「あなたの見間違い」施設長は訴えを長期間放置…学童クラブの20代支援員が女児15人超に性加害、『カンブリア宮殿』出演の法人トップは「すべてが遅かった」と認識不足を強調
「60人ほど集まっていましたが、なかには性被害について知らない保護者もいました。案内状には『当クラブにおいて職員の不適切な対応に関する事案が発生』し、『経緯および今後の取り組みについてご説明申し上げる』と記してありました。運営側の性被害認識が甘く、加害者の支援員に対して十分な対応を取っていなかったことを公式に詫びて、性的虐待事案について説明するのかと思いきや、そこは全然ふれないんです。 運営が語ったのは、支援員による『児童の逆さ吊り』と『トイレ閉じ込め』事案について、今後気をつけますという報告のみ。その2件だけ説明して『何か質問ありますか』と言うから、もうびっくりして……。加害者の名前さえ公表されず、性被害の全容も十分に説明されないなんて、なんのための保護者会なのか? 責任の所在や再発防止策を問う声と、問題を運営側が隠していたんじゃないかという怒号も上がり、そこから保護者による質問の嵐でした。予定を1時間以上もオーバーして、大荒れとなった保護者会でした」 この父親が続ける。 「保護者会には、当時クラブを管理する立場にいた幹部たちも壇上に上がっていたんですが、この期に及んで『聞き取りはしたけど、スタッフが(被害現場を)見ていないと言った』と言い張る人もいて。挙げ句の果てには『僕たちは調べたんだから悪くない』と開き直っていたのが、とても残念でした」 クラブを運営する「佛子園」の理事長・雄谷良成氏は2024年、『日経スペシャル カンブリア宮殿』(テレビ東京系)に出演。能登半島地震の復興のなか奔走する様子が取り上げられるなど、地元の“名士”として知られる。今回の一連の事件の見解を問うべく取材を申し込むと、同法人の事務所にて応じた。 ――当該職員による性加害事件そのものは、認めますか? 「今回のことに関しては、本当に重く受け止めています。私自身が事件を把握したのが、今年に入ってのことで。市役所からの虐待認定が出されるに至って認識しました」 ――性被害の報告が各方面から上がっても、適切な対策を取らなかったのはなぜでしょうか? 「職員の教育やダブルチェック体制など、問題があったと思います。担当していた職員たちの性被害に対する意識が甘かった。徹底されていなかったのは、組織の問題だと認識しています」 ――加害者の職員は約2年間、お子さんに近い場所でずっと配置替えもなかった。 「きちんと認識していれば当然、把握した時点で配置替えをして、さらに調べるということをしたのですが、すべてが遅かった」 ――「現場の幹部が性被害を隠蔽していたのではないか」という声もありますが? 「隠蔽ということはまずないですね。やっぱり自分たちも福祉の現場にいる人間なので、そういったことがないようにするのが一義ですから。ただ繰り返しになりますが、事実としては本当に性虐待を認識できていなかったということに尽きます」 ――保護者会で、性的虐待についてスルーしようとしていたという指摘については? 「保護者会では、白山市の虐待認定に基づいてご説明しました。まず、そこの説明が求められると考えましたので。あえて性的虐待を外したということではありません。どれだけ組織として謝罪をしても、最後の最後まで納得できるような案件ではないと思います。ですから、誠意を尽くして謝罪するしかないですね」 落ち度を認めつつも、認識不足を強調する理事長。それに対し、白山市内にある別の学童クラブ代表は厳しく指摘する。 「同クラブの問題は、支援員の管理の甘さや対応の遅れにより長期化しました。行政や警察との連携に加え、被害者の会設立や保護者会での意思決定の見直しが、今後の運営改善のために不可欠です。学童クラブの運営は補助金などで賄われており、支援員の待遇や人数不足による管理体制の不備も、事件の遠因といえるかもしれません」 前出の父親は、取材の最後でこう訴えた。 「うちの娘はトラウマを抱え、今も密閉空間への恐怖や不安を訴えています。きちんとしたマニュアルを作って、子供たちを守る仕組みを整えてほしい。もう二度と同じことが起こらないようにしてほしいですが、学童がなくなることは決して望んでいません」 親たちが安心して子供たちを預けられる場所を取り戻すために、運営側の真摯な姿勢が問われている。