「世田谷一家殺人」現場の一戸建てに空き巣に入ったベトナム人 "厳罰をもって"発言の検察の意図
月給13万円の生活
「世田谷一家4人強盗殺人事件」の現場となった住宅に侵入し、金品を盗もうとしたとして邸宅侵入、窃盗未遂などの罪に問われているベトナム国籍のルオン・ヴァン・ハイ被告(32)の初公判が7月3日、東京地裁で開かれた。 【画像】「世田谷一家4人殺害事件」現場に空き巣に入ったベトナム人被告の姿 「昨年12月13日に捜査員が宮沢みきおさん(当時・44)宅を訪れた際に窓ガラスが割れているのを発見し、事件が発覚しました。宮沢さん家族4人が殺害された事件が発生したのが’00年12月30日でしたから、このタイミングで見回りを強化していたのでしょう。3月に練馬区で警察官がルオン被告に職務質問をしたところ、在留資格が切れていることが発覚し、出入国管理法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕されました。 取り調べの中で、同じく日雇い労働の仲間で、同じベトナム国籍のグエン・マイン・フン被告(28)と現場に侵入したことをほのめかしています。グエン容疑者は4月に入管法違反の容疑で調布市内にて逮捕されています。逮捕時、ルオン被告は『事件現場とは知らなかった』と供述していたようです。事件現場は遺族が解決を願って保存している場所です。遺族の気持ちを踏みにじる行為であり、知らなかったでは許されるものではありません」(全国紙社会部記者) 起訴状などによると、’25年9月から12月の間にルオン被告はグエン被告に「空き家にはカネ目のものがある」と持ち掛け空き巣を計画。東京都世田谷区内にある宮沢さん宅にフェンスを乗り越えて侵入し、付近に落ちていた石で窓ガラスを割り室内に入った。1階と2階の部屋にあった段ボールを開けるなどして物色したが、金品の発見には至らなかったという。
検察が指摘した”社会問題”
この日、行われた被告人質問では、犯行動機となった日本での困窮生活について語られた。グレーのジャージ姿で出廷したルオン被告は3ヵ月以上の勾留生活のせいか生気がなく、無表情のまま証言台に立った。通訳を通して身元確認をされると「日本での住居は不定。建設作業員です」と答え、起訴内容については「間違いございません」と素直に認めた。 供述によると、ルオン被告は知人からおカネを借りて’23年に出稼ぎのために日本に入国。月給は約13万円だった。その半分以上をベトナムの家族に仕送りしていたが、職場でイジメに遭い、逃げる形で仕事を辞めたという。弁護士から「帰国しようと思わなかったのか」と問われると、「少なくとも借金を返すまでは日本で働こうと思った」と国内で職を探していたそうだが、就労ビザも切れ不法滞在者に。それもあり、職にありつくことはできなかった。 その後は日雇いの仕事で食いつないでいたが、そこで出会ったのが、共犯のグエン被告だった。ルオン被告のほうからグエン被告に空き巣を持ち掛け、今回の犯行に至っている。改めて犯行動機を問われたルオン被告は、 「仕事をしていましたが、(給料は)日々の生活で消えてしまいます。売れるような物があったら、売っておカネにしたいと思いました。してしまったことは間違っていると思います。申し訳ありませんでした」 と謝罪した。次に検察が「返さないといけない借金はどれぐらいありましたか」と質問すると、「半分ぐらいでした」と答え、明確な金額については明かしていない。借金返済後には、「入管に出頭して帰ろうと思っていました」と述べたが、どこまでが本当のことなのか、真偽は定かではない。 ルオン被告は、出入国管理及び難民認定法違反の罪でも起訴されているが、審理を終え検察側は「不法残留が社会問題となる中での犯行」である点を重視し「厳罰をもって臨むべき」として拘禁刑2年を求刑した。 検察の指摘どおり不法滞在者がトクリュウなどの犯行グループに関与するケースも増えており、治安の悪化が懸念される。
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