MAMOR 最新号

9月号

定価:780円(税込)

普段は立ち入れない基地・駐屯地に足を運べる「自衛隊の盆踊り」。地域交流や広報のために、自衛隊が基地・駐屯地を一般開放する夏の名物イベントだ。7月24日から27日の4日間には、九州から北海道まで11か所で開催が集中する。

※ 2026年6月5日時点の情報です。中止や変更になる場合があるため、参加される場合は事前に各お問い合わせ先にご確認ください

※ 来場の際は渋滞などが予想されますので、できれば公共交通機関でお出かけください

福岡県久留米市
久留米(くるめ)駐屯地夏祭り

地元ダンスチームが盆踊りを盛り上げる!

開催日:7月24日
昨年来場者:約7900人

画像: 地元ダンスチームが盆踊りを盛り上げる!

ココに注目!

陸上自衛隊久留米駐屯地には、九州・沖縄地域の陸自曹士隊員の教育部隊などで編成される西部方面混成団などが所在する。

夏祭りは約7900人が参加し、盆踊りでは地元のアマチュアダンスチームがやぐらに上がり、隊員や参加者が一丸となって盛り上がるのが恒例だ。

EVENT Information

初回開始年度:1965年ごろ
時間:17時30分〜20時30分
問い合わせ:久留米駐屯地広報班
TEL:0942-43-5391(内線328)
会場住所:福岡県久留米市国分町100

石川県金沢市
金沢(かなざわ)駐屯地納涼行事

よさこいや打ち上げ花火も楽しめる!

開催日:7月24日
昨年来場者:約4000人

画像: よさこいや打ち上げ花火も楽しめる!

ココに注目!

陸上自衛隊金沢駐屯地には、小銃などを保有し、地上での戦闘を担う第14普通科連隊などが所在する。

納涼行事では、隊員によるお化け屋敷などのアトラクション、太鼓演奏やよさこい踊りの演舞、地元高校生のチアリーディングなどを予定している。

打ち上げ花火も計画中だ。

EVENT Information

初回開始年度:1970年
時間:18〜20時
問い合わせ:金沢駐屯地広報室
TEL:076-241-2171
会場住所:石川県金沢市野田町1-8

福岡県築上郡
サマーフェスティバルin築城(ついき)

地元ダンスチームのステージも人気

開催日:7月24日
昨年来場者:約2200人

画像: 地元ダンスチームのステージも人気

ココに注目!

航空自衛隊築城基地には、中国、九州北部地域の領空を守る第8航空団などが所在している。

サマーフェスティバルでは盆踊りや隊員の太鼓演舞のほか、地元高校生の吹奏楽演奏や地元アマチュアダンスチームのステージも人気。

最後は花火が打ち上がり、装備品のライトアップ展示とともに楽しめる。

EVENT Information

初回開始年度:1961年
時間:16時30分〜20時30分
問い合わせ:築城基地広報班
TEL:0930-56-1150(内線3207)
会場住所:福岡県築上郡築上町大字西八田無番地

群馬県北群馬郡
相馬原(そうまがはら)駐屯地納涼祭

隊員の戦隊ヒーローショーも楽しめる!

開催日:7月24日
昨年来場者:約2100人

画像: 隊員の戦隊ヒーローショーも楽しめる!

ココに注目!

陸上自衛隊相馬原駐屯地には、ヘリコプターによる高い機動力を生かし、栃木、群馬、新潟、長野各県の防衛や警備などを担う第12ヘリコプター隊などが所在する。

納涼祭では、盆踊りのほか、地元の子どもダンスチームのステージや隊員が扮する戦隊ヒーロー「Hbn(ヘリボン)ジャー」ショーも楽しめる。

EVENT Information

初回開始年度:1993年
時間:16時〜20時30分
問い合わせ:相馬原駐屯地広報
TEL:0279-54-2011(内線2314)
会場住所:群馬県北群馬郡榛東村大字新井1017-2

静岡県御殿場市
滝ヶ原(たきがはら)駐屯地夏祭り

開催日:7月24日

夏祭りでは隊員の筋肉自慢大会など、ステージイベントが盛況だ。

問い合わせ:滝ヶ原駐屯地広報班
TEL:0550-89-0711

千葉県松戸市
松戸(まつど)駐屯地盆踊り大会

ご当地キャラのイベントや花火にも注目!

開催日:7月25日
昨年来場者:約1万5000人

画像: ご当地キャラのイベントや花火にも注目!

ココに注目!

陸上自衛隊松戸駐屯地には、陸上自衛隊後方支援学校需品科部などが所在する。

盆踊り大会は、一般参加者と隊員が一緒になって盆踊りを楽しむ駐屯地の名物イベント。

例年、民間の50店以上の露店も出店し、ご当地キャラの記念撮影イベントや装備品展示、打ち上げ花火を予定している。

EVENT Information

初回開始年度:1959年
時間:14〜20時
問い合わせ:松戸駐屯地援護広報班
TEL:047-387-2171(内線235)
会場住所:千葉県松戸市五香六実17

東京都小平市
小平(こだいら)駐屯地納涼祭

航空自衛隊とのコラボイベントを計画中!

開催日:7月25日
昨年来場者:約8600人

画像: 航空自衛隊とのコラボイベントを計画中!

ココに注目!

陸上自衛隊小平駐屯地には、警務科、会計科などの教育を行う小平学校などが所在。

納涼祭は、毎年趣向が違うのが特徴で、2025年はステージにDJブースを設置。会場がダンスフロアと化した。

26年は航空自衛隊航空中央音楽隊の出演を予定している。

EVENT Information

初回開始年度:1983年
時間:15〜19時30分
問い合わせ:小平駐屯地広報・援護班
TEL:042-322-0661(内線232)
会場住所:東京都小平市喜平町2-3-1

青森県八戸市
八戸(はちのへ)駐屯地納涼盆踊り大会

部隊対抗盆踊り大会も開催

開催日:7月25日
昨年来場者:約2000人

画像: 部隊対抗盆踊り大会も開催

ココに注目!

