「違憲疑い。絶対作っちゃだめ」立民杉尾氏、国旗損壊罪法案を批判 「愛国心醸成」に反発

立憲民主党の杉尾秀哉参院議員

参院内閣委員会は16日、日本の国旗を傷つける行為に刑罰を科す日本国旗損壊罪法案を巡り議論した。立憲民主党の杉尾秀哉氏は表現の自由との関係などを挙げ、「こんな憲法違反の疑いのある法律なんか絶対に作っちゃだめだ」と批判した。法案提出者の自民党の塩崎彰久衆院議員は「憲法の枠を超えて表現の自由の制約や侵害をするものではない」と改めて説明した。

杉尾氏はまず、法案提出者である日本維新の会の阿部圭史衆院議員による衆院内閣委員会での答弁を問題視した。阿部氏は「政治家としての答弁」と前置きし、「愛国心も醸成されていくのではないか」などと発言した。杉尾氏は「極めて問題がある。撤回するか」と追及した。

愛国心発言は「自身の政治信条」と阿部氏

阿部氏は「私自身の政治信条に関する答弁をした」と述べた。「できるだけ多くの国民が国旗についての理解を深め、国旗を大切に取り扱うよう努めてほしい、自国の歴史や文化について正しい知識を持ち、自国に自信と誇りを持つのは大切なことであり、そういった意味での愛国心がおのずと育まれるような環境が実現されることが望ましいという趣旨だ」と語った。「個人の内心に立ち入って特定の思想、良心や行動を強いるという趣旨のものではない。提案者としての説明と政治家としての個人的な心情の区別が分かりにくかったならば遺憾だ」と釈明した。

杉尾氏は「撤回するかしないかどちらかと聞いた。それだけ答えてほしい」と重ねて質問し、阿部氏は同様の答弁をした。これに対し杉尾氏は「そういう回答だったら、この法案は先に進められない」と反発。「法案の核心だ。あなた方がしようとしていることは、国旗への尊崇の念を通じて、国民に愛国心を持たせる、それを刑罰をもって実現させようとしていることに他ならない」と批判した。

阿部氏は「法案はあくまでも国旗の損壊などとして外形に現れた客観的な行為を処罰の対象とするものであり、個人の内心に立ち入ってその行為の基礎となった思想や心情を処罰するものではないし、その思想や心情に反する特定の行動を強いるものではない」と説明した。

続いて杉尾氏は、14日の参院内閣委における参考人質疑で複数の参考人が法案について違憲の可能性があると言及したことを踏まえ、「専門家の指摘は極めて重い。このまま違憲立法を進めてよいのか」と迫った。

塩崎氏「最高裁判例に照らして違憲ではない」

塩崎氏が答弁に立ち、「国旗を大切に思う国民感情の保護と社会全体の重要な利益を守るために、罰則を設ける必要性が高い。罰則は、国旗の損壊などの行為によってなされる表現の内容、すなわち伝達されるメッセージとは無関係に、その行動がもたらす弊害を防止するためのものに過ぎず、表現の自由に対する制約の程度は小さい。合理的な規制であり、最高裁判例の考えに照らしても憲法に違反するものではないと考えている」と述べた。

また、杉尾氏は議論が不足しているとの認識を示し、「議論のプロセスを捨象していきなり法案を出して、自分たちの考えを押し付けて、あなたたちは法律の専門家なのか。法学者なのか。憲法学者なのか。自分たちの思いだけでこういう法律を作って、これがどういう影響をこれから社会に及ぼすのか、この日本の国に及ぼすのか、そこまで議論して法案を出したか」とただした。塩崎氏は「法案の検討の過程では、衆院の法制局をはじめ、様々な専門的見地からの検討を踏まえて提出している」と答えた。

杉尾氏は再び阿部氏の発言を取り上げ、「自分の思いだけしゃべっている。思いでこの国を動かす。しかも刑罰を使って国民を動かす。私は絶対こういうやり方は認められない」と批判した。塩崎氏は繰り返し法整備の根拠などを説いたが、杉尾氏は表現の自由などを理由に、一貫して法案に否定的な立場を示した。

「そういうことを言っていない」立民・塩村氏、国旗損壊罪法案

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