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「開かれること」自体が目的になってしまっている
たとえば、「毎週、月曜日の10時は定例会議」ということが、決まっているとします。
あなたは、アウトルックとかGoogle カレンダーに入っている会議の予定を見て、こう感じているのではないでしょうか。
「あ〜あ、月曜は朝から会議か、面倒だなぁ。まあ、座っていれば勝手に終わるから我慢、我慢」
こんな会議は、まさに、「開かれること自体が目的になってしまっている会議」です。
もちろん、活発な議論が交わされ、内容が充実していて、必要なことが決定する会議ならば、やる価値はあるし、あなたの参加意欲も変わってくるでしょう。
しかし、悲しいかな、私がこれまでに相談に乗ってきた企業での会議の実態を見ると、一般社員が、「イスに座ること」、つまり、「参加すること」だけが目的になってしまっている会議が毎週、場合によっては毎日開かれている。まさしくムダな時間そのものです。
そんな「開催することが目的化しているミーティング」の中身は、メールで共有すれば済むような連絡事項だけで、あとはどうでもいい雑談になっていることもあるのではないでしょうか。
しかし、なぜ、そのような会議はなくならないで残り続けるのでしょうか。今までの慣習を踏襲しているだけなのでしょうか。しかし、会議の決定権を持つ役職の人ならやめることも可能なはず。長年、誰もやめようとしないのには隠れた理由があるのかもしれません。
「上司の虚栄心」を満たすためのムダな会議
実は、こうした会議は上司にとって、自己満足に浸る絶好の機会です。上司がメンバーの顔を見て、ハッパをかけることでマウンティングし、自分の権力を誇示する場になっているケースが多く見受けられます。
あえて、名前をつけるなら「マウンティング会議」です。上司の虚栄心を満たすためだけの会議であれば、ムダでしかありません。極論で言えば、ムダな会議はなくしてしまうのが一番です。
しかし、それはあなたが部門長でもないかぎり、現実的には難しい話。なくせないなら、せめて、「意味のない会議」を「意味のある会議」に変えていきたいところですよね。
実は、会議は、準備が9割です! 会議を意味のあるものにするのであれば、次の3つについては事前に決定され、参加者に告知されていなければなりません。
●会議の参加者と役割
●会議のアジェンダ
このうち、会議の「時間」と「参加者と役割」は事前に決定していることも多いかと思います。見落としがちな曲者は、3つ目の「アジェンダ」!
アジェンダとはつまり、会議の議題や目的のこと。具体的には、たとえば、「この会議では、これとこれとこれを決定します」という、言わば「その会議が目指すべきゴール」のことです。
これがない会議は、山頂がわからない登山のようなもの。参加者は、どこを目指しているのかわからないまま、登山を始めなくてはなりません。
逆に言えば、アジェンダが存在しないのであれば、わざわざ会議を開く必要はないと言えます。にもかかわらず、私の調査では、64%の社内会議でアジェンダが共有されないまま開催されていることが判明しました。
「過剰な気づかい」がムダな会議を増やす
あなたがある提案を社内で通したいと考えたとします。
その提案を通すには、役員が参加する会議での決裁が必要です。その場合、提案資料が必要です。
しかし、直属の上司のオッケーをもらえば、そのまま役員にプレゼンできる……というケースはまれなものです。
たとえば、次のようなケースがあり得ます。
●他部署へ伝えておいたほうがいいだろうと思い、営業部と共有会議を行う。
●いちおう上司の課長にも共有する会議を行う。
●今度は、どのような資料を作成すべきか関係者で打ち合わせをする。
●資料に入れるデータが欲しいと、経理部との会議を行う。
●資料が完成したら、上司との1回目の打ち合わせを行う。
●部長から「資料をもっとコンパクトにしてほしい」と言われ、作り直す。
●指示どおりに資料を作り直し、部長から最終承諾を得るための会議を行う。
いかがですか? 会社によって多少の違いはあるでしょうが、「会議のための会議のための会議」が重なって、本来の目的は何なのか、わからなくなってしまうこと、ありますよね。
大事なのは提案の中身なのに、それ以外に費やす手間と時間が多すぎます。方向性違いの余計な気づかいを生んでしまいます。
あるいは、自分の発案でなくても、上司から「こういう稟議をあげなさい」と指示される場合もあると思います。いや、そっちのほうが多いでしょう。
そんなときは、余計に、「どうして、自分の意見でもないのに、こんなに苦労して、いくつもの関門を突破しなくちゃいけないんだろう」って、思うことでしょう。
「会議のための会議のための会議」問題
社員数2000人を超えるとムダな会議が増える傾向がありますが、もっと規模の小さい会社でも、同様の事例は珍しくはありません。いったい、どうすればよいのでしょう?
この「会議のための会議のための会議」問題は、なぜ起きるのでしょうか。「そういうものだから」と上司や先輩から言われても納得いかないでしょう。
では、間を飛ばすと何が起きるのか、それは、「上司から、『ぜんぜんだめだ、何やっていたんだ!』と激怒される」かもしれないということです。過剰な気づかいによって、折り重なって会議が増えていくのです。
「他部署の了解を取っておかなくては」「きれいな資料を作ったほうがいいのでは」と、忖度によって会議が増えてしまう。過剰な気づかいは生産性を落とす大きな原因なのです。
少しでも1つひとつの会議の手間を減らしたいですよね。もしも、会議の設定自体を減らせないのであれば、資料を減らすという作戦はいかがでしょうか。
1時間の経営会議のために、現場の社員は平均73時間かけて準備し、うち65時間が資料作成に費やされているという調査結果もあります。
ミルフィーユみたいに重なった会議それぞれに、分厚い資料を用意し、会議ごとに修正をいちいち入れるのはいかにもムダの多い作業です。経営会議本番に用意する資料の4割は、実際には見られることがないことも調査でわかっています。
「資料は立派なほうが評価される」という思い込み
そうした事情は、現場の社員だけでなく、管理職も気づいていながら、解決に手をつけられていないことが多いのです。であれば、ここは上司を巻き込んでしまうのが上策です。
課長であれば、部長からの評価を得たいものです。そこで、「部長は、細かな資料までは目を通さないので、わかりやすく簡潔な資料で提案しましょう」などという提案もできます。
現場の社員のみなさんの、ありがちな間違いとして「資料は立派なほうが評価される」という思い込みがあります。
私は職業柄、数多くの経営者や役員の方々とお話をさせていただきましたが、資料が立派だから評価するという方は、ほぼゼロです。むしろ、簡潔で要点を押さえたペラ1の資料のほうを評価するという方までいます。
もし、可能であれば「資料はA3の1枚で文字サイズは14ポイント以上」とルールを提案してみてはいかがでしょうか。余計な手間も省けるはずです。