TBS 1972年4月1日
あらすじ
大ギャングの親分が死んで、あとに残った双子の兄弟。兄が山猫、弟は、どぶ鼠。遺産を巡って対決する。決戦、火花を散らした、その中に弟・どぶ鼠は銃弾に倒れた。しかし、忠義な子分とキイハンターが味方して生き返り作戦。さあ、遺産10億を巡って人間業とは思えないショックに次ぐショック。キイハンターの操るトリックについにギャング組織は一網打尽。
2026.7.17 J:COM BS録画
黒木 啓子 吹雪
島 ユミ 風間
小田切 村岡 壇
KEY
HUN
TER
黒木鉄也:丹波哲郎
津川啓子:野際陽子
吹雪一郎:川口浩
島竜彦:谷隼人
谷口ユミ:大川栄子
風間洋介:千葉真一
ナレーター<きょうもまた地球のあらゆるところで、陰謀、裏切り、暴動が渦巻く。その渦中に飛び込む彼ら。恋も夢も望みも捨てて非情の掟に命を懸ける。彼らの求めるものは自由、願うものは平和。彼らは、こう呼ばれた…>
国際警察特別室
仲谷昇
中丸忠雄 宮内洋
KEY
HUN
TER
制作:東映・TBS
いよいよ残り1年か…
弁士風のナレーションから始まる。
ナレーター<梅は咲いたが桜はまだか。花も浮かれる春の宵。裏番組あまたある中を電気紙芝居『キイハンター』読み切りの一席。絶大なる喝采のうちにお楽しみを願います>
1人乗り自動車?に乗ったどぶ鼠の車が踏切前で急ブレーキを踏んだが、踏切を飛び越して向こうの道路へ。
たまたまだけど、玉川良一さんの出る回の放送がここ数回、週末にあたる。
ナレーター<さて、今しも急ぎおります1台の車。二つ名をどぶ鼠と申しまして暗黒街売り出し中のギャングであります>
静止画のミスター珍さん。
ナレーター<た…大変です、兄貴。どぶ鼠の野郎が乗り込んできます>
驚いた顔の玉川良一さん。
ナレーター<一卵性双生児、つまり双子であります。山猫と異名を取り、弟のどぶ鼠に輪をかけた悪漢>
立ち上がる山猫。
ナレーター<う~ん、弟のやつ、親父が死んだのを知って遺産目当てに乗り込んできやがったんだ。よ~し、追い出してくれる>
遺影もまた玉川良一さんが白髪のハゲ面で父親役を演じる。
どぶ鼠「中条(ちゅうじょう)、親父の最期の様子を聞かせてくれ」
中条「はい。朝はとてもお元気でいらっしゃいました。ことのほか気分がいいと仰せられて、庭にお散歩に出かけられましたが、どうしたことか池におはまりになりました」
「キイハンター」にもゲスト出演した気になってたけど初ゲストの吉田義夫さん。
どぶ鼠「んっ?」棺を開けると白骨体!
中条「おいたわしい。ところが、その池には濃硫酸が何者かの手で流されていたのでございます」
どぶ鼠「それは、ひょっとすると殺人かもしれねえな」
山猫が女と乗り込み、どぶ鼠と火花が散る。アニメっぽい表現。乗り込んできます、といってたけど、実際、山猫と女がどぶ鼠の家に行ったんだよね!?