陸上自衛隊八戸駐屯地には、洋上の敵艦艇を撃破することを主な任務とする第4地対艦ミサイル連隊などが所在。

盆踊りは自由参加の踊りのほか、所属部隊対抗で踊りの完成度や構成などを競うコンテストも実施される。

部隊ごとの個性的なパフォーマンスにも注目だ。

EVENT Information

初回開始年度:1973年
時間:16時45分〜20時30分
問い合わせ:八戸駐屯地司令業務室広報班
TEL:0178-28-3111
会場住所:青森県八戸市大字市川町字桔梗野官地

北海道千歳市
北千歳(きたちとせ)駐屯地北部隊夏まつり

開催日:7月25日

よさこいや地元の踊り「千歳音頭」など、さまざまな踊りが楽しめる。

問い合わせ:第1特科団第1科広報班
TEL:0123-23-2106

宮城県仙台市
霞目(かすみのめ)駐屯地納涼盆踊り大会

開催日:7月26日

納涼盆踊り大会は、地元キッズチームのダンスなどステージ演舞が充実。

問い合わせ:霞目駐屯地広報室
TEL:022-286-3101

兵庫県姫路市
姫路(ひめじ)駐屯地納涼行事

開催日:7月27日

納涼行事では隊員の太鼓演奏やご当地アイドルのステージなどを予定。

問い合わせ:姫路駐屯地広報室
TEL:079-222-4001(内線296)

(MAMOR2026年8月号)

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<文/編集部 写真提供/防衛省>

自衛隊で盆踊り

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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最新号のご案内(7月21日発売 定価:780円)

画像: 最新号のご案内(7月21日発売 定価:780円)

MAMOR2026年9月号を購入する

【第1特集】
明日飛ぶための7つの翼 自衛隊練習機全カタログ

陸・海・空各自衛隊が保有する計7機種の練習機について詳しく解説します。学生、教官、整備員、さらには空自のレジェンドからコメントをもらいました。

今回MAMORは航空自衛隊静浜基地(静岡県)を訪問。ここ第11飛行教育団では、練習機を使って学生たちが日々学んでいます。防人の女神・佐々木萌香さんも基地に降臨!

【第2特集】
Military Report  海上自衛隊 厚木航空基地
洋上管制隊ってなんだ?

海上自衛隊厚木航空基地には、洋上管制隊という聞き慣れない名前の部隊があります。

領海を警戒・監視するために飛ぶ哨戒機や、洋上の艦艇から発着艦するヘリコプターに対して管制を行う、海自ならではの部隊です。

地球の裏側にも届く、特殊な電波を利用して、日本から遠く離れた洋上を行く航空機と交信できる唯一の部隊である洋上管制隊。

広く知られることはなくとも、日本の平和を守るためになくてはならない、その任務に密着します。

【連載】
隊員食堂:「うな牛丼」陸上自衛隊 久留米駐屯地

今月は、福岡県久留米駐屯地の「うな牛丼」を紹介します。

名前のとおり、うな丼と牛丼が1度に食べられる夢のような丼。夏バテ防止の栄養素もたっぷりで、心も体も元気になります。

【連載】
防人たちの女神:佐々木萌香 in Shizuhama

撮影が行われたのは、航空自衛隊静浜基地(静岡県)。

第11飛行教育団の協力の下に行われた撮影では、練習機T-7の操縦席にも座った佐々木さん。

「教官の自衛官の方と一緒に練習機に座れて感激でした。たくさんの計器を見ながら飛行するパイロットは本当にすごい。自衛官の皆さんとの距離がグッと近付いた1日になりました」

MAMOR2026年9月号を購入する

短時間でしっかり体を動かし、短い休憩を挟みながら繰り返すトレーニング方法「HIIT(高強度インターバルトレーニング)」で、筋力強化、脂肪燃焼、心肺機能の向上を効率的に目指そう。専用の器具も用いてハードにトレーニングをし、最強の体に仕上げたい。筋肉維持のためにも、頑張って継続しよう。

プッシュアップジャンプ

画像: 「プッシュアップジャンプ」【MAMOR 2026年9月号 あなたも筋肉チャレンジ】 youtube.com

「プッシュアップジャンプ」【MAMOR 2026年9月号 あなたも筋肉チャレンジ】

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アブローラー

画像: 「アブローラー」【MAMOR 2026年9月号 あなたも筋肉チャレンジ】 youtube.com

「アブローラー」【MAMOR 2026年9月号 あなたも筋肉チャレンジ】

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懸垂

「懸垂」【MAMOR 2026年9月号 あなたも筋肉チャレンジ】

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※スクワットジャンプの動画は都合により掲載しておりません。

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(MAMOR2026年9月号)

あなたも筋肉チャレンジ

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 将来の幹部自衛官を育成する防衛省の教育機関、「防衛大学校」。毎年1万5000人を超える観客が来場し、大いに賑わう開校記念祭は、同校を代表する人気イベントとして定着している。

 この開校記念祭で特に注目を集めるのが、女子学生による「棒引き」だ。戦略とチームワークが勝敗を分ける、見応えのある競技として知られている。

 第73回開校記念祭の「棒引き」優勝決定戦に密着し、その熱戦の模様をお届けする。

両大隊1勝1敗1引き分け。最後に勝利をつかんだのは?

