部内遠征atペンションすずらん
合宿が終わった数日後。今回は、部内の後輩の研究活動に顧問に誘われて便乗採集した回である。場所は虫屋の聖地、山梨県甲州市にあるペンションすずらん。自分は初めてお邪魔したのだが、初採集種が沢山採集できたためとても楽しい採集となった。是非楽しんで読んでいただきたい。
顧問の車に揺られて
「あ、忘れ物した」
から始まった今回のプチ遠征。部内の研究についてのことなので詳細は伏せるが、顧問が今回の遠征で1番大事な研究題材本体を家に忘れてしまったらしい笑
高速に乗る前に一度顧問の家へ忘れ物を回収しに戻り、今度こそ出発!!今回は顧問と自然が大好きな顧問のお子さん、そして研究活動をしにいく後輩たち(メインこっち)との遠征である。
渋滞がエグかったり、後輩の子の親とうまく合流できなかったり、いきなり丸めたティッシュを後部座席の後輩とお子さんたちから投げられたり(?)と色々とトラブル的なこともあったりしたが、来年の研究題材について顧問と話したり、お子さんたちとおもしろおかしく楽しくコミュニケーションをとったりして、なんやかんやとりあえず第一集合場所の道の駅に到着。
僕は周辺で軽く網ならしをしていたが、他のメンバーはお土産を買っていたようだ
ここのトイレには何故か大量のナナフシモドキが落ちていたのが印象的だった。
いつも学校から遠くに望んでいる山々を間近で見ると、とてもワクワクした気分になる。虫をまだ一頭も採集していないのにすでにアドレナリンが出ているのがわかった。
ここで道の駅の裏手の枯れた水路?に回ってみると、直前まで雨が降っていたためかところどころが程よく湿っている。雨上がりの水たまりに一頭の綺麗な蝶がきていた。
この子は11月に行く予定である沖縄本島の虫友のお土産にすることにした
採集する前までは今回の狙いの「ミヤマカラスアゲハ」だと思っていたばかりに少し落胆したが、それでもこの輝きは素晴らしい…!後輩たちに見せると「きれーー!」と言ってくれたので嬉しかった。
そしてここからは山道の急斜面を登っていく。だが舗装はしっかりされているため、おそらくそこまで登るのは大変ではなかったと思う(まあ自分が運転しているわけではないのだが)
「館長によるとたまにヒメオオクワガタが道路を歩いているらしい」
と聞き、助手席から身を乗り出して探してみたがそう簡単には見つからなかった。しかし!外で緑色にギラギラ輝く蝶が飛んでいるのが見えたためすぐに車を止めて僕だけ降ろしてもらった。
長竿を展開している暇なんてない!!!これはもう網だけを手に持って挑むしかない!!
一振り目はひらりとかわされたものの、すかさず振り返して執念のネットイン!!!!
ネットインしてから羽をはっきりと見た第一声は
ウェッやっっば(感動)
輝きがカラスアゲハとはレベチ。こちらの方が光っている鱗粉の密度が高いような気がする
今回の目的の昆虫の中の一つ、ミヤマカラスアゲハだ。この輝き方はヤバい。何か、こう別次元のものを感じる。
やったぜ!!!!!
約7年ぶりに目標のミヤマカラスアゲハを採集することができた!(これで尾瀬合宿の無念は晴らせた…!)流石ミヤマカラスアゲハ、国蝶を決める時の候補に出されるのも納得の輝きを放っている。
ちなみにこの時あまりにも焦りすぎて車のドアを閉めるというマナーは頭の遥かかなたに消え去っていたため、顧問のお子さんに「◯◯(僕の苗字)車のドア閉めろ!!」と笑いながら叫ばれていた(笑)
そして無事に到着。後輩の子はここで親御さんと無事に落ち合うことができた。
さて…何かいないかな…と駐車場の水たまりに目をやると、ミヤマカラスアゲハが給水に来ていたのでここで追加を得た。実はさっき紹介したミヤマカラスアゲハはこのタイミングで採った個体なのである笑(初手で採った個体は顧問を待たせていたこともあり呑気に写真なんか撮ってる場合じゃなかった)
上空を見ていると、今度はふわふわとアサギマダラが飛んでいた。
長竿をフルで伸ばしてネットイン!