どぶ鼠「兄さん、あんたの密輸事業、金詰まりで首が回らなくなってるってウワサを聞いたぜ。ふんっ、遺産欲しさにまさか親父を?」
山猫「うるせえ、出てけ、このどぶ鼠! 貴様なんかに親父の遺産などびた一文、分けてやるか!」
どぶ鼠「そうかい。そっちがその気ならこっちにだって」
山猫は鼻の下の左にホクロで、右がどぶ鼠、父親は両方。
ナレーター<これは弟のどぶ鼠のほうであります。親父殺しの動かぬ証拠をつかまんものと山猫の留守を狙って忍び入り、盗聴マイクを仕掛ける算段…と、このとき廊下を人の近づく気配>
山猫とタマが部屋に入ってきたので慌てて隠れるどぶ鼠。
タマ「ねえ、あんた、どぶ鼠のやつ、どうなさるおつもり?」
山猫「んんっ? 俺が親父を殺した証拠でも握られてみろ。こっちが死刑台の露と消えなくちゃならねえからな。よし、いっそひと思いに…」弾を装填し、銃を撃つ。部屋に飾られた菊の花が1輪落ちた。「どうだい? 相変わらず腕は鈍ってねえだろうが」
タマ「う~ん、見事よ。ウフフフッ」
山猫「あの野郎を片づけたら、あいつの死体も親父の棺おけに一緒にたたき込んで…ヘヘヘヘッ、埋めちまおうか」
タマ「うん。それは名案」
廊下を通りかかった中条に部屋に飾られた花を祭壇に飾るよう指示するタマ。中条が菊の花をごそっと持っていくと、背後に隠れていたどぶ鼠の姿があらわになった。中条と一緒にタマも部屋を出ていき、残された山猫は枠の中にいたどぶ鼠と鏡コント。
同時にたばこを口にしたものの山猫の吐いた煙でどぶ鼠がせきこんだ。それでも首をかしげる程度でバレてない?と思ったらバレた。山猫は、どぶ鼠をベランダに追い詰め射殺した。
ナレーター<春を欺く死出の旅路。あわれ、どぶ鼠は山猫の牙の前に倒れたのであった>
双子コントは、あっという間に終わり。
ナレーター<だが、しかし、捨てる神あれば拾う神ありとかや>
夜、棺を掘り起こした中条は父親と一緒に眠るどぶ鼠を発見した。「若旦那…」
ナレーター<窮鼠かえって猫をかむとも申します。老骨・中条中助(ちゅうすけ)が盗んだ死体に魂を入れましてキイハンターと手に手を取って山猫退治の一件は、さて、いかが相成りますやら>
ここでタイトル&CM。
ナレーター<お話変わりましてキイハンター>
黒木の部屋
黒木「おい、重大な使命を申しつける。暗黒街壊滅作戦だ。現在、情報によるとだね、どぶ鼠が山猫に食い殺されたらしいんだよ。ところで、お前たちはだ…」
島・ユミ「分かってます」立ち上がって一緒にしゃべる。「どぶ鼠の子分になりすまして、あだ討ちに見せかけ山猫退治! うん」
なんでこんな学芸会風!?
どぶ鼠の葬式。プレーヤーで流れる読経と大げさに泣く島とユミ。しかし、手にしていたのは「ワサビ」。カメラ目線でわざわざ見せる。
島「どぶ鼠の親分は俺たちきょうだいをまるでわが子のようにかわいがってくださいました」
ユミ「それなのにこんな変わり果てた姿になってお帰りになるなんて」
島「このうえは憎き山猫のやつを…」
読経を流していたプレーヤーが突然『ニャロメのうた』を再生する。
ニャロメのイラストも一瞬出てきて、本気で悲しんでいる中条の後ろで踊り出す島とユミ。踊っていてユミの緑のパンツがアップになる。
振り向いた中条が踊っていた2人に気付く。「ニャロメ! ひょっとするとおめえたちは山猫の回し者かもしれねえな」
島「なんてことを」
ユミ「おっしゃいます」
中条「わしは若旦那を生き返ったように見せかけるつもりだ。そのうえで立派に大旦那の跡目をお継がせ申して山猫に復讐してやる。そのためにご遺体を盗み出したのだ。万一、お前らが敵のスパイだったら、わしの作戦は水の泡になる。生かして帰すわけにはいかねえ」手にはピストル。
島「待ってくれよ、俺たちは…」
中条「大事の前の小事だ! 死んでもらう」
島「分かった。俺たちは、もともと親分のあとを追うつもりだった」
ユミ「そうよ。その前にひと目、親分に会ってからと」
2人とも日の丸に殉死と書かれたハチマキを頭に巻き、ベランダへ。
島「死んでやる!」
中条「待ちなさい。あたら若い命を」
ここで流れるのはズンドコ節のインスト。
風間と啓子が荷台がトランポリンになったトラックでどぶ鼠の屋敷の前にやってきて、風間がトランポリンの上ではねた。
ナレーター<細工は流々、キイハンター。ニヤリと見て取る窓の上>
島「誰が止めようともピストルなんかで撃たれるより潔く自分の命は自分で絶つぞ!」
中条「悪かった。あんたを信用する。後生だから思いとどまってくれ!」
島「うるさい! ここでやめたら男が廃る」
ユミ「女も廃らあ!」
止まっていたいすゞのトラックに駐禁の紙をフロントガラスいっぱいに貼り付ける警官。すぐにけん引されていった。
風間さんたちはどこ行ったの?
