「官民370兆円の投資」と聞けば、一般の人は政府が370兆円の予算をドカンと投じると錯覚する。しかし、実際の構造はこうだ。
政府が直接出すお金(真水・歳出)は全体の数%〜10%程度(例:数兆円〜十数兆円)。残りの90%以上は企業が今後15年〜20年で投資してくれる『はず』の金額(見込み値・目標値)だ。
つまり、政府が実際に約束しているのは呼び水(補助金や税制優遇)のわずかな部分だけで、残りの巨額な数字は「民間がこれくらい投資してくれたらいいな」という鉛筆を舐めた希望的観測に過ぎない。
もう一つのトリックは「2040年度まで」という極端に長いスパンだ。
370兆円を2040年までの15年で割ると、年間平均では20数兆円(そのうち政府分は年間数百億円〜数千億円レベル)という数字になる。
年間の金額に直すと日本のGDPのわずか数%に過ぎず、大規模な構造転換を起こすには程遠い平常運転の数字に収まってしまう。
15年分の民間予想金額まで全部かき集めて合算することで、政治的なインパクトを出すためだけに「370兆円」というメガ数字を作り出している。
そもそも、企業が実際に投資するかどうかを決めるのは政府の目標ではなく、作ったものが売れるかという需要見込みだ。
政府:「370兆円投資します」
企業:「国内の購買力も落ちてるし、人口も減るから、そんなに投資できません」
結果:「目標未達でした(でも誰も責任を取らない)」
過去の「官民投資〇〇兆円」と打ち出された数々の成長戦略でも、この空手形が繰り返されてきた。
結局のところ、この手のアピールは嘘ではないが、国民に対しては政府が巨大なマネーを刷って経済を爆発的に成長させるかのような印象を与えるという点で、悪質な政治演出だ。
「真水はいくらなのか」「単年度でいくら動くのか」「その裏付けとなる有効需要はあるのか」を削ぎ落としてメガ数字だけを拡散する手法は、まさにそうした虚飾を覆い隠すために機能している。
更に悪いことに、財政主導の成長投資PRが、期待された国内への民間投資の呼び水になるどころか、円安の加速→実質購入力の低下→資本の国外脱出→ 国内投資の減退というアドバース・エフェクト(逆効果)を引き起こすことだ。
円の信認が揺らぐことで、金融市場・企業に対して円を持ち続けることはリスクであるという強烈なメッセージを与える。
さらに円安が進めば、エネルギー、原材料、製造設備、知的所有権などの輸入コストが壊滅的に跳ね上がる。
結果として、政府が補助金を出して「投資しろ」と背中を押しても、企業経営者から見れば「今、日本国内に設備投資をするのはあまりにもリスクが高すぎる」という判断になる。
つまり、国内の需要見込み(人口減・実質所得減少)が育っておらず、通貨の購買力が減退している環境下で打ち出される「〇〇兆円の官民投資」というレトリックは、決定的な矛盾を孕んでいる。
投資を呼ぶためのPRが、円安とインフレを助長して国内の投資環境を破壊し、結果として資本の国外流出(投資減退)を加速させる。
真の「民間投資の呼び水」となるのは、派手な大言壮語の補助金枠ではなく、「強固な国内購買力」「通貨価値の安定」「実体経済の成長期待」だ。
それらを欠いた虚構のPRは、市場から見破られ、かえってキャピタルフライトを加速させるという皮肉な結果をもたらすことになる。
キター🎉高市内閣が「骨太の方針」閣議決定→AI・半導体に2040年度まで370兆円の官民投資✨
サナ総理、でっかい種まき始めたよ🥹
AIや半導体みたいな、これから日本の稼ぎ頭になる分野に、2040年度までに370兆円を投資するって閣議決定!
これ何がいいって↓
⭐成長分野にお金が回る→企業が伸びる