画像: 敵を振り払って、棒を自陣まで運び入れた4大隊の選手たち。盛り上がる4大隊応援団

敵を振り払って、棒を自陣まで運び入れた4大隊の選手たち。盛り上がる4大隊応援団

 2025年11月8日、青空の下、観客の熱気渦巻く中、棒引きの予選は行われた。勝ち進んだのは3大隊と4大隊。

 決勝予定の翌9日午前は、直前の雨でグラウンド不良につき4日後に順延に。平日の授業の後、夕闇迫る中での決戦となった。

画像: 最終セットを終え、両大隊の総長と審判員、教官らが集まり、反則などを確認する

最終セットを終え、両大隊の総長と審判員、教官らが集まり、反則などを確認する

 第1セットは4大隊の快勝。第2セットは両大隊譲らず引き分けに。最終セットは3大隊が意地の踏ん張りを見せて勝利。

顔にはドーランを塗り、気合いを入れて臨んだが、負けが決まり肩を落とす3大隊の選手たち

 白熱した名勝負の結果は、反則点を引いた総得点で4大隊がわずかに1点上回り、優勝をつかんだ。

男子学生も後方支援も含めての総力戦でした

 優勝した4大隊総長の原学生に話を伺った。

画像: 協議の末、優勝が決まり、飛び跳ねて喜ぶ4大隊の選手たち。笑顔が弾けた瞬間だ

協議の末、優勝が決まり、飛び跳ねて喜ぶ4大隊の選手たち。笑顔が弾けた瞬間だ

「先に行われた男子学生の棒倒しで同じ4大隊が優勝し、女子学生は気持ちが奮い立ったとともにプレッシャーも感じていました。以前から3大隊は強いといわれていて、私自身どう戦ったらいいのか迷いもありましたが、仲間がいろいろと作戦を立ててくれて助かりました」

観客に聞いた!「棒引き」を見てどうだった?

「今日は最後まで熱い戦いでした」と語る吉田さん。

「めいっ子が3大隊の3学年です。去年も決勝で涙を流しましたが、今年も僅差で負けて残念でした。来年は最終学年なので、リベンジできるよう頑張ってもらいたいですね」

(MAMOR2026年3月号)

<文/古里学 写真/荒井健>

防大生、棒を倒せ!棒を引け!

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

 近年世界では、人的な負担や被害の低減という見地から、ドローンがますます活用されている。自衛隊が本格的にドローンが導入されたのは2010年代に入ってからだ。ここでは、航空・海上自衛隊が導入、または導入開始予定をしている一部として、3種のUAV(unmanned aerial vehicle=無人航空機)を紹介する。

☆本記事では無人機の総称として「ドローン」という言葉を使用している

☆ここで紹介している自衛隊の無人機は全国の基地・駐屯地の部隊の全てに配備しているものではない

航空自衛隊
被害調査システム:基地や建物など危険を伴う高所での被害調査を行う

画像: <SPEC>全長:1.2m 全幅:1.1m 全高:0.6m 重量:9.3kg 飛行速度:秒速10m 運用開始:2024年

<SPEC>全長:1.2m 全幅:1.1m 全高:0.6m 重量:9.3kg 飛行速度:秒速10m 運用開始:2024年

 プラントの設備などの保守点検用に開発された、ACSL社製の国産ドローン。専用端末で遠隔操作し、危険を伴う高所での点検作業を安全かつ効率的に実施できるドローンだ。

 建物などの起伏や地上との距離を正確に認識するセンサーを搭載しているため、障害物との衝突を回避できるようになっている。

 また、ズーム機能搭載カメラや赤外線カメラなど、4種類のカメラから用途に応じて選択が可能。

 航空自衛隊の航空施設隊などが、基地の飛行場や道路、建物などの被害調査のために使用している。

画像: 取材した部隊では、タコに似ていることから「タコ」という愛称で使用している

取材した部隊では、タコに似ていることから「タコ」という愛称で使用している

海上自衛隊
滞空型UAV(MQ‐9B シーガーディアン):海自が運用を開始する無線操縦者航空機

画像: 東シナ海での不審船などへの警戒監視の強化を目的として導入が予定されている <SPEC>全長:約11m 全幅:約24m 全高:約4m 重量:約6100kg 航続距離:約4900km 最大巡航速度:時速約370km 最大高度:約12192m 運用開始:2028年度

東シナ海での不審船などへの警戒監視の強化を目的として導入が予定されている
<SPEC>全長:約11m 全幅:約24m 全高:約4m 重量:約6100kg 航続距離:約4900km 最大巡航速度:時速約370km 最大高度:約12192m 運用開始:2028年度

 アメリカのゼネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ社製の長時間滞空型無線操縦者航空機。

 可視カメラや海洋監視レーダー、光学・赤外線センサー、通信装置などを装備し、空自の無人機RQ-4Bと違うのは、海上にある不審船などの発見に適している。

 海自では、海上監視任務を遂行するため、同機を鹿屋航空基地(鹿児島県)と八戸航空基地(青森県)に配備すると発表。

 まずは2027年度から鹿屋基地で2機を使用して民間企業による飛行を実施、その翌年度に同基地にさらに2機配備し、合計4機による運用を開始予定だ。

海上自衛隊
艦載型UAV(小型)(V-BAT):艦上からの発着が可能な警戒監視を行う無人機

画像: 十字架のような形の艦載型UAV。飛行中は飛行機のように機体を横に向け、離着陸時は機体を縦の姿勢に変える(出典/U.S.NAVY) <SPEC>全長:2.9m 全幅:3.8m 重量:57kg 最大速度:時速約100km 最大高度:約5400m 運用開始:2026年

十字架のような形の艦載型UAV。飛行中は飛行機のように機体を横に向け、離着陸時は機体を縦の姿勢に変える(出典/U.S.NAVY)
<SPEC>全長:2.9m 全幅:3.8m 重量:57kg 最大速度:時速約100km 最大高度:約5400m 運用開始:2026年

 アメリカのシールドAI社が開発した無人航空機。

 胴体の先端部には電子・光学、赤外線カメラの搭載が可能。無人機を無力化されたりする電子戦の脅威にも耐え、運用が継続できる能力がある。

 同機は、AIによる自律飛行と、自動での垂直離着陸が可能。発着に広いスペースを必要としないため、海自では同機を哨戒艦などに搭載し、哨戒艦の周辺海域の警戒監視・情報収集を行う無人機として2025年度予算において導入する。

(MAMOR2026年4月号)

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<文/魚本拓 写真提供/防衛省>

自衛隊ドローン装備年鑑X

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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1983年に海上自衛隊への配備が始まって以来、日本の海を守り続けてきた哨戒機・P-3C。その後継機、P-1が下総航空基地にも導入された。哨戒機の交代に合わせて大幅にアップデートされた「第203教育航空隊」における最新の搭乗員教育の様子を紹介する。