アサギマダラは数年ぶりに採集。昔、秋口に秩父で採った以来の再会だ。
よし。じゃあクワガタ探すか!と顔を上げもう一度さっきミヤカラを追加した水たまりをチラ見した瞬間、ものすごいスピードで急降下してくる黒い物体が目に入った。
‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️
狙いの虫が目に入った瞬間にくるこのゾワゾワ感がたまらない。
キベリタテハだ。
コレは絶対に逃してはならない。同じようなシチュエーションで今年(2025)高尾山でヒオドシチョウを振り逃しているので、その時の反省を活かし、地面に網をかぶせて採る。
「カシャン!」と網の枠が地面と綺麗に重なる音がした。キベリが逃げている所は見ていない。
網の中を覗くと無事にネットインできており、網の中でパタパタと暴れていた。
尾瀬で見た時からずっとコイツのことが頭からついて離れなかった。キベリの名の通り黄色で縁取られた羽がとても美しい。
やった…!!!!ついにこの手中にキベリタテハが…!!尾瀬ヶ原で見た時は指先で触れることさえ許されなかったが、今ここでは存分に手に取って観察することができる。しばらく感動に浸っていると、小学校低学年くらいのガキンチョが「俺もとりたかった」「大人気ない」と言ってきた。昆虫採集において、僕はその虫を見つけた人がその虫に挑む挑戦権を得ると思っている。つまり、僕の辞書には昆虫採集において「大人気ない」という言葉は存在しないのだ。(横取りはヤメテ)
しかし、本当にかっこいい。後に館長の方とも話すことになるのだが、キベリタテハは2025年は当たり年だったらしく、例年よりも個体数が多かったそうだ。
キベリを三角紙にしまった後、今度は立て続けにシータテハが給水に来た。
これも初採集。裏のC模様が普段見ているキタテハと違うので新鮮だった。あと個人的に緑色の模様がクセになる。
なかなかに素早く飛ぶので少しネットインに苦戦したが、個体数は多かったため採集自体の難易度はそれほど高くなかった。
ここで一度昼食を挟む。
僕はジビエが食べたかったので猪肉を使った猪丼定食を食べたのだが、実はこのすずらんレストランには夏季におこさまセットを頼むとクワガタの生体がランダムで一頭ついてくるという虫好きの子供達からしたら神のようなサービスがあるので、家族で来た後輩の弟くんはそれを頼んでミヤマクワガタを貰っていた。そして驚愕したのがそのミヤマクワガタのサイズ。なんと70㎜に迫るトンデモサイズだったのである!!!(後計測69㎜up)こんなビッグサイズがもらえるとは一体どんだけ太っ腹なメニューなんだ…!小さなお子さんを連れて行く際には是非注文してほしいメニューである。
昼食後、館長のご厚意でペンションと併設しているすずらん昆虫館のチケットをいただいたので、実際にお邪魔してみた。しかし、こういう時には絶対写真を撮っているはずなのになぜかフォルダを見ても写真が皆無だったため、(そもそも撮影禁止だったのかもしれない)今回は写真を記事に挿し込むことはできない。この記事を読んでくれている方は、実際行ってみてからのお楽しみだと思ってほしい。ここはあえて展示の内容の紹介を控えようと思う。しかし、本当に展示内容がすごかったのは事実なので是非訪れてみてほしい。入館にはチケットが必要となるためそこは注意してほしい。(レストランで買うのかな?)そして館内には「クワガタガチャ」なる、一回500円でクワガタの生体が必ず当たるガチャガチャが設置されていて、中には大当たりとして50㎜を越すような(越してないかも)大型のヒメオオクワガタも入っていたのでやる価値は大いにある。ちなみに後輩のご家族がチャレンジしていて五回ほど回したらしいのだが、全てでっかいミヤマクワガタが当たっていた。サイズは適当に1番でかそうなのを選んで僕が測ってみたら70㎜を越していた。本当に一体どれだけ太っ腹なんだ…
昆虫館を出て振り返ると、昆虫館の外壁にキベリタテハが止まっていたので追加を得る。
その後はすずらんから徒歩で林道を下り、柳を見ながらヒメオオを狙ったが見つけることはできなかった。少しばかりは採集圧もあると思うが、すずらんの近辺はあまりクワガタの密度は濃くないのか…?