ナレーター<泣いてくれるな、ほろほろどりよ。止めてくれるな、おっ母(か)さん。惜しまれて散るが桜の誉れなり>
島「どぶ鼠の親分、万歳!」
ユミ「万歳!」
中条「万歳!」
何度も「万歳」と叫びながら、そのまま地面に落下した島。
病室
左足を吊られた島。
ユミ「どう? 痛む? 島ちゃん。でも、あたしたち信用されたんですもの。けがの功名よ」左足を軽くたたく。
島「ああっ、痛い!」
中条が病室に入ってきた。「弁護士に電話しておいた。どぶ鼠の若旦那が生き返られたとな」
ユミ「山猫のやつら、今頃、墓を掘り返して大騒ぎしてるわ」
中条「大旦那の遺言状は5日後、箱根グランドホテルの会議場で暗黒街のおもだった幹部立ち会いのもとに開かれるそうだ。ハハハハッ…」
ユミ「それまでにどぶ鼠の死体を生きてるように見せかけながら、そのホテルまで運ばなくっちゃ。う~ん、何か名案はないかしら?」島の左足にもたれかかり、左足をつっていたひもが切れ、痛がる島。
ナレーター<手に汗を握る物語。いよいよ最高潮に達しまするが、ここでちょっとご休憩>
今回は毎度CMの入るタイミングでナレーションが入るのね。
ナレーター<春はうららの東海道。上り下りのドライバー。今しも箱根グランドホテル目指して急ぐ。悪漢山猫の姿があった>
クラシックカーに乗る山猫とタマ。
山猫「親父の遺産は、そっくり俺たちのもんだよ。なあ? タマ。ヘヘヘヘッ」
タマ「ええ」山猫にキス。並走している消防車を運転しているのが、どぶ鼠と気付く。
玉川良一ゲスト回に流れるエレキバージョンの「天国と地獄」。
島が背後でどぶ鼠を操作?していた。
ナレーター<これぞわがキイハンター、苦心のメカニズムであります。消防車を持ちいだしましたる、その訳は万一のとき、警察の検問、白バイの追跡を無事、逃れるための深慮遠謀>
山猫の車を追い越していく消防車。山猫の車を運転している成島を急かす山猫。島は赤いバケツを道路に投げ込み進路妨害し、山猫たちの車を止めた。先に進むと検問が行われていたので手回しでサイレンを鳴らしていたが、どぶ鼠の手足につけていたロープが絡まり、警官に火事場へ行ってくださいと言われても身動きが取れなくなった。
怪しんだ警察官が車に乗り込んだとき、ようやく発進できた。
警察官「怪しい車、追え~!」
この警察官、青空はるおさんかな? 145話もドタバタ話だったな。
ナレーター<ひと足遅れまして、さしかかったのが悪漢山猫の車>
警察官に免許証の提示を求められ、ごそごそあさっているうちに腰に差したピストルが警察官の目に留まった。
山猫「よう、お巡りさん。モデルガンは黄色と白に塗らなくちゃいけないって、お達しが出たでしょ、警視庁から」
警察官「そうでしたな、どうも」
ピストルを返した途端、山猫が警察官を撃った。
警察官「くっ、二階級特進か…」その場に倒れた。
パトカーに追われる山猫の車。
パンイチで火事だと騒ぐ男。こっちは青空はるおさんの相方の青空あきおさん。
どぶ鼠の運転する消防車に助けを求めたが、当然無視され、次に通りかかったパトカーにも無視された。
ロープが切れたことに気付いた島は運転席に乗り込み蛇行運転しながら斜面に突っ込んだ。
ナレーター<舞台はガラリと変わったら春は花咲く箱根山。名所古跡の多い中、ひときわ目立つホテルの場>
ホテルの一室で両足を吊られている島。
中条「車が衝突したというのに若旦那は奇跡的に傷ひとつなさらないで。ハハハハッ」
ユミ「でも、なんだかにおってきたわ」中条と顔を見合わせる。