教材の電子化で学習効率がUP!学生が自学自習しやすく、座学も大幅に変化

高度なシミュレーターの充実も教育の効率化に寄与するが、学生にとって身近な「教科書」の変化もまた大きい。

自衛隊の各教育部隊でも、近年、教材の電子化が急ピッチで進められている。

ノートパソコンやタブレットなどで利用できるこれらのデジタル教材は、AEC(Advanced Education Contents)と呼ぶ。AECには、自動音声によるスライドの読み上げ機能や、航空機の内外を3Dモデルやパノラマ映像、アニメーションで見ることができる機能など、紙の教材ではできなかった豊富なリッチコンテンツが特徴。

コックピットの機器類やスイッチのレイアウトを立体的に確認できたり、キャビンから見えない箇所の配線や機器類の位置関係を視覚的に理解できたりするため、従来のように都度、実機を見ながら確認しなくても理解が進むというメリットがある。

画像: AECを活用し、実機訓練につながる基礎を学ぶ座学。従来の教材よりも高い学習効果が見込まれる

AECを活用し、実機訓練につながる基礎を学ぶ座学。従来の教材よりも高い学習効果が見込まれる

さらには、全学生の学習過程や履修状況なども一元的にシステムで管理している。

教官側はもちろん、学生本人も教育の進捗や自分の弱点把握などができるようになったことで、自主学習もしやすくなり、限られた期間での学習レベル底上げにつながっている。

取材スタッフが現代風だと感じたのは、自動音声の読み上げや動画再生を「倍速」でできること。

昨今、若年層の間では、テレビや映画、ネット動画など、映像の元々の速度を変えて再生・視聴し、効率的に情報を得る傾向が強まっている。

AEC導入当初は等倍再生しかなかったというが、学生の要望で倍速再生を導入。多くの学生が利用する機能となり、好評だという。

シミュレーターの高度化で実機でのフライトは減少

教育「飛行」隊なのだから、実際に航空機に乗ってバンバン飛ぶのだろう……、と想像する読者も多いだろう。

ところが、最近の教育は、以前と比べて実機で飛ぶ回数は減り、教育期間自体も短縮されている。

しかし、安心してほしい。卒業する学生たちの技量は、以前と変わらず高いレベルにあるのだ。

第203教育航空隊で行うクルーの育成は、まずP−1という機体そのものはもちろん、搭載されている各種装備や、実際に行うミッションに関する知識を会得するところから始まる。いきなり実機に乗って飛ぶことはできないのだ。

こうして、機体や任務の概要を理解し、機器の操作法を学習して基礎を固めるまでは座学がメインとなる。座学では、AECの活用に加え、教官たちが体験した「現場での経験」をインプットさせることで、効率化だけではない教育効果を実現している。

その後、シミュレーターでの訓練を実施し、実際の操作手順を身に付けていく。知識が定着し、操作への習熟度が高まったところで実機へ。

地上で「できること」を増やせるようになったため、逆にいえば実機での訓練は「空中でしか学べないこと」に集中できるようになった、ともいえる。

画像: 教官と共に飛行訓練に臨む操縦士の学生。飛行訓練は、座学やシミュレーター訓練で培った知識と技量を実機で確認する場だ

教官と共に飛行訓練に臨む操縦士の学生。飛行訓練は、座学やシミュレーター訓練で培った知識と技量を実機で確認する場だ

シミュレーターの高度化によって、誤って航空機や搭載装備を損傷させたり、事故を起こしたりするリスクをなくし、何度でも訓練を繰り返せる。時間や天候不良に左右されず訓練が進められることも大きい。

また整備などのタイミングで「乗れる機体がない」という事態も避けられる。

こうした変更によって、P−3C時代よりも課程によって1~5週間ほど教育期間は短縮。一方で卒業時点の「練度」は従来と変わらない、もしくはそれ以上だという。

最終的に現場部隊で実機に乗りつつ錬成を行える段階にまで、効率よく教育できる。少子化に伴う人材不足のなか、極めて有効な方法だろう。

重要な役割を担うP−1のクルーをいかに効率よく、かつ質を落とさずに育成するか。その答えの一つが、ここ第203教育航空隊の教育として表れている。

(MAMOR2026年4月号)

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<文/臼井総理 写真提供/防衛省>

進化する自衛隊哨戒機クルーの教育

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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2026年1月11日、陸上自衛隊習志野演習場で第1空挺団による降下訓練始めが行われ、過去最多14ヶ国が参加した。残念ながら当日は、強風のため落下傘降下など一部の展示が中止になったが、共に安全保障環境を守るという連携強化に大きく貢献した。

過去最多の14ヶ国が参加!

今回参加した14カ国の隊員が自国の国旗を掲げて集結する。その勇壮なシーンとともに訓練展示もラストを迎えた

1969年に始まり74年から一般公開が始まった降下訓練始め。これは、1年間の降下訓練の安全を祈願し、近年では同盟国・同志国などの空てい部隊も参加する大規模な行事だ。ちなみに他国の空てい部隊が参加したのは2017年のアメリカ陸軍が最初である。

その後21、22年は新型コロナウイルスのまん延で訓練始めの一般公開は中止。一般公開再開の23年にはアメリカ、イギリス、オーストラリアが参加。24年は7カ国、25年に11カ国、そして26年の14カ国と、参加国は増加している。

これはわが国と価値観を共有し、共に安全保障環境を守る国が世界中に存在しているということの表れといえるだろう。

近年、緊密な関係構築が進む世界の空てい部隊

降下訓練始め参加国(順不同)

26年の降下訓練始めには初参加のベルギー、タイ、トルコをはじめ、史上最多となる14カ国の空てい部隊が参加。多数の同盟国・同志国などの参加により、降下訓練始めは行事の名称として「New Year Jump in Indo Pacific(略称:NYJIP)」と称している(順不同)

