第3話

‎🤍 猫カフェ
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2026/07/11 16:17 更新
ある日の帰り道。
わたしは沈み始めている太陽を後にして幼なじみの 山中柔太朗くん と並んで歩いていた。
柔太朗
ねぇ、これ見て。

駅へ向かう途中、彼は電柱に貼られた一枚の張り紙を指差した。



『 猫を探しています 。 』



写真には白と茶色の毛並みの猫。つぶらな瞳が印象的だった。
あなた
かわいい … !!
思わず呟くと、それを聞いていた彼が張り紙に目を向ける。
柔太朗
… 見つかるといいね。

その日はそのままその場を後にしたものの、私はどうしてもその猫のことが気になってしまった。



数日後の帰り道、路地裏から小さな鳴き声が聞こえた。
あなた
… ねぇ!今の!聞こえた!?
私が声のする方へ駆け出すと、彼も慌てて後ろからついてくる。 生い茂る雑草を掻き分けて奥の方を覗くと、そこにはあの張り紙の子とそっくりな猫がいた。
間違いなく、あの猫だった。

私たちは張り紙に書かれていた電話番号に連絡し、無事に飼い主の元へと届けることができた。飼い主さんはとってもいい人で、私たちに何度も頭を下げた。
飼い主
本当に助かりました!実はわたし、この近くで猫カフェをやっているんです。もし良かったら今度お店に来てくれませんか?お礼をさせてください!
私たちは断ったが、恩人だから。という理由で猫カフェのチケットを渡された。





翌日の日曜日。私たちは例の猫カフェに訪れていた。
飼い主
いらっしゃいませ!

店主はすぐに私たちに気付いて笑顔で出迎えてくれた。

店内に入ると、たくさんの猫たちが思い思いにくつろいでいた。
あなた
うわ〜っ!!!かわいい〜!!!

私はすぐにしゃがみこんで、1匹の猫を撫でた。

すると、他の猫たちも撫でろと言わんばかりに寄ってきて気づけば私の周りは猫で溢れていた。
柔太朗
人気者じゃん。
あなた
でしょー??
私は得意げに笑った。

それからもたくさん写真を撮ったり、おもちゃを使ったりして遊び続けた。


気づいた時には彼とはほとんど話していなかった。
あなた
柔太朗くん!みてー!!
抱き上げた猫を見せようと振り返る。

しかし、彼は不機嫌そうにしていた。
柔太朗
… なに?
彼の低い声は私をぞっとさせた。
柔太朗
さっきから猫しかみてないじゃん。
予想外の言葉に私はぽかん、としてしまった。
あなた
…だってこの子、かわいいし…。
そうだね。と彼は優しい声で答えた。

そしてゆっくり立ち上がり、私の隣へ来てしゃがんだ。

猫を撫でる私の手元を見つめたあと、その視線がまっすぐ私へ向く。


少しだけ真剣な顔。



胸がどきりと鳴った。
柔太朗
あなたの下の名前が猫好きなのは知ってる。
低く、優しい声。
柔太朗
でもさ
柔太朗
俺の事も見てよ。
その言葉と同時に、私の心臓が大きく跳ねた。

膝の上の猫が ″にゃあ″と鳴く。

なのに今は、その声すら遠く聞こえた。

だってもう、目の前の彼から目が離せなかったから。

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