〈社説〉政治的中立調査 学校の萎縮を招く恐れ

2026年7月20日 07時38分
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 沖縄県名護市の辺野古沖で研修旅行中の同志社国際高(京都府)の生徒らが乗った船が転覆し、生徒1人と船長が死亡した事故を受け、文部科学省が校外活動の安全確保や適切な教育活動の取り組み状況を確認する調査を始めた。
 校外活動中の死傷事故が相次ぐ中、現状を調査し、安全を徹底することは理解できるが、教育活動の政治的中立性にも踏み込む調査は、明らかに行き過ぎだ。
 調査対象は全国の教育委員会や国公私立の小中高校など。7月末までの回答を求め松本洋平文科相は調査結果の公表にも言及した。
 3月に起きた辺野古沖での事故を受け、文科省は4月、各学校に作成が義務付けられている「危機管理マニュアル」の点検や、教育基本法に基づく教育活動が適切に行われているか確認するよう求める通知を出していた。
 今回の調査では、各学校がマニュアルの点検などを実施したか否かを調べ、教育委員会や学校法人に対しても、管轄校に確認したかどうかを尋ねる。
 同省は5月、政府が辺野古で強引に進める米軍新基地建設に反対する市民団体の船に生徒を乗せていたことを問題視し、同校の教育活動が特定政党を支持または反対するための政治教育を禁じる教育基本法14条2項に違反すると認定した調査結果を公表した。
 しかし、平和や政治を学ぶことは同法1条で教育の目的とされる平和で民主的な国家及び社会の形成者の育成に不可欠だ。第2次世界大戦中、本土防衛の「捨て石」とされた沖縄で、新たな軍事基地の建設に反対する県民に学ぶことには意義がある。
 同校の平和学習が、生徒らの安全確保への配慮を欠いていたことは否定のしようがない。
 とはいえ、同省が調査対象を全国に広げて、安全確保策だけでなく、教育基本法に基づく教育活動が適切に行われているかを繰り返し確認し、個別の教育内容にまで踏み込んで改善を求めることに妥当性があるとは思えない。
 政治的に中立かどうかは、立場によって判断が異なる。政府の政策に反対する活動を政治的中立性を欠くと断じること自体が「政治性」を帯びており、教育基本法に反する権力の乱用ではないか。
 教育内容に踏み込む調査は、教育現場の萎縮を招きかねない。直ちに中止するよう求める。

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    みんなのコメント2件

  • ユーザー
    天下無敵の無一文 5 時間前

    要らん調査するより国際人権法教育と憲法教育充実させてくれ
    今の与党が横暴できちゃってるのは結局国民にこれが足りてないってのも一因だし

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  • ユーザー
    わきやま 7 時間前

    国旗毀損罪で国民の内心を縛るような政府だから、当然に「政府の政策に反対する活動を政治的中立性を欠くと断じること自体が「政治性」を帯びており、教育基本法に反する権力の乱用」するに決まってます。

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