トランプ氏選挙への不信感煽る 中間選挙を前に全米向けの演説で
コロンビア特別区、7月17日 (AP) ー 中間選挙を控える中トランプ大統領は16日、全米に向けたゴールデンタイムのテレビ演説を行い、投票規制の強化を求めて米国の選挙の正当性に疑問を呈し、2020年の敗北への異議申し立てを長年続けてきた主張をさらに強めた。 6年前の選挙に関する裏付けのない説をトランプ大統領が拡散し、自らの敗北を受け入れられなかったことは、1期目の任期終了間際となった2021年1月6日、支持者の群衆が連邦議会議事堂を襲撃する暴動へとつながり、米国史における最も暗い局面を引き起こした。 その後再び政権の座に就いたトランプ氏は、物価高に対する有権者の懸念が絶えない中、出口の見えない戦争で米軍がイランへの攻撃を激化させていることや、時には犠牲者を出す戦術に対して、超党派の厳しい監視の目に晒されている移民取り締まりなど、問題が山積しているにもかかわらず、再びこのテーマを蒸し返した。 この日の演説は矛盾に満ちたものとなった。 2度の大統領選で勝利した大統領が、自身が経験した唯一の敗北について不満を述べ、1期目の自らの政権幹部らによる隠蔽を主張する一方で、他国が自らを支援するために講じた措置には触れず、自らの当選を妨げようとした国の存在ばかりを表面化させた。 トランプ氏は今回の発言を利用し、共和党内からの十分な支持が得られず難航している、厳格な身分証明書の提示を義務付ける法案を、議会で可決させるための正当性を主張した。 トランプ氏は「アメリカは復活し、非常に順調だ。しかし、公平で誠実な選挙なくして偉大な国は存在しえないため、我々は緊急に対処すべき重大な課題を抱えている」と述べた。 トランプ氏は16日夜の冒頭、選挙制度の欠陥とされる点について厳しい警告を発し、自身が大統領選で敗北し、所属党が負けを喫した2020年と2018年の選挙に関する機密文書を新たに公開すると発表した。 トランプ氏の演説では、介入や影響力に関する主張が重要な文脈を欠く形で提示され、票が操作されたことや選挙結果が変更されたことを示す証拠は一切示されなかった。 特にトランプ氏は中国に焦点を当てる一方で、ロシアについては言葉を濁した。情報機関の幹部らは、ロシアが2016年と2020年の選挙でトランプ氏を支持し、後者の陣営では民主党のバイデン氏よりもトランプ氏を後押しすることを目的とした広範な影響力工作を展開したと指摘している。 演説で中国を重点的に取り上げたにもかかわらず、トランプ氏は長年賛辞を送ってきた中国の習近平国家主席への批判や警告を避けた。 選挙セキュリティの専門家は、選挙に関する権限が連邦政府ではなく各州に与えられている米国の分散型投票システムこそが強みであると指摘する。米国の有権者は異なるルールを持つ1万以上の異なる管轄区で投票を行うため、同国の選挙は極めて複雑であり、そのため広範な不正から守られている。 2020年の得票数が外国の主体によって操作されたことを示す信頼できる情報は出ていない。トランプ氏の当時の司法長官を含む共和党が主導したものも含め、繰り返し行われた監査や検証でも、重大な不正は確認されなかった。 仮に立証されたとしても、トランプ氏の主張は、2020年大統領選の争いはもちろんのこと、いかなる選挙結果をも覆すような行為にはあたらない。 また同氏は、自身が勝利した2016年や2024年の大統領選について疑問を呈することはなかった。 トランプ氏が演説を行う中、ホワイトハウスは、脈絡なく提示された文書や、選択的に公開された捜査ファイル、情勢分析、書簡などを含むウェブサイトを公表した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)