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より多くの人に動物のことを知ってもらう仕事

飼育員

バイオパーク株式会社 外部展示課PAW 飼育員
山本 耀一朗さん

動物のことをもっと知ってもらいたい!

飼育員の仕事は、動物のお世話をするだけではありません。動物のことを多くの人に知ってもらうのも大切な役割のひとつ。自然環境に近い展示場を作ったり、わかりやすく説明したりするといった業務も必要で、仕事は多岐にわたります。同僚と力を合わせてそれらの仕事をこなすチームワークが求められる仕事でもあります。

  • #ものを作る、表現する
  • #人と協力して進める
  • #体力を生かす
  • #能力・技術を生かす
  • #美しいものを作り出す・追究する
  • #大学・専門学校で身につけた専門知識を生かす

今している
仕事について

―どんな仕事?

自然な姿の動物を見てもらい、その動物のことを知ってもらう仕事

動物のお世話と動物のことをより多くの人に知ってもらうのが主な仕事です。朝はまず、犬の散歩をし、動物たちにエサをやり、展示場に移します。お客さまが入ってきたら接客をして、動物の生態や飼い方、その動物が自然界で置かれている環境などについて話をします。夕方には、またエサをやり、動物たちをバックヤードへ。合間に展示場の掃除やSNS用の写真や動画を撮影し、投稿用のコメントを考えてアップするといった業務もあります。また、展示場は定期的に模様替えをします。環境が変わると動物も刺激を受けるので、より自然に近い生態を見てもらうことができます。

―仕事をする上でのこだわりは?

動物たちに選択肢をもたせてあげること

業務はチームで分担していますが、展示場作りは、基本的に自分が担当しています。自分が働く長崎バイオパーク内のふれあい動物園「PAW」では、動物たちに選択肢を与えられるような環境作りを意識しています。動物たちが行きたいと思うような場所がたくさんある、いろいろな種類のエサがあるなど、動物たちの生態や性格を考えながらその動物自身が選べる環境を作ってあげます。それがより自然に近い環境であり、お客さまにも自然に近い生態を見てもらえると思うんですよね。動物たちの自然な姿を見て、その生態を知ってもらうことが動物園の大きな役割だと思っています。

―印象に残っている出来事は?

新しい命の飼育に失敗してしまったこと

動物の出産、産卵はとても印象的ですが、自分にとっては成功体験より、失敗のほうが深く印象に残っています。入社して2年ほど経ったころ、コンゴウインコが卵を産んだんです。妊娠の兆候があったのでエサのバランスや室内の温度を調整し、環境を整えたので無事にひなはかえったのですが、しばらくして死んでしまって…。インコは親が食べたエサを吐き戻してひなに与えますが、そのエサのバランスが悪かったようです。当時、長崎バイオパークではインコの繁殖が初めてだったこともあり情報が少なく、うまく飼育してあげられなかった。その経験を生かして、今ではほかの園とも情報交換しながらケアをしています。

―今の仕事の魅力とは?

動物を知ってもらい、アクションにつなげられること

動物によっては乱獲、密輸の対象になっている種類もあります。でも、その事実を知らなければ、動物の保全にはつながりませんし、動物を好きになってもらわなければ守ってもらうことはできません。接客やSNSを通してその動物の生態、置かれた状況をしっかり伝え、どう行動してもらうか。アクションを起こしてくれるまでつなげることができたらとてもうれしいですし、それが飼育員の仕事の魅力だと思っています。PAWには犬や猫などペットとして飼われている種類もいますが、触り方ひとつでも動物の反応は変わってきます。自分たちが伝えたことを家で実践してもらい、もっと好きになってもらう。これだけでも十分、動物を守る一歩になると思います。

動物たちは、日中は展示室、夜はバックヤードで過ごすため、朝夕の移動は山本さんたち飼育員が行う。動物たちとの信頼関係が築かれているので、移動もスムーズ。

飼育員の大切な仕事のひとつ、動物たちのケア。エサやりやシャンプー、ブラッシング、爪切りのほか、顔や体などすみずみまで見て触って異常がないか確認を行う。

園内で撮影した動物たちの様子をSNSで配信。SNSの写真や動画を通して動物の生態、飼い方などをわかりやすく伝えている。SNSをきっかけに園に足を運んでくれる人も多い。

基本は朝夕の2回、動物たちにエサをやる。PAWではお客さまがエサを購入して動物たちに与えることもできるので、その量も踏まえて調整。

SNSでも動物のことをどんどん発信! SNSを通じてより多くの人に動物の魅力を伝えられていると実感しています。

先輩の
進路ヒストリー

―今の仕事につながるきっかけは?