降下訓練始めのリハーサルが行われた1月9日には、「国際空挺指揮官会議(通称AIACC:Annual International Airborne Commanders Conference)」も開催された。これは各国から空てい部隊の指揮官らが参加し、空てい部隊の運用や訓練などに関する意見交換などを通じて相互の関係強化を図るものだ。

今回は降下訓練始めに参加した14の同盟国・同志国などが、情報交換や自由な討議を行った。会議のテーマは、「インド太平洋地域の平和と安定のため空挺部隊が果たすべき役割」。近年は国際的にアジア地域における安全保障分野の関心が高まっており、アジア地域のみならず欧米からも多くの国が参加しているのも特徴といえるだろう。

厳しい安全保障環境の下で各国の空てい部隊が交流することの意義は大きく、万が一の有事の際は共同で空てい作戦を行う可能性もある。

本会議では今後も連携強化を進めていくことが決定された。本会議の議長を務めた第1空挺団長の石原陸将補は、「落下傘で作戦地域に降下する空てい作戦の要領はどこの国でも同じです。同じ職種の者同士は最初から仲間のような雰囲気もある。今後も信頼と協力の深化に努めていきたいです」と語った。

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(MAMOR2026年5月号)

<文/古里学 写真提供/防衛省>

降下訓練始め予行

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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 開庁52周年を迎えた航空自衛隊沖縄県恩納分屯基地から、隊員食堂のメニュー「うちなー空上げ」を紹介します。

 ニンニクとショウガを効かせた鶏の唐揚げを、少しとろみをつけた沖縄そば風のだし汁につけて食べるメニュー。彩り豊かなトッピングも添えました。

 みなさんにもぜひ味わっていただこうと、記事の最後にはレシピも紹介します。

開庁52周年を迎えた沖縄県恩納分屯基地

画像: 赤瓦の屋根が沖縄らしい、庁舎運用地区の庁舎。日暮れ時には、夕日輝く東シナ海が一望できるそう

赤瓦の屋根が沖縄らしい、庁舎運用地区の庁舎。日暮れ時には、夕日輝く東シナ海が一望できるそう

 航空自衛隊恩納分屯基地は、沖縄本島の中央部西海岸側に位置しており、「庁舎運用地区」と、約5キロメートル南にある「通信地区」(標高219メートル)の2カ所に分かれています。通信地区の山頂は、太平洋と東シナ海が見渡せる絶景ポイントです。

 開庁52周年を迎えた当基地には地対空ミサイル「ペトリオット」を運用する高射隊が所在し、防空および弾道ミサイル防衛を主な任務としています。

空自空上げ大会で優勝した「うちなー空上げ」

 今回、紹介する隊員食堂の料理は「うちなー空上げ」。「うちなー」とは沖縄県や沖縄の方言を指す言葉で、「空上げ」は一般でいう「唐揚げ」のこと。空自では、“より上を目指す”いう意味を込めてこのように表記されているのだそう。

 地産地消に取り組み、地元の人気料理を参考にするなどして、全国各基地に特色を生かした自慢の空上げがあるとのこと。空自では食育の観点からも各種施策を実施しており、この「うちなー空上げ」も2019年に行われた空自南西航空方面隊主催の「空自空上げ大会」のために考案され、優勝したオリジナルレシピです。

 地元沖縄の郷土料理「沖縄そば」のだし汁に空上げをつけてトッピングの錦糸卵や紅ショウガなどと共に食べるスタイル。沖縄そばは豚骨とカツオ節からとっただし汁が特徴で、食堂では豚骨を半日から1日かけて煮出し、沖縄の粗塩で調味します。

 こだわった分、まさにここでしか味わえない“うちなー”な仕上がり。沖縄のピリ辛調味料「コーレーグース」を混ぜても美味だそうです。

沖縄そばとは

 県内全域に伝承する郷土料理。特徴は小麦粉だけを使い、かん水で練って作る太めの麺と、豚骨やカツオ節からとった濃厚なだしで仕上げた汁。具は豚の三枚肉を煮たもの、ネギ、紅ショウガなどが定番。近年はソーキそば、野菜そばなどのバリエーションがある。

 また、地域により、麺や具が異なり、宮古そば、八重山そばなどがある。島唐辛子を泡盛に漬けた調味料「コーレーグース」をかけると味が締まるとされる。

隊員の感想は?

画像: 隊員食堂は、食事を楽しむ場であるとともに、ほかの任務に就く隊員たちと集える場でもあり、いつも温かな空気に包まれているのだとか

隊員食堂は、食事を楽しむ場であるとともに、ほかの任務に就く隊員たちと集える場でもあり、いつも温かな空気に包まれているのだとか

「揚げたての空上げを、とろっとした沖縄そばだしにつけて食べ、最後に余っただしをご飯にかけて食べると、もう最高♪」(2佐/男性・30代)

「私は空腹時や気持ちが落ち込んでいるとき、体力が落ちているときに、隊員食堂でこの空上げを食べると元気になります!」(2曹/男性・40代)

「『うちなー空上げ』は私の大好物。外はサクサク、中はジューシーで、沖縄そばのだしが合わさるとおいしさが引き立ちます」(士長/男性・20代)

栄養面はもちろん「隊員が何を食べたがっているか」常にリサーチ

【航空自衛隊 恩納分屯基地 第19高射隊基地 業務小隊給養係 栄養士 山田3等空曹】

 宮崎県出身で、2009年に入隊しました。入隊時は通信員としての任務に従事していたのですが、以前から興味を持っていた「料理のできる栄養士」を目指して21年から2年間、専門学校に通い、資格を取得しました。

 新たに給養係として当分屯基地に就いて3年目。自分が作成した献立を提供して、おいしい笑顔を届けられることにやりがいを感じ、選んだ道は間違っていなかったと思っています。

