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「口約束」と「忖度文化」の壁

――自分のNOを言語化することから始めるのですね。そもそも、英語に比べて日本語は曖昧な表現が多いですよね。契約社会でもないですし。

西山:そうですね。日本ではビジネスの場でも「大丈夫?」といった曖昧な表現がよく使われますし、口約束で物事を進められてしまうことも多い。プロデューサーが「絶対やらないから大丈夫です」と言っても、監督や現場のスタッフに伝わっていないこともよくあります。

組合などの第三者機関がガイドラインを明記して、それが遵守されるような規則があったほうがいいと思います。アメリカやイギリス、フランスですでにガイドラインが作られていますし、性的なシーンがある作品ではインティマシー・コーディネーターを起用することが当たり前になっています。

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――ほかにも、日本特有の問題はありますか?

西山:“忖度文化”ですね。制作側と俳優の間に挟まれて、私自身がどこか忖度していないだろうか、と常に自分を疑っています。仕事で悩んだときはアメリカのインティマシー・コーディネーターに相談できますが、日本では前例がないことばかりなので、本当に迷いながら仕事をしています。課題も山積みです。

もう世界は“同意文化”へ移行し、ジェンダー平等や多様性を公正に表現する方向へ進んでいます。映像メディアやストリーミングプラットフォームがグローバル化するなか、日本だけ文化が違うからといって国際基準に取り残されるのはよくないのではないでしょうか。

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