やらずに後悔したくない!
今の仕事を選んだのは高校時代の後悔があったから

子どものころから動物が好きで、犬やアヒル、爬虫類などを飼っていました。でも、当時は特に将来、飼育員になりたいとは思っていなくて。きっかけは高校時代の部活での経験ですね。それまではやりたいことも打ち込めることも何もなかったけれど、先輩の引退がかかった試合で思ったようなパフォーマンスができなかった。「もっとできたのではないか」という後悔が残りました。進路を選ぶときに同じような後悔はしたくない、好きなことをやろうと飼育員を目指すようになったんです。ですが、働き始めると好きな仕事だからこそあれもこれもと頑張りすぎてしまって…。心身共に疲弊して「このままでは動物が嫌いになってしまうかもしれない」と思い、動物病院に転職しました。でも、一度離れてみるとやはり飼育員の仕事、そして長崎バイオパークが好きだと再認識して戻ってきました。今は頑張りすぎないよう、オンオフの切り替えをして自分の時間を作る、仲間と協力して業務を分担するなどしながら楽しく働いています。

先輩のいままで年表

高校1年生

ハンドボール部に入部。高校に入るまでは打ち込めることがなかったが、初めてひとつのことに打ち込め、自分が活躍できる場を得ることができた。

高校2年生

先輩の引退がかかった試合にキーパーとして出場したものの敗戦。もっとやれたのではないかと後悔。これからは後悔しない生き方をと考えるようになる。

高校3年生

部活での経験から、本当にやりたいことは何かを考えるように。子どものころから好きだった動物にかかわる仕事をしようと飼育員を目指し、専門学校への進学を決める。

専門2年生

早期就職という形で学校に籍を置きながら長崎バイオパークで働き始める。ふれあい動物園があるところを希望していたため、希望と合致したことも決め手。

社会人3年め

何でも自分でやらなくてはと頑張りすぎてしまい、心身共に疲弊。一度、園を退職することを決め、犬のトレーナーを目指し、動物病院に転職する。

社会人6年め

動物病院での仕事は自分に合わず、「やっぱり動物園が好きだ」という思いが強くなり、長崎バイオパークに戻ることを決断。以前と同じPAWで再び働き始める。

先輩が大切にしてきた価値観は?

まわりの意見ではなく自分で選択をする。自分がどう動くか、主体性をもつことで後悔しない選択ができると思います。

未来につながる
先輩からのヒント

―仕事を通してこれから叶えたい・考えていきたいことは?

動物・人、両方にとってもっと魅力的な園にするには?

飼育員の仕事はとても忙しく、あっという間に時間が過ぎてしまいます。でもやりたいことはたくさんあって…。例えば、長崎バイオパークではミーアキャットなどを園内で放し飼いにしていますが、もっと放し飼いの動物を増やしていきたいんです。放飼することで動物も自由に動き回れますし、お客さまはより間近で自然に近い動物の姿を見ることができます。ただそのためには特別な飼育が必要で、その時間をどう作るか。今の仕事の生産性を上げ、新たなことに挑戦する時間を作ることが必要になりますね。

―その目標を実現する上での課題は?

コミュニケーションをしっかりとってお互いを理解すること

いろいろなことにチャレンジしたい、変えていきたいという強い思いが自分にあるように、今の環境を変えたくない、ほかのやり方がいいといった別の思いや考え方をもっている人もいます。お互いに理解し合わなければ動物にとっても、人にとってもいい環境は作れないんですよね。園をもっと魅力的にするためにスタッフ間のコミュニケーションをしっかりとって、お互いが納得できる方法をみつけられるよう努力しています。

先輩から高校一年生への
アドバイス

目の前のことに全力で取り込む。
そうすれば自分が好きなことが見えてくる

将来のことを今すぐ決めるのは難しいと思います。将来何がやりたいかより、今、何が楽しいかを考え、目の前のことに全力で取り組んでみてください。自分が何が好きなのか理解することができ、将来の選択肢が広がりますよ。

この仕事人と関わりが深い 学問 は …「 獣医・畜産学 」

「 獣医・畜産学 」の文理度合い

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  • 文系

※仕事にはさまざまな学問の知識がかかわりますが、その中で代表的な学問を表示しています。