別の部屋に山猫、タマ、成島も到着していた。様子を見てくると窓から上に上る山猫。
中条は、ありったけのポットに氷を入れ、若旦那を冷やすとユミに指示を出した。中のお湯を窓から捨てたユミ。山猫にかけてしまい、山猫は、そのまま落下。
どぶ鼠を氷漬けにする中条とユミ。
また様子を見に来たら、山猫に身代わりをさせると島が思いついた。
ナレーター<一方、煮え湯を浴びた山猫は何やら仕掛けの懐中時計>
顔に包帯を巻いている山猫。「死んだ親父にもらったもんだ。弟のどぶ鼠もおんなじものを持ってるはずだ。そこで俺は、こいつに時限爆弾を仕掛けた」
成島「やつの時計とすり替えようっていうんで?」
山猫の乗った車いすを通風口の下に移動させる成島。タマも一緒に通風口に入っていき、山猫は思わず下から覗き見る。不自然なミニスカートだと思ったら…
今度は緑パンツが通風口から見え、山猫がニヤニヤ。ユミに蹴られて車いすから落ちた山猫。
骨折していたはずの島と一緒に部屋に下りたユミは気絶した山猫を車いすに乗せ、中条のいる部屋へ運んだ。
様子を見に来た成島とタマは山猫をどぶ鼠と思い込み、山猫の懐に懐中時計を入れて部屋に戻っていき、島とユミは、また山猫を元の部屋に戻した。
目を覚ました山猫は戻ってきたタマの赤パンツを見つめる。
ナレーター<波乱万丈の物語、さらに引き続きご高覧に供しまするが、ここでひと息入れさせていただきます>
スーツに着替えた山猫にボーイから預かったものを渡すタマ。
ナレーター<風雲まさに急ならんとするとき、悪漢山猫方に舞い込みし1通の書状。このたび、どぶ鼠と津川啓子の婚約、相調い結婚することと相成りました。つきましては山猫どのにもご臨席の栄を賜りたく…>
山猫「野郎め、政略結婚だ。津川啓子っていうのはギャングの娘に違いねえ。俺と対抗するために力のある組織と手を組みやがったんだ。だが、待てよ。式の開始は、きょうの正午。このホテルの式場にてとある。時限装置のセットが0時10分」
タマ「結婚式の真っ最中にドカン!ってことだわね、あんた」
笑い出す山猫。「夫婦もろともだよ」
車でホテルに向かう啓子。「あ~あ、いやになっちゃうな。死人のお嫁さんになるなんて。ねえ、どうしてもやんなきゃダメ?」
黒木「うん。島とユミちゃんじゃ駒不足だからね。このあたりで新戦力を補給しないことにはな」
吹雪「問題は死体にどうやって三三九度の杯を飲ますかだ」
運転している風間もうなずく。
線路の切り替えを見て何か思いつく?
ホテルの控室
吹雪「何やってんだ。早くしろ、時間がないぞ」
島と吹雪でどぶ鼠に手の仕掛けをつける。
黒木が神主となり祝詞奏上してるように見せかけ、白紙の祝詞とプレーヤーで音声を再生している。
山猫「三三九度の杯があの世行きの死出の杯になるって寸法だよ」
ナレーター<爆弾時計がよもや、おのれの懐に戻っているとは神ならぬ身のつゆ知らぬ山猫であった>
島が機械をセットし、黒木とアイコンタクト。「かしこみ、かしこみ申す」
巫女になったユミがどぶ鼠の手に杯を握らせ、同じく巫女の風間が酒を注ぐ。島が機械を操作して三三九度が行われる。
あと30秒。タマが山猫も懐中時計を持っているのはおかしいと気付く。
裏で捜査している島は実際動いているどぶ鼠を見ることができず、どぶ鼠の手が風間の頭に触れ、カツラが落ちた。
山猫は懐中時計が熱を持っていたので、島のいる方へ懐中時計を投げ、島は両足、右手をギプスで固定された状態になった。
さっきまで普通に歩いてたのにね!
