キュアっと探偵事務所 帆羽くれあの部屋
「るるか♪」
ツンツン♪
私は肩をつつかれて振り向く。すると、目の前に微笑んだくれあの顔があって、そのまま彼女は私の唇に唇を重ねてキスをしてきた。
「んっ………///」
私の初めてのキスはくれあによって奪われた。キスはレモンの味がすると言うけれど、くれあとのキスは、アイスの味がした。具体的なフレーバーで例えられるようなアイスの味ではない。最初は冷たかったはずなのに、徐々に熱を帯びて溶けていくような感覚。それをアイスの味だと錯覚させてしまうくれあのキス。
ぷはぁ……
「ふふっ、るるかったら、いきなりキスされて顔赤く染めちゃってる。可愛いなぁ。」
「は……初めてだったのに……。」
私は思わず口元を隠してしまう。あまりにも嬉しかったから。変な表情をしてくれあを困惑させないようにするためにも。
「へ~そうだったんだ。」
ぺろり……
「私がるるかのファーストキス、奪っちゃったんだ……♪嬉しいかも。」
「か、からかわないでよくれあ!!」
「あははは!!ごめんごめん!!」
あの時は楽しかった……楽しかったのに……
パティスリーチュチュ 初来店の日
くれあ……どこにいるの……?
「いらっしゃいませー。」
「あの……」
く……
「くれあ!!」
「はい?あの……すみません、どちら様ですか?」
「あっ……」
そうだ、くれあは記憶を失っているんだ……。
「ご、ごめんなさい……。アイスをください……。」
「かしこまりました。店内で召し上がりますか?」
「いえ……テイクアウトで……。」
店内で食べようと思っていた。くれあの顔を、たとえ彼女が記憶を失っていたとしても、私はくれあのことを覚えていなくちゃ。しっかりと目に焼き付けておかなければ。そう思っていたのに、私はずっと、外でアイスを食べていた。アイスを食べていると落ち着く。くれあとキスをしたあの感覚を思い出すことができるから。元々アイスは、くれあが手作りで作ってくれていたから好きで食べていたけれど……アイスを食べれば食べるほど、くれあと共に過ごした日々を思い返すことができる。
くれあ……
「キュアアルカナ・シャドウ!!これが欲しいのなら、今度こそ、マコトジュエルを確実に手に入れてくるのだな!!」
……
「ライライサー!!」
くっ……!!
「ライライサー……。」
大丈夫。くれあのためなら、私はなんだってできる。たとえそれで、私が私で無くなったとしても、くれあの失ったものに比べれば……!!