味は変えず、戦い方を変える。都心進出の戦略
これまで「ろくでなし」は福津市を本店として、新宮店や若宮店など都心から外れた場所に店舗を広げてきた。それが、ここ数年で福岡の都心部に進出を果たしている。2024年には博多駅から一駅の吉塚店、そして2026年には街の中心部にあるショッピングモール・キャナルシティ博多内のラーメンスタジアムにも出店。
こうなると、かつては同店を目指してやってくる客を相手にしていたものが、仕事帰りや観光客などの「ライト層」に対してのアプローチも必要になるはずだ。
「ラーメン自体は何も変わりません。味はもちろん、それ以外のクオリティを上げ続けることはやりつつ、これからの飲食店はプロモーションに力を入れていくかが重要だと思っていて、いろいろと工夫をしています」
ただ、工夫を凝らしても、8店舗が並ぶキャナルシティ博多の「ラーメンスタジアム店」は大苦戦を強いられているという。その要因を中村氏は次のように分析する。
「ラーメンスタジアムに来られる方の多くは、『どこにしようか?』と8店舗を見比べながらお店を選ぶ。そういった方に、うちはほとんど選んでもらえていない現実があります。こういった施設で強いのは『元祖』など、源流や基本を感じさせるお店です。うちは、そうではありませんから、なかなか難しいです」
とはいえ、この結果は予想していたものだったという。ではなぜ、リスクを負ってまでラーメンスタジアムに出店したのだろうか。
「知名度を上げたいという思いが強かったです。ラーメンスタジアムは、うちを目指してこられる方だけでなく、広くラーメンを食べられる方の目に少しでも多く触れられますから。そのおかげで、取材のご依頼も増えましたし、他の施設からの出店依頼もくるようになりました。これはリスクを負ったからこそ得られたものだと思います」