中国国営紙のAI動画に非難拡大 フィリピンを猿に見立てる
2026/7/17 16:34(最終更新 7/17 18:23)
南シナ海問題を巡り、中国国営の英字紙「チャイナ・デーリー」がフィリピンを猿に見立てた人工知能(AI)生成動画を公開した。フィリピン国内では「人種差別的だ」との反発が広がっている。
問題の動画は長さ約1分間で、7月10日にチャイナ・デーリーのSNSに投稿された。動画では、フィリピンの民族衣装を着た猿のキャラクターが「米国」「日本」と書かれた腕によって船上のステージに立たされる。猿は海洋問題を巡り中国の主張に沿った内容の歌詞を歌い始めるが、「歌が違う!」と叱責される。さらに「南シナ海仲裁判決」と書かれた紙を渡されて海に投げ込まれ、中国船とみられる船舶の放水を浴びる。フィリピンが日米に操られているとも取れる内容だ。
フィリピンのテオドロ国防相は16日、動画でフィリピンが猿として描かれた点について、中国が「国民をどのように見ているのか、露骨に示すものだ」と述べ、「人種差別だ」と非難した。ロイター通信によると、外務省も「極めて不快で苦痛で、容認できない」との声明を出した。一方、中国外務省の林剣副報道局長は17日の記者会見で、動画について「公式見解を表すものではなく、コメントは差し控える」と述べた。
動画は、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海を巡り、中国の権益を否定する判決を出してから10年の節目に合わせて公開された。中国は判決を受け入れず海洋進出を強め、フィリピン船舶への放水や航路妨害を繰り返すなど、両国の緊張が続いている。【バンコク国本愛、北京・畠山哲郎】
南シナ海問題を巡り、フィリピンを猿に見立てた「チャイナ・デーリー」のAI生成動画=同紙のフェイスブックより
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