「人間動物園」は搾取か、救済か?中国の貧困ネットカフェに倫理観を揺さぶられた話
えいちゃんさんの記事で、すさまじい世界が中国に存在していることを知りました。
中国語の記事が元になった、貴州省のとあるネットカフェに関するルポですが、そこでは大まかに言えば、以下のようなことが行われています。
・店主は1時間0.6元(≒15円)という、超格安で座席を客に貸している
・店内にはただ長時間ゲームをして過ごす人や、近くの安い部屋を借りて通いながら、レベル上げ代行やアイテムの転売で小銭を稼ぐ人などがいる。多くは複雑な事情を抱えていたり、正規の仕事からドロップアウトした結果として流れてきた人
・そんな店では店主や関係者がライブ配信をしており、視聴者が投げ銭をすると、そのお金が店内の利用者への飲み物、食べ物、たばこなどに変換される仕組みがある
・差し入れをした視聴者は「大哥」(兄貴)と呼ばれ、受け取った客はカメラに向かって手を合わせ、「大哥」に感謝の言葉を述べるという「文化」が存在している
・他にも「大哥」が客に腕立て伏せをさせたり、歌わせたり、特定の人に食べ物を与える/与えないという「遊び」などが行われている
要はネット配信に来る客の様子を見せ物的なエンタメとして提示し、視聴者に優越感を与える形でお金を落とさせているわけです。
自分でも当該のアカウントを見に行ってみました。ライブ配信は見られなかったのですが、配信を切り抜いた動画がいくつもあって、そこで起こっていることの片鱗を知ることができました。
にわかには信じがたかったのですが、どうやら記事に書いてあることは事実だったようです。
ここまで見て、僕は「これは……アカンやろ」という感想を持ちました。おそらく読者の皆さんも同じように、おぞましさを感じたことでしょう。そこに強制はなく、表面上の同意は取れているとはいえ、起こっていることはまるっきり「人間動物園」です。
視聴者は差し入れをすることで、そこにいる人間たちの行動の支配権を得る。場合によっては腕立て伏せなどの「芸」をやらせる。その様子を見て周囲の人間や視聴者がきゃっきゃと笑う。やらされているのは、実質的にはその命令を断れない、困窮した人たち。
囲いに入れて自由を奪った動物に、人間たちが餌を与えて「かわいいね〜」と手を叩いて楽しむ、動物園の仕組みと何が違うのでしょうか。これを人間相手にやっていることは、極めてグロテスクです。
こんなもん、とっとと政府が出てきて1日も早く止めさせなきゃいかんでしょ。日本がらみのコンテンツとか、大事な報道とかは必死でひた隠しにしたりするのに、これは垂れ流しかい。この国の倫理観どうなってんねん。
そんな怒りにも似た感情が、まずこの一連の話について調べる中で湧いてきました。
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しかし、その後も別の動画を見たり、いろいろと考え続けていくうちに、これをただの悪趣味として片付けられるのか、という気持ちにもなってきました。
もちろん、自分の中の道徳心に照らせば絶対に肯定はできない光景ですが、かといって代わりにこの人たちに何があるのか? 自分は、社会は何をしてあげられるのか?と考えた時に、自分の中に答えがなかったのです。
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数年前流行った「アフリカの子供たちが黒板を持って誕生日を祝う動画」の構造に似てますね…それが曲がり曲がって日本にも輸出されているところが、いろいろ考えさせられます。
中国はこういう「既存の善悪や価値観で判断できない問題」の先進国ですね。これをアリとするかナシと思うか、親しい人たちと議論してみたいです。
あの露悪趣味的な行動も 「店主の私は皆様の投げ銭を懐に入れずに兄弟達へちゃんと分け与えています」 という意味かもしれません……