 栄養面はもちろんですが、隊員たちがどんな料理が好きか、何を食べたがっているかを常にリサーチして、献立に反映させたいです。

「うちなー空上げ」のレシピを紹介

画像: ※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました

※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました

<材料(2人分)>

鶏モモ肉(ひと口大に切る):240g

<A>
 しょうゆ:小さじ1と1/2
 おろしニンニク、おろしショウガ:各小さじ1
 ゴマ油:小さじ1

小麦粉、片栗粉:各60g

[沖縄そば屋のだし汁(作りやすい量)]
 水:10カップ
 豚骨:400g
 カツオ節:20g
 しょうゆ、酒:各大さじ1
 粗塩(あれば沖縄塩シママースなど):小さじ1/3
 ※豚骨が入手できない場合は湯1カップに白湯豚骨顆粒スープの素、和風顆粒だしの素各小さじ1/2を溶かし、しょうゆ、酒、塩各少々を加えて味を調える

<B>
 水、片栗粉:各大さじ1を溶かしたもの
 
揚げ油:適量
レタス、キュウリ、ミニトマト、万能ネギ(小口切り)、紅ショウガ、錦糸卵:各適量

<作り方>

1:沖縄そば風のだし汁を作る。鍋にたっぷりの水(分量外)を沸騰させ、豚骨を入れてさっとゆでる。ザルに上げ、豚骨を洗い、アクを取る。

 再び鍋に分量の水と豚骨を入れ、3時間ほどかけて約半量になるまで煮出す。火を止め、カツオ節を入れてしばらく置いたら、こし、再び火にかけて、しょうゆ、酒、粗塩で味を調える(出来上がり量は約4カップ)。

 残っただし汁は冷蔵庫で保存、もしくは小分けにして冷凍庫で保存しておくと便利。

2:鶏モモ肉は<A>の調味料で下味を付ける。

3:2に小麦粉、片栗粉の順に衣を付け、170℃に熱した揚げ油で揚げ、油をきる。

4:1の沖縄そば風のだし汁1カップを加熱し、<B>の水溶き片栗粉を適量入れて混ぜ、好みのとろみをつけて小さな容器に注ぐ。器にレタスを敷き、3をのせ、トッピングを彩りよく盛る。

 食べるときは、だし汁に万能ネギ、紅ショウガ、錦糸卵を入れ、空上げをつけながらいただく。

(MAMOR2026年1月号)

<調理/樋口秀子 文/富田純子 料理撮影/林 紘輝(扶桑社) 写真提供/防衛省>

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

 自衛隊での無人機の導入は、1960年代に海上自衛隊が運用した無人対潜ヘリコプター「DASH」にまでさかのぼる。だが、本格的にドローンが導入されたのは2010年代に入ってから。25年12月現在、陸上自衛隊はどのようなドローンを運用し、また、将来、導入を予定しているのか。UAV(unmanned aerial vehicle=無人航空機)について紹介する。

☆本記事では無人機の総称として「ドローン」という言葉を使用している

☆ここで紹介している自衛隊の無人機は全国の基地・駐屯地の部隊の全てに配備しているものではない

UAV(狭域用)汎用型(国産):空撮用に特化しており警戒・監視に活用される

画像: 飛行・撮影データの通信の暗号化など、情報漏洩に対するセキュリティー対策が施されている <SPEC>非公開 運用開始:2024年

飛行・撮影データの通信の暗号化など、情報漏洩に対するセキュリティー対策が施されている
<SPEC>非公開 運用開始:2024年

 近距離のエリア(狭域)を飛行する、汎用型の小型ドローンは、ACSL社製の国産ドローン。

 標準カメラに加え、赤外線カメラやマルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラなどを搭載し、スマートコントローラーを使用し操作するドローンだ。

 陸上自衛隊では災害派遣での状況把握や普通科部隊などの偵察、警戒監視用として幅広く導入が進められている。

 また、南海トラフ巨大地震を想定して陸自が実施した訓練「南海レスキュー2024」でもこのドローンを使用した飛行試験が行われた。

\オペレーターのコメント/

 国産ドローンのため、飛行プログラムの改修が継続してできるほか、修理のための輸送時間やコストを抑えられることが特徴です。また、夜間飛行やドローンを目視できない範囲での飛行を行うことが多いため、墜落事故を回避し、安全に飛行させることに留意しています。

UAV(狭域用):耐風性や耐寒性に優れ過酷な環境でも長時間飛行し被災地の被害状況を調査できる

画像: UAVは、2キログラムまでの重量の物資であれば運搬することもできる <SPEC>非公開 運用開始:2022年

UAVは、2キログラムまでの重量の物資であれば運搬することもできる
<SPEC>非公開 運用開始:2022年

 カナダのエリヨン社が開発した、4つの回転翼を備えるクワッドコプター。偵察・監視用のドローンとして各国で広く導入されている。

 機体の速度や向きなどを自ら計算する慣性航法装置などによる自律飛行のほか、タブレットでの遠隔操作にも対応。耐風性や耐寒・熱性などに優れ、過酷な環境でも長時間の飛行ができる。

 また、高解像度カメラと光学ズーム機能のあるカメラの搭載が可能。空中からの撮影データを正確に視覚化できるため、指揮官の判断を迅速化できる装備だ。

 陸上自衛隊は2018年に発生した北海道胆振東部地震で運用し被害状況の調査を行った。

\オペレーターのコメント/

 この機体は多機能のため隊員が使いこなせるようになるためには長時間の訓練が必要です。この機体を運用する上で心掛けていることは、飛行間の敵の警戒と安全管理についてです。とくにヒューマンエラーによる事故を防ぐため、不測事態に対処する訓練に重点を置いています。

UAV(中域用):昼だけでなく夜の撮影も可能な偵察無人機

昼だけでなく夜の撮影も可能な偵察無人機

画像: <SPEC>非公開 運用開始:2019年

<SPEC>非公開 運用開始:2019年

 気象観測やマグロ漁船が使用する魚群探査用としてアメリカのボーイング・インシツ社が開発したドローン「シースキャン」を、偵察用として改修した無人航空機。

 可視光と赤外線の2種類のカメラを搭載し、昼夜での撮影が可能となっている。事前のプログラミングによる飛行ルートに加え、状況に応じて飛行中に経路変更もできる。

 圧縮空気によるカタパルトで発進し、スカイフックと呼ばれるシステムによって回収する。

 陸自では方面隊師団、旅団情報隊で使用している。

画像: 機体の回収は、ロープを張った「スカイフック」と呼ばれる装置に機体翼端のフックを引っ掛けて行う(写真/村上淳)

