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mitei_narico
くちなし色の地球 【詩】
深夜の改札を
最後の人類が通り過ぎた
青い矢印が
床をゆっくりと泳いでいる
神々は眠っている…
自動改札機は
億万の切符を肉化して
透明な鰓をふくらませていく
エスカレーターの手すりに
黒い水滴が並んでいた
水滴の中では
カタツムリとエスカルゴが
終末の晩餐をやっている
やがて
蛍光灯が一本ずつ
白い枝になり
枝の先の方から
駅名が
新宿
上野
大宮
熟しきった駅名は
静かな鳥になって飛び立ち
虹色の嘴を揺らし
空に穴を開けていく
監視カメラは
濁った魚の眼になり
その瞳の奥では
駅名が海流に溶けていく
ホームに残った風は
配線の中へ入り込み
銅線の奥で
乳白色の雨を編みはじめる
神々は眠ったままだった…
ただ
濡れたレールの下で
蚯蚓の這った跡から少しずつ
くちなし色に染まっていく地表



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