ヒメオオは諦めてすずらん周囲の森でミヤマクワガタを探すことにした。
途中にいい感じの柳が生えている砂防ダム的なところまで出たので、ここでも少しクワガタを探すも何もおらず…
川にまたがるように生えていたヤナギの幹を綱渡みたいに歩いたのがいい思い出。
くそー、ほんまになんもおらへんやん。
気温は上がってきているのにもかかわらずここまでクワガタが渋いということはこの辺にはあまりいないのか…?
しばらくぼーっと歩くと、いつのまにかかなり離れたところまで来てしまった。
「あのヤナギの下にある朽木崩して何もいなかったら、そろそろ帰宅時間だし戻るか…」
と、何となしに手でボロボロ崩していると、その朽木の横に生えていたヤナギの根本から幹が二股に分かれたところに挟まるようにして小さなクワガタが身を潜めていることに気付いた。
「お、スジクワだな?まあ坊主よりいいか。とりあえずよかった…」
そう思いながらフセツ等欠けさせないように慎重に外においやって出てきた所をキャッチ、そして捕虫網のネットの上に乗せてみると、何か様子がおかしいことに気づいた。
ん?
え?? この大顎って…
人生初採集!!!
オニクワガタだ‼️‼️‼️‼️‼️‼️
「やべえよ‼️やべええええ‼️‼️」
もうこれでミヤマクワガタなんかどうでも良くなってしまった。
実は移動中の車の中で顧問と「オニクワガタもいるらしいけどやっぱむずいだろうなぁ」「僕も見たことないっすね…」なんて会話をしていたのである。急いで後輩を連れて顧問に「オニクワ採れました!」と伝えると、「え、マジで!?」となかなかに驚いた顔をしていた。
ちなみにこの現場にいた後輩が、僕はしばらくの間「やべえ!!!」としか言ってなかったらしい。見苦しい所を見せてしまった(笑)そして顧問は少し離れた場所にいたので、僕の「やべえ!!!」と奇声発狂を聞いた時、近くに流れていた川に足を滑らせて落ちたのではないかと心配してくれていたようだ(顧問がいる場所まで結構距離があったためなかなかに大声で叫んでいたらしいく少し恥ずかしかった…)
それにしてもめちゃくちゃかっこいい。よくネタでマルバネクワガタもどき的なことを言われるが、大顎の体に占める割合(体積)がこちらの方が大きいので別のベクトルでかっこよさが際立ってくると思う。
オニクワガタは晩夏に亜高山帯でライトトラップをやるとよく飛んでくるらしいのだが、自分はあいにくそんなデカデカしたライトトラップの機材は持ち合わせていないため、採集方法はルッキングか外灯巡りに限られる。「こんなことしてたらいつまでもライトラやれば採れるもんも採れないやん」と思っていたが、やはり一期一会、その時はひょんなことから訪れるのだと感じた勇気をくれた一頭だった。
その後は無事に駐車場まで戻り、レストランの方に挨拶をした後に顧問がオニクワの動画を撮ってから帰路に着いた。帰りは連日の疲れで顧問が運転している横で爆睡をかました。
とても短時間の採集(実は日帰りで夜までには帰らなければならなかったので3時間ほどしか採集できていない)ではあったが、最後の最後まで諦めずに素晴らしい成果をあげることができた最高の遠征だった。次はこの日の翌日からのお盆の帰省編である。あまりにも遠征採集が数日おきレベルでぶっ続けのため疲れて虫以外のことに手が回らず夏休みの宿題がなかなか終わらないのはいつものことだった。
生物部遠征 ペンションすずらん編 完
ギャラリー オニクワガタ
ゴミが写っているのは勘弁。
お読みいただきありがとうございました!


なんて名前のタモ網使ってますか? 教えて貰えると嬉しいです!!
コメントありがとうございます! 自分は剛剣というシャフトを使ってます!安価で扱いやすいのでお勧めめです!