ナレーター<これは、どぶ鼠の死体であります>
黒木さんが車いすを全力で押してる~。
ナレーター<こっちは山猫であります>
廊下を走る山猫。
黒木から風間に車いすがパスされ、階段を下ろす。ガタガタして乗ってる人は大変。
吹雪、啓子もそれぞれ車椅子を押し、廊下を走る。啓子がエレベーター前で待機していた中条に車いすを引き渡した。「おじさん、頼んだ」
エレベーターを降りた中条を邪魔するタマ。いつの間にか白のパンツスーツに着替えてる。啓子がタマを倒したが、山猫が中条を撃ち、どぶ鼠も撃った。
ボイラー室前にいたどぶ鼠は蒸気が顔がぐちゃぐちゃに。もちろん顔は映らない。
山猫と成島が逃げたあと、黒木たちが中条のところへ来た。
さっきの警官もだけど、ギャグっぽい回でも普通に人が死ぬ。
ナレーター<憎さも憎し山猫め。この恨み、何とて晴らさでおくべきや。誓う、正義の影法師。え~、まことに恐れ入りますが、ただいまよりフィルムをかけ替えます間、しばらくお待ちを願います>
ケガをしている島を置いて宴会に行ったユミ。
酔っ払っている山猫。「おい、あれだよ。三三九度の杯が済まねえうちにな、どぶ鼠の野郎がおっ死(ち)んだよ。ああっ? 弁護士だって、おめえ、あの結婚は認めないぞ。ハハハハッ」
タマ「そうよ、ダーリン。あのね、財産は全部あたしたちのものになったも同然だわ、これ」
芸者姿の啓子。「まあ、それはようござんしたね。まあ、おひとつ」
山猫「お前ら、お通夜の晩じゃないよ。もっとバ~ッとやれ、陽気に」
啓子「はいはい、陽気にね」
「山寺の和尚さん」を歌い出す山猫。啓子と同じく芸者姿のユミと踊り出す。
毬がないから猫を袋に入れて蹴ったら猫が鳴いただと!? なんつー歌だよ。
啓子とユミは踊りながら、山猫を宴席から出した。風間が待っていて、歌と同じように山猫を袋に入れ台車で運んだ。
ナレーター<一夜、明くれば四月バカ。紫紺の空を染めるのは桜吹雪か血吹雪か。まさに遺言状の紐解かれんとする日であります>
タマと成島は山猫がいなくなってイライラ。
吹雪が山猫を羽交い絞めし、啓子がしびれ薬マタタビ源を打つ。五臓六腑にしびれが走り、首もろれつも回らなくなる。薬の効力は1時間。今は1時で2時までの間に決着をつけなければならない。
ホクロの位置に気付いた啓子は一方をファンデーションで消し、一方にホクロを書いた。
どぶ鼠として会議に参加している山猫。
弁護士「ただいまより遺言状を開封いたします。遺言状、一つ、ギャング組織の跡目は長男・山猫に継がせる。二つ、スイス銀行の隠し預金は10億円を長男・山猫に同じく10億円を次男・どぶ鼠にそれぞれ贈与する。ただし、遺言状開封の席に相続人本人が不在の場合は権利を放棄したものと見なす」
最後のパートになってようやく出てきた上田忠好さん。隣に控えるのが大泉滉さん。ほかにいつもの団巌さんなどなど。
タマ「なんですって? 妻が代理人じゃいけないっていうの?」
弁護士「静粛に! 遺言書記載のとおり遺産のすべては次男・どぶ鼠に贈与されるものといたします。異議ありませんね?」
立会人たち「異議なし」
佐藤京一さん、団巌さん、佐藤晟也さんが並んで「異議なし」…ってぜいたくな使い方。団巌さんは、ちょっと髪が長くなりもみあげも長い。
山猫に抱きついて頬に何度もキスをする啓子。
イライラするタマ。「こんな大事なときにあのバカ、マヌケ、トンマ、ドアホ。ううっ、おっちょこちょい。嫌いだ~!」
なんとかうめき声を出して気付かせようとする山猫。タマは山猫の爪に気付く?
