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〔PHOTO〕iStock
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「観察」することの大切さ

――観察するだけでなく、ディスカッションすることも大事なのですね。

小林:はい。今の時代、特にネット上では、批判することが誰かを叩くこととイコールになっている。そんな社会環境では、誰もが萎縮して口をつぐみ、安全な人としか話せなくなってしまいます。状況を変えるには、小さな頃から自分が見ているものに対して批判的観察をして、周りとディスカッションをすることに慣れる必要があると思います。

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そして、観察するうえで大切なのは、時間の経過や地域の違いなどを意識して、見続け、記録して、分析する冷静な態度を持つことです。何年か見続けることで、変化や進化がわかってきます。

ソーシャルメディアで「炎上案件」として話題になるものだけに目を向けて、二項対立的な観点から良し悪し、賛成反対の判断を下すのではなく、どのような社会的文脈や環境で生まれたのか。この表象はどのように変化してきたのか。プラスの面とマイナスの面の両方を見て、やっと「観察」と呼べるのかなと。例えば、小学生の頃に朝顔の観察をして記録するということを経験しますが、このようにどのような対象であれ、時間をかけて見ることはとても大事な訓練なんです。

自分をとりまくすべてのことを観察するのは難しいけれども、身体、ジェンダーに関する表現は、あらゆる人の心身の健康や人権に関わる重要な問題を含み持っていますから、意識的にチェックすることはとても大事だと思いますし、このような観察からお互いにより良いコミュニケーションができるようになるのでは、と考えています。

小林美香さん
小林美香(こばやし・みか) 
国内外の各種学校/機関、企業で写真やジェンダー表象に関するレクチャー、ワークショップ、研修講座、展覧会を企画、雑誌やウェブメディアに寄稿するなど執筆や翻訳に取り組む。東京造形大学、九州大学非常勤講師。著作に『写真を〈読む〉視点』(単著 青弓社、2005)、『〈妊婦アート〉論 孕む身体を奪取する』(共著 青弓社、2018)がある。2023年9月に『ジェンダー目線の広告観察』(単著 現代書館)刊行。

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