【短編小説】五体不満足──少しでも希望があるならば
僕は、はっきり言ってしまえば、五体不満足だ。両腕も両足も切断されたように存在しない。食事を摂ることも、排泄器官がなくてままならなかった。僕は少しでも希望があるならば、前向きに努力すべきであると思っている。家庭教師の資格を取ることも、学校の教師になることも、僕は諦めなかった。
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僕は、街に出ると、少年や少女に手足がない人がいる、と指差されることがしばしばあった。それでも僕はめげなかったし、少し悔しかっただけだった。僕は専用トレーナーに乗って夜回り先生の真似がしたかった。
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夜回りを毎週土日にするようになってから、ひきこもりだった過去やいじめられた過去を僕に正直に話す十代、二十代の青年に強く胸を打たれた。いつかこの子たちを明るい人生に向かわせるべく、本を読んで学んだ訓育の類を本気で説諭した。
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あれから一ヶ月、二ヶ月経つと、学校に復帰する青年が一人、またひとりと増えていった。二十代の青年の中には、大学に行きたいとか、通信制高校に行きたいと前向きに考える者もいた。僕は涙を浮かべて歓んだ。
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僕は教員免許を取ることができた。少しでも希望があるならば、希望を勝ち取るべきだ。僕は五体不満足でも、幸せだ。


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