弁護士「では、遺産全部をどぶ鼠に贈与する」
隣に控えていた男性がトランクに遺言状を詰めていく。
タマは待ったをかけ、どぶ鼠ではなく山猫だと指摘。弁護士が山猫に姓名を訪ねると、啓子が山猫に命を狙われ精神的ショックで言語障害いなっていると説明した。意識ははっきりしているため、手の上げ下ろしでイエスかノーを示す。
イエスのときは右手でテーブルを1度たたく。ノーのときは左手で2度たたくことにし、弁護士がどぶ鼠か尋ねた。2時直前、テーブルの下で島が手をひもで引っ張って動かす。
その時々によって島のけがが治るんだよ!
必死に抵抗する山猫だが、島が右手を1回動かした。信じないタマがもう一度、同じ質問をさせると2時になり、薬が切れた。
立ち上がる山猫。「俺は山猫だ!」テーブルをひっくり返す。「こいつら2人はキーハンターだ!」
立会人たちが啓子たちを取り囲む。
風間「待て。キイハンターならここにも4人いるぜ」
黒木「ギャング組織の宣誓証書、スイス銀行の隠し預金、つまり、遺産をそっくり頂戴するために今までお前たちを泳がせておいたんだ」
成島が椅子を投げ、乱闘になる。
ナレーター<東山三十六峰、静かに眠る未時(ひつじどき)、たちまち昼下がりのしじまを破る剣戟(けんげき)の響き。花の嵐か刃(やいば)の鐘か。キイハンター、熱血ほとばしる正義の決闘>
それぞれのアクション。ミスター珍さんの見せ場でもあるのね。勢いあまってベランダから落下した島。立会人を倒す黒木。成島もボコボコにする。
黒木「一件落着だ」
ユミ「あれ? 島ちゃんがいないわ」
啓子「そういえばそうね。どっかに隠れてない? その辺」
病室
目だけが出ていてあとは包帯で巻かれている島。それにしても美しい目!
黒木「おっ、これはすごい総括のされ方だね、おい」
島「ええ、じかにやってます」
ユミ「でもさ、これ以上悪くなるってことないもんね」
啓子「あの、お見舞いを持ってきたんだけど食べられそうもないから、あたしたちで食べるわね」
風間「それじゃ大事にな」
啓子「また来るからね。頑張ってね」
島「ボス、そんな、冷たいですよ」
ユミ「バイバイ」
最後はベッドのマットごと落下して目を回す島。
プロデューサー:近藤照男
*
脚本:池田雄一
*
擬斗:日尾孝司
*
音楽 :菊池俊輔
主題歌:キイハンター
非情のライセンス
作詩 :佐藤純弥
作曲 :菊池俊輔
唄 :野際陽子
テイチクレコード
*
黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色
*
津川啓子:野際陽子…字幕緑
*
吹雪一郎:川口浩
*
島竜彦:谷隼人
*
谷口ユミ:大川栄子
*
風間洋介:千葉真一…字幕水色
*
山猫/どぶ鼠:玉川良一
*
タマ:宮地晴子
成島(なるしま):ミスター珍
中条中助(ちゅうじょうちゅうすけ):吉田義夫
弁護士:上田忠好
*
大泉滉
警察官:青空はるお
青空あきお
立会人:佐藤京一
*
立会人:佐藤晟也
山浦栄
立会人:団巌
伊達弘
ナレーター:芥川隆行
*
監督:山内柏
<プロフェッショナル・キイハンター。次のカラーシグナルは…海賊、バイキングが残した財宝を巡って、ドリームランドに展開する大アクション。偽物キイハンターとパートナーの女の子のちょっとイカすコンビとマシンガンを乱射する混血コーラスのおねえさんグループ、さらにマヌケな2人組のギャング。そして本物のキイハンターと4つのグループがそれぞれ財宝の地図の切れ端を争いながら潜水艦で水中にヘリコプターで空中に大活躍、大乱闘。次は…>
いんちき
キイハンター
探偵局
文字が踊ってて良い。
「キイハンター」って意外と改変期の回がイマイチ…普通の何でもない回が面白かったりする。広く見てもらおうとギャグっぽい回を当てるのは、あんまりよくない。シリアスでシビアな話こそ「キイハンター」なのに…。全員が集まると全員に見せ場を作らなきゃならなくなるから微妙になるってことでもない。
1971年4月の一発目の157話もせっかくの小山内脚本だったのに、ビミョーだった。でも、そのあとの161、162話は派手なアクションもあって面白かった。