機体の回収は、ロープを張った「スカイフック」と呼ばれる装置に機体翼端のフックを引っ掛けて行う(写真/村上淳)

\オペレーターのコメント/

 無人機は壊れやすい装備品なので大事に扱うようにしています。機体が小さく軽いため、風から受ける影響が大きく、発進するときや回収する場面は緊張します。とくに回収するときは、機体破損のリスクが高まるので、回収が無事に完了した後は一番の達成感です。

UAV(狭域用)汎用型:民生品を改修した高性能の軽量な災害用の無人機

民生品を改修した高性能の軽量な災害用の無人機

画像: 機体には180度の上下撮影に対応したカメラを搭載。ほかのドローンでは難しいアングルからの撮影が可能だ <SPEC>非公開 運用開始:2018年

機体には180度の上下撮影に対応したカメラを搭載。ほかのドローンでは難しいアングルからの撮影が可能だ
<SPEC>非公開 運用開始:2018年

「UAV(狭域用)汎用型」は、フランスのパロット社が開発した民生品を、アメリカ軍向けに改修した小型ドローン。

 軽量かつ折り畳みが可能で携行性に優れ、高解像度の4K・HDR映像の撮影ができ、光学ズーム機能も備えた高性能カメラを搭載。GPS機能があり、事前に設定したルートに沿った正確な自律飛行が可能だ。

 同機は陸上自衛隊が2018年に災害用ドローンとして導入し、普通科部隊などに配備し、偵察用としても使用されている。

\オペレーターのコメント/

 電波の接続状況や天候、周辺の障害物などといった、さまざまな墜落事故要因を常に考慮した上での操縦を心掛けています。突風などで操縦のバランスが崩れた際は緊迫しますが、そのような状況でも敵に関する有力な情報資料を入手できたときは達成感があります。

(MAMOR2026年4月号)

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<文/魚本拓 写真提供/防衛省>

自衛隊ドローン装備年鑑X

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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自衛隊は地域交流や広報を目的に、一部の基地・駐屯地を一般開放して盆踊りを開催している。7月15日から22日にかけては、朝霞・横浜・宇治・入間・木更津の5か所でシーズン最初のイベントが行われる。

※ 2026年6月5日時点の情報です。中止や変更になる場合があるため、参加される場合は事前に各お問い合わせ先にご確認ください

※ 来場の際は渋滞などが予想されますので、できれば公共交通機関でお出かけください

東京都練馬区
朝霞(あさか)駐屯地納涼大会

よさこいや和太鼓の演舞も披露

開催日:7月15日
昨年来場者:約1万5000人

画像: よさこいや和太鼓の演舞も披露

ココに注目!

陸上自衛隊朝霞駐屯地には、陸上自衛隊を統括する陸上総隊の司令部などが所在する。

納涼大会では地元和太鼓会の太鼓のリズムに合わせ、盆踊りを楽しめる。よさこいの演舞も計画中。

打ち上げ花火は、地域で1番早い時期に開催される花火として注目されている。

EVENT Information

初回開始年度:1970年
時間:17時20分~20時
問い合わせ:朝霞駐屯地広報班
TEL:048-460-1711
会場住所:東京都練馬区大泉学園町

神奈川県横浜市
横浜(よこはま)駐屯地納涼祭

太鼓演奏やステージイベントに注目

開催日:7月18日
昨年来場者:約3000人

画像: 太鼓演奏やステージイベントに注目

ココに注目!

陸上自衛隊横浜駐屯地には、陸自の輸送業務を統括する中央輸送隊などが所在している。

納涼祭は、地元中学生によるブラスバンド演奏や隊員の太鼓演奏で盛り上がったあとは、参加者全員で盆踊りを楽しんでいる。

子ども向けのゲームイベントなども計画中だ。

EVENT Information

初回開始年度:1975年
時間:17時〜20時30分
問い合わせ:横浜駐屯地中央輸送隊本部総務科
TEL:045-335-1151
会場住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区岡沢町273

京都府宇治市
宇治(うじ)駐屯地納涼夏祭り

開催日:7月20日

夏祭りでは隊員の太鼓演舞が名物。民間の露店も出店する。

問い合わせ:関西補給処 総務部 総務課 司令業務室 広報
TEL:0774-31-8121(内線206)

埼玉県狭山市
入間(いるま)基地納涼祭

太鼓演奏や花火で盛り上がる地元の名物イベント

開催日:7月22日
昨年来場者:約4万5000人

画像: 太鼓演奏や花火で盛り上がる地元の名物イベント

ココに注目!

航空自衛隊入間基地には、南東北から近畿地域まで1都2府30県の防空を担う中部航空方面隊の司令部などが所在。

基地を一般開放する夏祭りで盆踊りが行われる。

盆踊りが始まる前は、基地に所属する隊員で結成された太鼓隊の力強い生演奏で盛り上がり、フィナーレには花火も打ち上げられる。

EVENT Information

初回開始年度:1964年
時間:17〜21時
問い合わせ:入間基地渉外室広報班
TEL:04-2953-6131(内線2317)
会場住所:埼玉県狭山市稲荷山2-3

千葉県木更津市
木更津(きさらづ)分屯基地盆踊り

地元の「やっさいもっさい」を踊ろう!

開催日:7月22日
昨年来場者:約4000人

画像: 地元の「やっさいもっさい」を踊ろう!

ココに注目!

