「事務局長のパワハラ」で揺れる「世界最大の人権NGO」で何が起きたのか…実名告発した女性職員が明かす“恐怖の罵声”と“別の犠牲者”
■「死ぬならせめて自分の名前で死にたい」 事務局が機能不全に陥っているとみた組合は4月、A氏と理事長の更迭や職場環境の改善を求め、一部業務のボイコットに踏み切った。さらに同月28日、休職中の大福さんは「外圧を借りなければらちが明かない」と決意し、SNS上でアムネスティ日本の内情を告発した。A氏や法人から名誉毀損(きそん)で訴えられるリスクも覚悟したうえでの実名告発だった。 当時の心境について、大福さんはこう話す。 「適応障害の症状として希死念慮があったんです。今私が死んだら、新聞の隅っこに『人権団体の職員がパワハラで自死』と載るだけで、世間からはすぐに忘れ去られる。死ぬならせめて自分の名前で死にたいと思いつめ、後先は考えていませんでした」 告発は瞬く間に拡散され、新聞各紙も報じた。大福さんのもとには「勇気ある行動」「応援しています」などと激励のメッセージが続々と届き、世論が味方についてくれたことを実感したという。 7月6日、アムネスティ日本のウェブサイトに「ハラスメント申立てに関する調査報告書の受領について」という発表が掲載された。独立した立場の弁護士に調査を依頼した結果、A氏の複数の行為がパワハラとして認定されたこと、職員の申し立てから調査開始まで約9カ月を要した背景として理事会の機能不全などを指摘されたことを受け、謝罪する内容だった。A氏については事務局長の職を解き、理事長付にするとした。 では、A氏のどのような行動がパワハラとして認定されたのか。AERAが同法人に取材を申し込むと、「関係者と協議中であり、現時点では回答いたしかねます」と代理人弁護士から返答があった。 法人からの発表について、労働組合は「事務局長の解任は事態解決に向けた一歩前進」としたうえで、「理事会体制の抜本的な刷新」や「(パワハラ被害に遭った)職員に対する精神的・経済的損害の具体的な救済と、本人が安心して復帰できる職場環境の確立」を引き続き求めていくことを表明した。