2024年にCEDAWが皇室典範に言及し、日本へ見直しを勧告した経緯を検証するには、第89会期に提出されたNGO等のシャドーレポートの分析が重要です。
特に、JNNC(Japan NGO Network for CEDAW)が提出した包括的シャドーレポートは、最終勧告との対応関係を検討する上で有力な資料の一つと考えられます
CEDAW(女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約) 第89回会期(2024年10月7日~10月25日)
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CEDAW提出資料(日本語訳)
私たちは、日本の皇位継承制度が今なお深刻な性差別の上に成り立っていることを、女性差別撤廃委員会(CEDAW)に知っていただきたいと考えています。日本人は、「女性」が日本の象徴である天皇になることのできない国に暮らしています。
私見では、これは日本政府(高齢男性の割合が非常に高い自由民主党の政治家によって支配されている)が、ジェンダー差別について強い偏見を持っているためです。
私たちは、皇位継承資格を男性に限定している皇室典範について、ジェンダー平等に反するものとして改正するよう、日本政府に対してCEDAWから警告を発していただきたいと考えています。
私たち「愛子さまを皇太子に推す会」は、皇室典範から「男性のみ」とする規定を削除する改正を行い、愛子内親王殿下が皇位を継承されることを望む市民団体です。
私たちは、皇室典範第1条から「男性のみ」とする規定を削除し、愛子内親王殿下が皇位を継承できるよう求める請願の署名運動を、2024年6月1日から開始しました。本日までに日本国民から10,964筆の署名を集めています。
(voice.charity/events/784)
しかし、自民党の政治家はこの請願を決して受け入れようとせず、国会で議論されることもありません。
以下、日本の皇位継承をめぐる状況を説明します。
■ 愛子内親王殿下が「女性であるため」に将来の天皇になれないことをご存じですか。
日本よりジェンダー平等が進んだ国に住む方々の中には、天皇陛下と皇后陛下の唯一のお子さまである愛子内親王殿下が、次の天皇になると思っている方もいるかもしれません。
しかし、そうではありません。現行の皇室典範によれば、愛子内親王殿下は「女性」であるため、次の天皇になることができません。
愛子内親王殿下は、単に「女性」であるという理由だけで皇位継承資格から排除され、現行法の下では皇位を継承することが認められていません。
仮に愛子内親王殿下が生物学的に男性であったならば、異論なく次の皇位継承者に定められ、父君である天皇陛下の即位に伴って皇太子になっていたはずです。
今日のジェンダー平等という社会的基準に照らせば、これは女性差別ではないでしょうか。
多くの国と同様、日本の人口のおよそ半数は女性です。
皇位継承者を男性のみに限定することは、「女性は国家の象徴になれず、女性は日本の国家元首になれない」という、日本のジェンダー差別を示すメッセージを世界に発することと同じです。
私たちは、この状況を変えたいと考えています。
■ 各種メディアが実施した世論調査によれば、国民のおよそ90%が女性天皇を支持しています。
共同通信が2024年4月27日に公表した全国郵送世論調査によれば、回答者のおよそ90%が女性天皇を支持する考えに賛成しました。
つまり、日本国民の圧倒的多数が女性天皇を支持しています。
しかし、政治家はこの圧倒的な国民の声に耳を傾けず、「男系男子による継承」に固執しています。
なぜでしょうか。
天皇を男性に限定する規定が設けられたのは、明治時代(1868年から1912年)になってからであり、旧憲法である大日本帝国憲法において定められました。
歴史を振り返れば、明治時代以前には8人の女性天皇が存在しました。
しかし、日本政府は、2,600年以上とされる長い皇統の歴史の中で生じた、この一時的な「男系男子による継承」のルールを、決して変更できない伝統であるかのように扱っています。
■ 解決方法は非常に簡単で、皇室典範第1条を改正するだけです。
日本国憲法第1条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と定めています。
すなわち、憲法上は、日本国民の総意を得られるのであれば、男性でも女性でも天皇になれるということです。
そして最も重要なのは、将来の天皇が皇位を継承するためには、日本国民の総意を得る必要があるという点です。
愛子内親王殿下は現在、皇位継承資格を有していませんが、日本国民の総意を得るという憲法上の要件を満たすことができる唯一の方であると考えます。
さらに、憲法第2条は皇位が世襲であることを定めています。しかし、定めているのは「世襲」のみであり、天皇の性別については規定していません。
憲法は天皇の性別を規定していないにもかかわらず、その下位法である皇室典範は男性のみに限定しており、これは憲法に違反しています。
1947年、皇位継承資格を男性に限定する法律が制定され、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定められました。
この条文は、1889年の大日本帝国憲法に置かれていた「皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承ス」という規定に由来します。
135年前にあたる明治時代の社会状況は、今日とは大きく異なっていました。
「側室制度」はすでに廃止されており、男系男子のみで皇統を維持することは、生物学的にも困難になるでしょう。
「男系男子」に固執し続ける限り、皇位継承者の数は減少し、皇統は不安定な状態のままになります。
また、皇位継承資格を持つ男性と結婚した女性皇族は、常に男子を出産するよう強いられ、男子を得るために政府公認の性選択出産が行われる可能性すらあります。性選択出産は、過去に実際に行われた可能性もあります。これは極めて非倫理的です。
男系には皇位継承資格を認めながら、女系には認めない法律は、時代錯誤にほかなりません。
法律が時代遅れで問題を複雑にしているのであれば、性別にかかわらず皇位継承を認めるよう改正すべきです。
日本国憲法第2条は皇位継承について「世襲」とのみ定めています。また、憲法第14条は、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と定めています。
日本は1985年に女性差別撤廃条約を批准しました。
男系の子にのみ皇位継承資格を認める皇室典範は、憲法第14条の原則および女性差別撤廃条約に反するため、違憲であると考える人々もいます。
私たちは、日本の「男性のみの皇位継承」が伝統ではなく、女性に対するジェンダー差別であることを、できる限り多くの人々に認識していただきたいと願っています。
憲法の理念に基づき女性天皇を実現するため、皇室典範第1条を「皇位は、皇統に属する者が、これを継承する」と改正すべきです。
皇室典範は憲法とは異なります。憲法と違い、皇室典範は衆議院および参議院の過半数の賛成によって改正できます。
前述のとおり、皇室典範の改正手続はそれほど困難ではありません。それにもかかわらず、なぜ日本の政治家は改正にこれほど消極的なのでしょうか。
私たちは、責任を引き受けようとする政治家がいないためだと推測しています。
この状況を打開するため、CEDAWからの警告が政治家に対する有効な圧力になると考えています。
日本国憲法は、天皇を日本国の象徴と定めています。皇室典範が改正され、女性が天皇となり日本の象徴となることが可能になれば、それは、ジェンダーギャップが世界118位である日本政府が掲げる「すべての女性が輝く社会」に向けた大きな一歩となるでしょう。