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この作品「ずっと私を見ててよ」は「たんプリ」「森亜るるか」等のタグがつけられた作品です。
ずっと私を見ててよ/パパイヤの小説

ずっと私を見ててよ

1,074文字2分

好きな人が記憶喪失になり未練タラタラな森亜るるかさんを書かずにいられませんでした

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真実が暴かれて、あの子がまた傷付くくらいなら、私は偽りの世界で覆ってもいいと思った。
食べかけのチョコミントのアイスが溶けて、私の手を汚していく。去り際のかつてのあの子の面影がよぎって胸がざわつく。
らしくない、こんなの。
やっぱり、ここに通うのはやめるべきだった。
まるでストーカーでしょ?
我ながら未練がましいと思う。
ここのアイスが好きだから。
(あの子の手作りケーキが食べたいから)
そうやって自分を偽る嘘が、ボロボロと崩れそうになる。あの子の前だと、自分が騙しきれないのは変わらない。

私のこと、忘れてるくせに。ね、くれあ。
プリキュアだった頃の記憶が失われても、昔みたいな事を言うんだね。
私のことを知らないまま、私が望む言葉を投げ掛けてくれる存在が次第に居心地が良くて、同時に苦しくなる。

たかが常連客、あの子は優しいから誰よりも優しいから憶えているだけ。店員のリップサービスに心を揺さぶられて──

私を見つめる微笑みが、ずっとそこにあれば良い。
私の隣でなくても、今度こそ戦いに関係ない場所で、プリキュアから開放された世界で幸せになってくれたら、また奪われるくらいなら、そう思うのに。
胸を締め付ける、この感情は何?
また私の名前を呼んでくれる期待で、喜び跳ねる心臓がいちいちうるさい。
もう一度、あの子が私の隣で? 
好きなアイスのフレーバーを覚えくれただけで、大きく揺れ跳ねる心臓が、霧が晴れた世界を求めてうるさい。

手を伸ばせない代わりに、足元の影であの子に重なり合う。
今の私のことをどう思っているのか、教えて?
その瞳の奥まで暴きたくて仕方ないと思うのは、性根の探偵魂がまだ燻ってないから、なのか。


「……時間」

わざわざ丁寧に予告カードで知らせた時間が迫る。

黄昏が煌めいて、テラス席の青い影がオレンジ色に移り変わっていた。窓辺から伸びた夕闇が、パティスリーチュチュの店先の百合の花に影を落とす。

アイスはすっかり溶け切っていて、彼女が私のために用意してくれた手作りケーキを溶けた液体が汚していた。
新米プリキュアの2人をイメージしたって、記憶失った癖に、無意識にプリキュアに近付いて本当にばか。

同時に思う。
ほかの人ばっかだめだよ。
私のことを考えてつくってよ。
好きだよ、くれあ。

「……やっぱり、真実ほんねなんて、ウソで覆い隠すべきだ」

偽りのベールを被り、光に背中を向ける。ますます影が濃くなる世界で、かつての自分たちと重なる面影を振り払う為に、その足を進めた。

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