NVIDIAが、実機まで到着していたGeForce RTX 50 SUPERの出荷を土壇場で保留にしたことが明らかになりました。背景にあるのは3GB GDDR7チップの価格で、同規格の2GB品に比べて約3倍に達しているようです。
GeForce RTX 5000 SUPERの基板が到着も発売保留に
GeForce RTX 50 SUPERは、2026年1月に投入の無期限延期が伝えられたのち、6月に開発再開が伝えられており、7月にはRTX 5080 SUPERの消費電力がSeasonicの電源計算ツールに掲載されるなど、着実に前進しているように見えていました。
こうした中、VideoCardzが独自の情報源を基に伝えたところによると、少なくとも1社のAIBに実機が到着し、開発は仕様検討や初期試作の段階を超えているとみられます。それにもかかわらずNVIDIAはAIB各社に出荷の保留を通知しており、新たな発売スケジュールは示されていません。
発売保留の原因は3GB GDDR7の価格
保留の理由は3GB GDDR7メモリの価格です。3GB品の現在価格は60〜70ドル、標準的な2GB品は約20ドルで、容量差は1.5倍(50%増)にすぎないのに対し、価格差は約3倍まで開いています。この差は、6枚または8枚のモジュールを使う構成のメモリコストに数百ドル規模を上乗せする計算になります。
この3GB GDDR7チップは、モジュール数やメモリバス幅を変えずにVRAM容量を引き上げられる一方、価格の高さが出荷保留の直接の原因になっています。対象として名前が挙がり続けているのはRTX 5080 SUPER、RTX 5070 Ti SUPER、RTX 5070 SUPERの3モデルで、VRAMは台湾Benchlifeが報じた構成から変更はなく、RTX 5080 SUPERが16GBから24GBへ、RTX 5070 SUPERが12GBから18GBへ拡大する計画です。
対象は4モデル。RTX 5050 9GBは「中止」から「保留」へ
この価格上昇の影響は、SUPERシリーズだけでなくGeForce RTX 5050 9GBにも及んでおり、3GB GDDR7を3枚使う構成(合計9GB)で同じくAIBへの新たな発売日は示されていません。
RTX 5050 9GBは、7月2日には開発中止、または長期延期と報じられていましたが、今回「保留」として名指しされたことで、完全な中止ではなく状態が流動的な段階にあることがうかがえます。また、NVIDIAは6月時点では下半期の値上げを通知していませんでしたが、今回は値上げの代わりに投入延期という形でコスト増を吸収した可能性があるとも考えられます。
この3GB GDDR7のコスト構造が出荷段階のブレーキとして働き続ける限り、SUPERが登場してもRTX 4000 SUPER世代のようなコスパ改善は見込みにくい状況です。次のGPU購入でRTX 50シリーズを考えているなら、SUPERの登場を待たず現行モデルを基準に判断を進めるのが妥当と言えそうです。