航空自衛隊木更津分屯基地には、航空機関連の部品や弾薬などの調達、保管、補給などを行う第4補給処木更津支処が所在する。

盆踊りは、木更津の踊りである「やっさいもっさい」を参加者が楽しむ。

子ども向けのゲームイベントや民間の露店も多数出店する。

EVENT Information

初回開始年度:1959年
時間:16時〜20時30分
問い合わせ:第4補給処木更津支処総務課総務班
TEL:0438-41-1111
会場住所:千葉県木更津市岩根1-4-1

(MAMOR2026年8月号)

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<文/編集部 写真提供/防衛省>

自衛隊で盆踊り

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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1983年に海上自衛隊への配備が始まって以来、40年以上も日本の海を守り続けてきた哨戒機「P-3C」。その後継機、P-1が下総航空基地にも導入され、2025年7月にはP-3Cを使用した教育訓練が終了。哨戒機の交代に合わせて大幅にアップデートされた3つのシミュレーターを使用する、第203教育航空隊の教育内容を紹介しよう。

OFT:天候も故障も再現!操縦は「地上」で鍛える

P-1課程教育用機材の一つ目は、「操縦訓練装置」(OFT=Operational Flight Trainer)、いわゆる「フライトシミュレーター」だ。

画像: 操縦訓練装置(OFT) OFTの操縦席などは、油圧で制御されるアームの上に付いている。操作の状況に合わせて実機同様に傾いたり揺れたりする。慣れるまでは酔う隊員もいるという

操縦訓練装置(OFT)
OFTの操縦席などは、油圧で制御されるアームの上に付いている。操作の状況に合わせて実機同様に傾いたり揺れたりする。慣れるまでは酔う隊員もいるという

実物のP-1そっくりに造られたコックピットには、操縦員の2人(主操縦士、副操縦士)と機上整備員の席が設けられているほか、その背後には飛行する空域や時間、天候など、訓練するシチュエーション(状況)を設定する教官の席もある。

画像: OFTの操縦席後方には、状況を付与する役の教官用のモニターがある。操作の状況をモニタリングしたり、リアルタイムにシミュレートする環境を設定したりできる

OFTの操縦席後方には、状況を付与する役の教官用のモニターがある。操作の状況をモニタリングしたり、リアルタイムにシミュレートする環境を設定したりできる

コックピット内の操作パネルやスイッチ、モニター、操縦かんなどはどれも本物と同じ。操縦かんを操作するときに手に感じる感触や抵抗もほぼ同じになるように再現されているという。

実機の操縦経験が豊富な隊員に聞いてみたところ、「本物とまるで変わらないので、シミュレーターから実機に移行しても戸惑いません」と太鼓判を押すほど。

最新のシミュレーターらしく、コックピットから見える風景を映す画面は「超」きれい。下総航空基地やその周囲はもちろんのこと、訓練で使うさまざまな空域の「地形」もかなりリアルに再現されている。

飛ぶときの目印となるように、一部の建物をあえて目立つ色に変えていたり、大きめに表示させているそうだ。

画像: 実物同様のコックピットで操縦訓練を行う学生と、後ろで見守る教官。ところどころ短い言葉で的確なアドバイスが入る

実物同様のコックピットで操縦訓練を行う学生と、後ろで見守る教官。ところどころ短い言葉で的確なアドバイスが入る

OFTの真骨頂は、「実機では危険な緊急事態の対応訓練」や「めったに起こらない危機的状況への対応」だ。安全な訓練で、実機同等の経験が積めるのは大きい。

時間帯や天候はもちろん、機体の故障など何かしらトラブルがある状況もリアルに再現でき、安全に訓練が進められるOFTは、操縦員たちの教育になくてはならない機材だ。

PTT:レーダー、ソナーなどの操作を訓練する装置

2つ目のシミュレーターは、「個別訓練装置」(PTT=Part Task Trainer)だ。

簡単にいえばP-1に搭載されている音響センサー(ソナー)やレーダー、赤外線センサー、磁気探知機などのさまざまな機器操作に習熟するための装置だ。

主に、戦術航空士や音響員、非音響員がそれぞれの役割に応じた機材操作を訓練する。

個別訓練装置(PTT)
PTTで教官から指導を受ける学生。実機と同じ装置でシミュレーションすることで、実任務同様の訓練成果を見込むことができる(写真提供/防衛省)

PTTは、「戦術個別訓練装置」、「音響個別訓練装置」、「非音響個別訓練装置」に分かれており、2席のコンソールが備わる。手元のタッチパネルなどの操作環境は実機と同等で、これを使ってプログラム入力などが行える。

例えば、学生が疑似的にソノブイを操作して水中の音を探知し、潜水艦の存在を探るなどといった一連の演練を通じ、操作の「勘」を養っていく。

操作手順に慣れたら、教官の監視のもとで訓練を繰り返す。

実機ではめったにできない失敗も、シミュレーターなら安全に積み重ねられる。こうして、できるだけ多くのケースに当たり、技量を磨いていくのだという。

なお、PTTはP−3C時代からあるが、P-1導入に当たってよりリアルで現実感のあるシステムに変更された。

WTT:クルー一丸となって仮想任務に挑戦

最後に紹介するシミュレーターは「戦術訓練装置」(WTT=Weapons & Tactics Trainer)という。

これは、操縦士、戦術航空士、音響員、非音響員といったP-1クルーを目指す大部分の学生が集合し、実際の任務の流れを総合的に訓練できる装置だ。個々の技術を磨いた後、一つのチームとして任務に挑むための「総仕上げ」の訓練が行える。

実任務さながらの状況下で、クルー間の連携や判断力を高めることが目的だ。

戦術訓練装置(WTT)
より実践的な訓練を行えるWTTでは、担当任務だけではなく、他のクルーとの連携も重要だ。訓練終了後には、教官から細かな指摘が入る(写真提供/防衛省)

P-1の配置を模した訓練キャビンには、トータル8人の学生が同時に仮想ミッションに挑める複数のシミュレーターが連接され、一元的に生成される自機や目標、環境などのデータを利用することで、一貫性のあるシミュレーションが可能な、非常に高度な訓練機材だ。

(MAMOR2026年4月号)

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<文/臼井総理 写真/星亘(扶桑社)>

進化する自衛隊哨戒機クルーの教育

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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