「洗脳されていた」 被害女性が問う学校の安全管理体制 小学館漫画原作者“性加害”問題~「こども性暴力防止法施行」まで半年
■「無反応」だった学校 具体的な措置はとられず
Aさんは、講師個人だけでなく、学校の管理体制にも問題があったと指摘する。 「学校内に、安全に相談できる仕組みがありませんでした。講師と生徒との私的な連絡先交換や、講師による送迎が日常的に行われ、両者の境界線が適切に管理されていませんでした」 さらに、学校が被害を把握した後の対応にも、Aさんは不信感を抱いた。 「学校側は、当該講師への聞き取りを先に行い、私への十分な聞き取りや安全確認を行いませんでした。その後、私は当該講師から、口止めとも受け取れる注意を受けています。キャンパス長からは、『心配していました』という趣旨の言葉がありました。しかし、安全確認、接触制限、事実調査、専門機関への接続など、具体的な保護措置は取られませんでした。心配していたのであれば、なぜ行動しなかったのか。私は今も、その点に強い疑問と怒りを感じています。学校側は後に、複数の職員が問題に気づいていたものの、それぞれが抱え込んでいたという趣旨の説明をしました。複数の職員が把握しながら、情報を集約し、組織として対応する仕組みがなかったこと自体が、重大な組織上の問題です。私の認識では、私以外にも被害を受けた人がおり、その情報が学校内で共有されていたことも、学校側は謝罪の場で認めています。さらに、私が事実の公表を求めた際には、『生徒の親御さん方に余計な心配をかけてしまうので難しい』という趣旨の説明を受けました。私はこの発言を、被害を受けた側や他の生徒の安全より、学校の評判や運営上の都合を優先するものとして受け止めています」「学校側の無反応と不作為は、私に、『学校が責任を負うほど重大なことではない』『苦しんでいるのは自分自身の問題だ』と思わせました。私は、学校に守られなかっただけではありません。その後の苦しみまで自分の責任だと思わされ、さらに深くトラウマの中へ沈んでいきました」 こうして、学校や周囲の大人から、被害を重大な問題として扱われなかったことは、より強くAさんに被害を自分の責任であると思い込ませるようになったという。その結果、Aさんが自分の身に起きたことを「性被害」だと認識するまでには数年の月日がかかり、経緯や影響について説明できるようになるまでに約10年をも要した。