「人間2回目」「プロ向きの性格」周囲も驚く巨人・竹丸和幸の精神力 2か月ぶり勝利で6勝目
◆JERAセ・リーグ DeNA4―5巨人(11日・横浜) 巨人がDeNAとの接戦を制し、連敗を3で止めた。先発の竹丸和幸投手(24)は6回5安打4失点ながら打線の援護もあり、5月17日以来、自身6登板ぶりの6勝目を挙げた。打線は1点を追う7回無死二、三塁から代打・泉口友汰内野手(27)が中前に同点打。さらに1死一、三塁から門脇誠内野手(25)が鮮やかなセーフティースクイズを決めて試合をひっくり返した。首位・阪神も勝ち、1差2位は変わらず。12日の第3戦で4カードぶりの勝ち越しを目指す。 【写真】巨人の決起集会が楽しそう! 坂本勇人から新人まで大盛り上がり! 長いトンネルを抜けた。勝利の瞬間、竹丸の表情がようやく緩んだ。6回107球を投げ5安打4失点。7回に逆転に成功し、黒星が6勝目に変わった。「野手の皆さんが逆転してくれた。本当に感謝です」。援護に恵まれない登板が続き、苦しみ悩んだ約2か月間。救ってくれたのは頼れるナインだった。 波乱の序盤を乗り越えた。初回に2点の援護をもらうも、その直後、「慎重になりすぎてしまった」と先頭から連続四球を与え、4番・エンカーナシオンに逆転3ランを被弾。それでも立ち直った。右打者対策として新たに取り入れたシンカーも効果的に使い「投げているうちにどんどんよくなった」と3、4回は3者凡退。6回にはギアを上げ、自己最速を1キロ上回る153キロを2度もマーク。蝦名に一時勝ち越し打を浴びたが、なおも2死満塁から代打・度会をフルカウントからの8球目で見逃し三振に仕留めた。「度会選手に対する投球が野手にも伝わった」と橋上監督代行。自己ワーストに並ぶ4四球と苦しむ中で必死に粘り、得点を待った。 球団史上初の新人開幕勝利を挙げ、4月までに4勝と順調に白星を積み重ねてきたルーキー。だが、5勝目を挙げた5月17日のDeNA戦(東京D)以降、壁にぶつかった。自身が登板した直近5試合の得点はわずか4点と、援護にも恵まれず4連敗。しんどかった。だが、決して下を向くことはなかった。コーチやトレーナー、同学年、ドラフト同期の皆が口をそろえて言う。 「竹丸が弱音を吐いているところは一度も見たことがない」 心配した内海投手コーチが話しかけると、こう答えたという。「打てないことも、ミスすることもよくあること。それはしょうがないです」。不安を一つもこぼさず、自分の仕事を淡々とこなす姿に「たぶん、人間2回目なんですよ」と同コーチ。チームトップ7勝で同学年の井上も「落ち込んでいる姿を絶対出さない。僕が言うのもおかしいけれど、プロ向きの性格」と驚かずにはいられなかった。結果に左右されず、自分の投球を貫いた約2か月間。耐え続けた日々が、ようやく実った。 試合後の左腕は、どこか柔らかい表情で言葉を紡いだ。「内容はよくなかった。けど、勝ててよかったです」。苦しい中でつかんだ白星。勝利の味は、やはり格別だった。 (北村 優衣)
報知新聞社