面白い投稿が流れてきた。
天幕のジャードゥーガルでモンゴル人がショックを受けている」旨のポストが流れてきたのだが、モンゴル人は言いたいことをジャードゥーガルを見て書き込んでいるにすぎない。
どこかでモンゴル人の「ショックを受けた」と発言したポストがあるなら話は別であるが...
目的
どのようなコメントがモンゴル語版の『天幕のじゃードゥーガル』トレーラーに集まっているか、参照できるよう、ミーム抜きで紹介することが目的である。
そのショックという表現が私のミームを使用したポストから展開したのであれば、私の方から言及していくべきだと考えるが、すでにその旨を投稿したユーザーからブロックされており、当方には反論の機会が与えられていない。
ショックを受けているように見えるのあくまでミーム成分であり、実際は彼らは各々の考えで作品を批評しているにすぎないと強調しておく。
どこの放送局?
コメントを見ているのは下記のDream TV Mongoliaである。子供向けのチャンネルで天幕のジャードゥーガル以外にも『Dr Stone』などほかの日本のアニメもモンゴル語の吹き替えが当てられてSNSで公開されている。
キャラクター紹介もモンゴル語に翻訳されて更新されており、かなり力を入れている作品のようだ。
引用元
さて、今回、ミームで使用したコメントはDream TV Mongoliaが用意した天幕のジャードゥーガルの第二話で、シタラやトゥースの人々がモンゴル軍の駐屯地に連行されて、ニーシャープールが陥落したことを知る〜チンギスカンの場面から取ってきている。なぜなら、ほかのトレーラーは7万回などの閲覧数に対し、このトレーラーは12万回を超えていたからだ。
実際、このシーンに対してはポジティブなネガティブな意見も当然ある。
全体としては、否定的なコメントだけが目立つわけではなく、肯定・擁護のコメントも同程度あり、歴史を巡る議論が活発に行われているという印象だ。
さて、実際のモンゴル人のコメントをいくつか紹介しよう。
感情的なコメント
Zaza mongoliin buuran doroitliin ehiiig tawisan dorgon shulam patimagiin tuhai tedniig ymar sain, zow baisan tuhai n ur huuhduuded maani owog deedsiin min sorgiig haruulsan esreg taliin anime baina. Mongol hun ym bol mongol baharhal tednii baiguulsan gawyag sudlah ystoi. Ene law bishee etseg deedsee bitgii gutaa dream tv guai
(ドレゲネや魔女ファーティマを善人のように描き、祖先を悪く見せているアニメだ。モンゴル人なら祖先の偉業を学ぶべきであり、Dream TVは祖先を侮辱しないでほしい。)
Энэ арай дэндүү харгис аар дүрсэлсэн байна уу үгүй юу
(これは少し残虐に描きすぎではありませんか?)
Түүхээс сэдэвлэсэн гэхчхээд шал эсрэгээр нь харгисаар худлаа түүх зохиож харуулсан бна лээ. Үзмээргүй санагдсан
(「歴史を題材にしている」と言いながら、実際には残虐な嘘の歴史を作って見せている。見たいとは思えなかった。)
Өө Мулантай л ойролцоо түүхтэй юм байна. Монголчуудыг харлуулсан л байна юуг нь үзхэвдээ!
(ムーランみたいなものだ。モンゴル人を悪く描いているだけじゃないか。)
Jaadugar: Witch in Mongolia гэx япон анимэг үр хүүхдүүд чинь үзэж дурлаж байвал эхлээд түүхээ унш, үзэж бхдаа түүхэн судалгаа хийж үз гэж хэлээрэй. Дөргэнэ хатны перс боол шивэгчин Фатима Монголын түүхийн хар толбо!!
(もしあなたの子どもたちが日本のアニメ『Jaadugar: Witch in Mongolia』を見て気に入ったなら、まず歴史の本を読み、アニメを見ながら歴史についても調べるように伝えてください。ドレゲネ妃に仕えたペルシャ人奴隷の侍女ファーティマは、モンゴル史の黒い汚点です!!
