「ちんすこう食べて」少女に声かけた男子中学生逮捕 なぜ?意外な罪名とは
香川県丸亀市の路上で7月10日と14日、面識のない10代少女に「研究に参加してくれない?」「ちんすこう食べてくれん?」などと複数回声をかけたとして、14歳の男子中学生が逮捕された。「ちんすこう」は沖縄の伝統的な銘菓だが、意外だったのはその罪名だ。
なぜ逮捕された?
報道によると、男子中学生が通う中学校の関係者から警察に連絡があり、15日に逮捕された。男子中学生は「性的な欲求を満たすためだった」と供述し、容疑を認めているという。
ただ、声かけだけで性的な身体接触には至っていないため、男子中学生が問われた罪名は「香川県迷惑行為等防止条例違反」だった。この条例は、ストーカー規制法ではカバーできない同一人物に対する「嫌がらせ行為」も処罰の対象としている。あまり知られていないが、ほかの自治体の条例にも同様の規定がある。
香川県の場合、正当な理由なく、著しい不安や迷惑を覚えさせるような方法で、通路に立ちふさがったり、義務のないことをやるように要求したりする行為は、最高で拘禁刑6か月に処される。罰金だと50万円以下だ。警察は行為の目的や経緯、被害者の証言などを総合的に判断し、この「義務のないことの要求」に当たるとして立件した。
「卑わいな言動」に当たる?
一方で、こうした条例では、公共の場所などで性的しゅう恥心を著しく害し、不安を覚えさせるような「卑わいな言動」をすることも罰則付きで禁止されている。「ちんすこう」は、ひらがなの組み合わせやその響きから男性器の俗称を連想させるため、卑わいな言葉遊びとして悪用されることがある。
「ちんすこう食べて」という発言も、言い方や状況が性的な意図と結びついており、相手の反応をうかがって性的な興奮を得る目的があった場合、条例が規制する「卑わいな言動」に当たると考えることもできる。
ただ、「卑わいな言動」としての立件は犯人の主観に頼る部分が大きく、立証に微妙な判断を要する。どちらの容疑でも罰則は同じであるため、警察はより客観的に立証しやすい「嫌がらせ行為」で立件したものと思われる。
今後どうなる?
警察は、男子中学生に余罪があるものとみて捜査を進めている。14歳は刑事責任を問える年齢であるものの、少年法が適用される年齢でもある。今後は警察による捜査を経て、家庭裁判所に送致されることになる。そこでは、非行の内容や更生の可能性、生活環境などを踏まえ、処分が決められる。
ただ、今回の事件だけであれば、大人同様の刑事罰を科すために検察官に逆送されることは考えにくく、保護観察などの保護処分となる可能性が高い。今後、欲望のおもむくまま性的な犯行を実行しないように、家族や周囲による監督を含め、再犯防止に向けた対応が求められる。
今回の事件は、一見すると何気ない言葉であっても、その目的や状況によっては法的な処罰の対象となり、逮捕にまで至り得ることを示した事例といえるだろう。