〇何度も同じことを書くが、霞ヶ関で「忙しい自慢」、「寝ていない自慢」をして出世する官僚は稀だ。上の立場になればなるほど、細かい資料を読み込んで知識を蓄えるのではなく、十分に睡眠をとって判断力を養うことが重要だからだ。
そもそも政府の組織は、一人の人に業務が集中しないように分担管理されている。首相にも、経済産業省出身の首席秘書官のほか、財務・外務・経産・厚労・防衛・警察の各省庁から秘書官が一人ずつ出ていて、それぞれエース級の優秀な官僚がずらりと控えている。夜を徹して資料など読み込まなくても、これらの秘書官に聞けば政策は整理されてズラズラ出てくるし、疑問点にもスラスラ答えてくれる。もし足らなければ、それぞれ担当省庁が万全のバックアップをしてくれる。
高市首相がこれらのエース級官僚たる秘書官より政策能力があるとは思えないから、結局高市首相はスタッフの使い方がわからない、組織の動かし方を分かっていないリーダーである、ということになる。そばにいるエース級官僚が信用できないというのであれば、そもそも人間として組織の上に立てる器量がない。私が、これまで「高市政権は民主党政権にそっくり」と言ってきた所以である。
リーダーの役割は、決断することである。大量の資料を読み込んで勉強することではない。かつて小泉政権の時、小泉首相は私たちが説明しても資料のページをめくることはなかった。いつもソファーに寝転んで、か細い声で「いいよ、いいよ、やって、やって」と言うだけだった。だから当時の官邸は、「首相に説明する資料は1ページで」と指示していた。それでも、賛否はあるが、あれだけのことはできた。
【昼からは手付かずだった大量の洗濯後のハンカチやインナーのアイロンかけとお裁縫を一気に処理】
とつぶやいているようだが、女性を前面に出したあざとさを感じざるを得ない。仕事してる女性はみな、普通に家事と両立させている。この週末の各メディアの調査で大幅な支持率下落が報道されて、国民の同情を買いたい狙いがありありだ。しかし、睡眠不足を誇示して判断能力に疑問があるリーダーがトップにいること自体が、国にとっての危機だ。
今やXでの高市首相のつぶやきは、各国語に即時に翻訳して世界中に出回っている。昨日は、中国とロシアの軍艦艇が沖ノ鳥島周辺を航行し、中国海軍艦艇が実弾を射撃している。挑発を行って突発的事態を引き起こすために、寝ていない首相の判断能力を試したくもなるだろう。だから世界の首脳は、こんな同情を買うためのつぶやきはしない。重大な国益にかかわる。そろそろ誰かがタオルを投げ入れる時がやってきたのではないか。
7月に入ってからの土日は、公邸で『骨太方針』『日本成長戦略』『地域未来戦略』に関する分厚い資料を早朝から深夜まで読み続け、2週目は与党審査で加筆修正された部分を熟読検討するなど、高市内閣が初めて骨太方針や概算要求段階から関われる令和9年度予算や本格的に取り組める中長期の成長戦略に向