【プレイバック’06】「光市母子殺害事件」弁護側の「傷害致死」主張で混迷を極めた裁判の行方
死刑の可能性が高くなった
10年前、20年前、30年前に『FRIDAY』は何を報じていたのか。当時話題になったトピックをいまふたたびふり返る【プレイバック・フライデー】。今回は20年前の’06年7月7日号『検証! これでも夫・本村洋さんは納得できない 死刑へ! 山口母子惨殺事件「迷走裁判」7年間』を取り上げる。 【再現写真】いやっ、やめて!……うずくまる“女子児童”に容赦なく襲いかかる宅間元死刑囚 ’06年6月20日、光市母子殺害事件で最高裁は被告の元少年(事件当時18)を無期懲役とした一、二審判決を破棄し、審理差し戻しの判決を下した。 1999年4月14日に山口県光市の会社員・本村洋さんのアパートで、妻・Aさん(当時23)と生後11ヵ月の長女が惨殺された事件。元少年は強姦目的で水道の検査員を装って家に上がり込み、抵抗したAさんの首を絞めて殺害したうえに性的暴行をくわえた。さらに泣き叫ぶ長女を黙らせようと床に何度も叩きつけ、紐で首を絞めて殺害。妻の死体を押し入れの下段へ、長女の遺体は押し入れの天袋へ隠すという残忍きわまりない犯行だった。 本村さんら遺族は、元少年の極刑を求めたが、一、二審判決は無期懲役。二審の広島高裁の判決では被告が当時まだ18歳で発育途上にあること、十分ではないが反省の情も芽生えており「更生の可能性がないわけではない」としていた。 この判決に対して、本村さんと検察側が量刑を不服として上告していたのだ(《》内の記述は過去記事より引用、肩書は当時のもの)。 《「反省すれば罪が軽くなるという論理が通るのであれば、すべての罪が許されてしまう。私はそうではないと思います。彼がいかに反省しても、罪を償うには死をもってしか術はないと思うのです」》 審理差し戻しが下されたあと、本村さんは次のようにコメントしていた。この決定で本村さんが望む死刑判決がくだされる確率がきわめて高くなったわけだが、本村さんは「最高裁が自判せず差し戻し判決を下すのは遺族としては到底納得できることではありません」とも語っていた。 一方で、弁護側は「殺意がなかったことを裏付ける新事実がわかった。これまでの誤った事実認定で死刑にしてはならない」と、記者会見で犯行当時の模様をイラストで説明。「被告はAさんの口を押さえたが、ずれた手が首に入ってしまい、結果、死に至らしめた」と、殺人ではなく傷害致死だと主張したのだった。