GMOインターネットグループの熊谷正寿代表は7月21日、在宅勤務の「完全廃止」を公表した一連の投稿について、「『表現の過剰性』で誤解を生み、お騒がせした」とXで謝罪した。在宅勤務という働き方そのものを否定するものではなく、見直したのは「グループとして在宅勤務を推奨する」という基本方針だと説明。真意は「AI時代におけるオフィスの価値再定義」だと説明した。
熊谷氏は14日、グループとして推奨してきた在宅勤務を完全に廃止したと投稿し、理由として在宅勤務では時間当たりのPCタイピング数が減っていると説明していた。今回の投稿では、短文が好まれるXを意識したために「タイピング」という説明が一人歩きし、それのみで判断したかのような誤解を与えたと振り返った。介護・育児・通院など個別の事情がある場合は、人事部門と相談のうえ柔軟に対応するという。
原則出社を推奨する理由は3点挙げた。第一に、AI時代の働き方の変化だ。「作業はAIに任せ、人はオフィスに集う時代へ」とし、人はより創造的な議論や意思決定、学び合いに時間を使うべきだと主張。答えのない問いに表情や間、空気感も含めて向き合う場として、顔を合わせる価値はAI時代にむしろ上がっているとの考えを示した。
第二に、自社のAI環境だ。同グループは「NVIDIA H200」などの高性能GPUを備えたAI向け計算基盤を事業展開しているという。熊谷氏自身がグループAI変革最高責任者(グループCAIO)を兼務し、14日には「グループAI推進本部」を設立。全従業員にマイクなどを配り、「声でAIを使う」環境を整える「プロジェクト・ウィスパー for AI byGMO」も始動した。こうした取り組みで、グループ全体のAIエージェント業務活用率は約7割に急伸し、従業員1人あたり月53.9時間、グループ全体で月35.2万時間の業務削減を達成したという。
第三が年収だ。同グループは2030年までに、グループ従業員8300人で「日本一の平均年収」(2100万円)の実現を目指すプロジェクトを進めているという。業務のAI化を他社より早く進める先行者利益が、生産性と年収還元の原資になるとし、そのためには「対面による創発と超高速意思決定が不可欠」と述べた。
熊谷氏は最後に「個別事情を無視して一律に出社を求め、パートナーのQOLを下げたいという考えはまったくありません」と述べ、改めて謝罪した。
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