原発を運転する事業者としての適格性があるのか。強い疑問を抱かざるを得ない。
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の耐震データ不正を巡り、不正の源流は駿河湾を震源とする地震が発生した2009年にさかのぼる可能性が出てきた。5号機で想定を上回る揺れを観測したことで、追加の耐震策を回避する目的で始まった可能性があることが明らかになった。
中部電の不正問題は、耐震設計の目安として想定する揺れである「基準地震動」のデータを不正に操作し、意図的に過小評価していたものだ。中部電はこれまで、不正は遅くとも12年から3、4号機で行われていたと説明していた。だが、東京電力福島第1原発事故より前の09~11年に5号機の早期運転再開に向けて始まった疑いがある。
浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域直上にあり、福島原発事故後に菅直人首相(当時)の要請を受け、全面停止した。中部電は再稼働を目指し3、4号機の審査を申請している。5号機を含め廃炉中を除く中部電の原発3基全てで耐震の基礎となるデータで不正があったとなれば、安全審査の根幹が揺らぐ。原発の安全性に対する信用を失墜させる悪質な不正行為と断じるほかない。
09年の地震では原発が立地する御前崎市で震度6弱を観測。5号機では1~4号機の数倍となる地震動を観測し、一部で当時の設計基準を超えた。関係者によると、中部電は国から追加対策を求められるのを避けるため、多数の地震波を作成し、都合の良い波を選んでいたという。
不正は今年1月に3、4号機を対象に発覚した。中部電は基準地震動を策定する際、計算条件を変えた20の地震波の中から最も平均に近い1波を「代表波」として選抜していると説明していた。だが実際には、一定基準を超えた波を計算結果から除外するなどデータを恣意(しい)的に選び、つじつまを合わせていた。
こうした不正行為は3、4号機の再稼働審査の資料作成時だけでなく、原子力規制委員会による調査が始まった昨年5月以降も行われていた。不正に手を染める契機となったのが09年の駿河湾地震だとすれば、データ改ざんが社内で連綿と引き継がれてきたことになる。
社内の複数の部署が関与していたことも看過できない。地震動の担当部署は他部署に対し、地震による施設への影響の評価を依頼。影響がある波は「×」、選んでほしくない波は「△」などと分類させた上で代表波を選んでいた。組織としてのコンプライアンス(法令順守)意識の希薄さにあぜんとする。
データ不正を巡っては、外部の弁護士からなる第三者委員会による調査が進んでいる。経営陣を含め上層部の関与の有無も重要な焦点だ。不正の実態を徹底的に洗い出さねばならない。
中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の耐震データ不正を巡り、不正の源流は駿河湾を震源とする地震が発生した2009年にさかのぼる可能性が出てきた。5号機で想定を上回る揺れを観測したことで、追加の耐震策を回避する目的で始まった可能性があることが明らかになった。
中部電の不正問題は、耐震設計の目安として想定する揺れである「基準地震動」のデータを不正に操作し、意図的に過小評価していたものだ。中部電はこれまで、不正は遅くとも12年から3、4号機で行われていたと説明していた。だが、東京電力福島第1原発事故より前の09~11年に5号機の早期運転再開に向けて始まった疑いがある。
浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域直上にあり、福島原発事故後に菅直人首相(当時)の要請を受け、全面停止した。中部電は再稼働を目指し3、4号機の審査を申請している。5号機を含め廃炉中を除く中部電の原発3基全てで耐震の基礎となるデータで不正があったとなれば、安全審査の根幹が揺らぐ。原発の安全性に対する信用を失墜させる悪質な不正行為と断じるほかない。
09年の地震では原発が立地する御前崎市で震度6弱を観測。5号機では1~4号機の数倍となる地震動を観測し、一部で当時の設計基準を超えた。関係者によると、中部電は国から追加対策を求められるのを避けるため、多数の地震波を作成し、都合の良い波を選んでいたという。
不正は今年1月に3、4号機を対象に発覚した。中部電は基準地震動を策定する際、計算条件を変えた20の地震波の中から最も平均に近い1波を「代表波」として選抜していると説明していた。だが実際には、一定基準を超えた波を計算結果から除外するなどデータを恣意(しい)的に選び、つじつまを合わせていた。
こうした不正行為は3、4号機の再稼働審査の資料作成時だけでなく、原子力規制委員会による調査が始まった昨年5月以降も行われていた。不正に手を染める契機となったのが09年の駿河湾地震だとすれば、データ改ざんが社内で連綿と引き継がれてきたことになる。
社内の複数の部署が関与していたことも看過できない。地震動の担当部署は他部署に対し、地震による施設への影響の評価を依頼。影響がある波は「×」、選んでほしくない波は「△」などと分類させた上で代表波を選んでいた。組織としてのコンプライアンス(法令順守)意識の希薄さにあぜんとする。
データ不正を巡っては、外部の弁護士からなる第三者委員会による調査が進んでいる。経営陣を含め上層部の関与の有無も重要な焦点だ。不正の実態を徹底的に洗い出さねばならない。