落ち着いたトーン
Үг нь Отрарын сүйрэл гээд дайнаас болсон юм билээ. Илчдийг нь алчихаад Чингис хаан уурладаг үнэн юм огт байх худлаа түүх соёл мэдэх чухал бүтээл гэж байсан мэдэхгүй юм чинь энийг л жинхэнэ болсон түүх нь явдал гэж бодно
(オトラル事件は戦争が原因だった。使者が殺されチンギス・ハーンが怒ったのは事実で、知らない人はこれを本当の歴史だと思ってしまう。)
Tuuh middegch baisan middguich biasan duguul uzeldei hereldei shachhii
(そもそも使者を送っただけじゃなかった?それを殺したんでしょう?)
Дөргөнэ хатан 5 жил төр барихдаа Перс боол Фатиматай нийлж монголын үнэнч ноёдыг цаазалж, оронд нь Перс хүмүүсийг өндөр албан тушаалд тавьсан. Гүюг хаан хаан болмогц Фатимаг цаазалж, Дөргөнэгийн эрх мэдлийг дуусгасан.
(ドレゲネ妃は5年間政権を握り、ファーティマと共に忠臣を処刑し、ペルシャ人を重用した。グユク・ハーンが即位するとファーティマを処刑し、ドレゲネの権力は終わった。)
Ymr nowshoo gargaad bhu ehleed vzej duusgaad gargmaarii
(まず最後まで見てから批判すればいい。)
tuuhiig medehgui humuus l hereldeed baih yum
(言い争っているのは歴史を知らない人だ)
ehleed bugdiig ni uzeed daraa ni dugnelt hiitsgee
(最後まで見てから評価しよう)
好意的なコメント
Хэдэн цагаас гардаг вэ?
(何時から放送するの?)
Playmax deer oruul uzmeer l bn
(Playmaxでも配信してほしい!!)
Uug ni character design goy ym
(キャラクターデザインがいいね!)
trailer ni anhaaral tatsan bolhoor uzsen chini uneheer goy bsan
(トレーラーを見て気になったが、見たら本当に良かったよ)
Yamar ch uls oron tuuhiig n yarij bna gedeg tom zuil. Harin bid uurсduu tuuh ee sain sudalj unen hudliig ni yalgaj oilgodog baih heregtei. Ene anime uzeed Mongoliig sonirhoh humuus olshirvol bas muu zuil bish.
(このアニメでモンゴルのことが知られるようになるなら、悪いことではないだろう)
kino ni goy l yum
(いい作品じゃんこれ!)
まとめ
まず目立つのは、モンゴル帝国側が残虐に描かれ、ドレゲネやファーティマが肯定的に描かれていることへの強い反発だ。「祖先を悪者にしている」「モンゴル人を貶める作品だ」「歴史を歪曲している」といった感情的なコメントがあり、ディズニー映画『ムーラン』になぞらえて批判する声も見られた。とくにファーティマについては、「モンゴル史の黒い汚点」と捉え、子どもが作品を見る場合には史実も同時に学ばせるべきだと訴える意見が出ている。
一方、比較的落ち着いた反応では、オトラル事件やドレゲネ政権について自分なりの歴史的説明を加えながら、作品と史実を区別すべきだとする意見が多い。また、放送された部分だけで判断せず、「まず最後まで見てから評価しよう」「歴史を知らない人同士が言い争っている」と、早すぎる批判をたしなめる声もあった。
もちろん、作品を好意的に受け止めるモンゴル人もいる。「キャラクターデザインが良い」「予告編を見て気になり、実際に見たら面白かった」「PlayMaxでも配信してほしい」といった反応や、放送時間を尋ねるコメントも見られる。さらに、「この作品をきっかけにモンゴルへ関心を持つ人が増えるなら悪いことではない」と、歴史作品としての影響を前向きに評価する意見もある。
全体として、『天幕のジャードゥーガル』に対するモンゴル人の反応は、単純な賛否ではない。祖先や国家の歴史が外国作品の中でどう描かれるかに強い警戒心を示す人がいる一方、フィクションとして楽しみ、作品をきっかけに歴史へ関心が広がることを歓迎する人もいる。少なくともコメント欄からは、この作品がモンゴル人の間で「歴史をどう語り、どう受け止めるか」という議論を引き起こしていることが分かる。
それだけ天幕のジャードゥーガルの歴史描写が単純でなく、キャラクター描写も多面的であるということが、逆に多様な議論を活発化させているのではないのだろうか