話もうかがっておりまして、日本がやっているから安全だろうと認識されている方も少なからずいるということもおっしゃっていました。(中国人バイヤーは)非常に残念に思っているような印象は受けました」 ■処理水批判の中国では“ブーメラン現象” 一方、中国国内では、中国政府が、処理水の放出を繰り返し批判する中、いわゆる“ブーメラン現象”が起きていました。 (井上桂太朗記者)「青島の港に来ています。ご覧のように多くの中国船が並んでいます。9月から漁が解禁されたということで、あちらでは漁師が漁の準備をしています」 中国有数の港湾都市・青島は、水産業が盛んで、港には中国国旗を掲げた漁船が所狭しと並んでいました。ただ今年は、水揚げされた魚やカニなどが値下がりしていると言います。 (漁師)「去年より30%くらい安くなっている」 漁港で魚を並べて売る人も、こう口を揃えます。 (魚を売っている女性)「今年は安いよ。例えば、この魚。去年23〜24元(約467〜487円)だったのが今は20元(約406円)です」 なぜ、中国産の海産物が安値になっているのか。海鮮市場の関係者に理由を聞くと―。 (市場関係者)「“核汚染水”を出したからだよ。海鮮は上司や親戚などに贈るけど、“核汚染水”は健康を損なうじゃないか。仕入れにも慎重になっている」 中国政府が、処理水を“核汚染水”と呼んで、日本批判を続けた結果、中国の消費者が中国産も含めた海産物全体を敬遠。回り回って、中国の漁業関係者が苦しむ事態となっていました。 (井上桂太朗記者)「漁港に隣接したこちらの海鮮市場、漁が解禁されると例年観光客で賑わうそうなのですが、今年はご覧のように人の姿はまばらです」 (海鮮料理店の店長)「1日40〜50組の客が減った。“核汚染水”の影響が大きいです」 (観光客)「私のような海鮮好きには不安です」 (観光客)「心配ですよ。健康が第一だから」 風評被害の“ブーメラン現象”。漁師や市場関係者は事態の長期化を懸念しています。 (市場関係者)「あまり売れない。来年はどうなるのか分からない」 (漁師)「心配だよ。海で魚を捕るのが仕事だから、魚あっての生活だよ。それが売れなくなったらどうしよう」 9月24『サンデーステーション』より
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