<主張>北陸新幹線の延伸 京都府・市は全面協力を

社説

福井県敦賀市を走行する北陸新幹線=令和6年9月

北陸新幹線で未着工の敦賀―新大阪間の延伸ルートを再検討していた与党整備委員会が、「小浜・京都ルート」の「桂川案」採用を決めた。福井県小浜市と京都市のJR桂川駅付近を通る案だ。

滋賀県の米原駅で東海道新幹線に乗り入れる「米原ルート」は地元などの理解が得られなかった。中京圏にも経済効果が及ぶと期待されていただけに残念である。

それでも、東京から北陸地方を経由して大阪と結ぶ北陸新幹線は、大規模災害時には東海道新幹線の代替ルートになる。国土強靱(きょうじん)化への意義は大きい。国とJR西日本、沿線自治体は連携し、早期の全線開通を実現してもらいたい。特に京都府・市は全面的に協力すべきだ。

北陸新幹線の整備計画は昭和48年に決まった。令和6年までに全体の約8割が開通したが、福井県の敦賀駅以西は着工できていなかった。今回の決定により、早ければ来年度中に工事が始まる。

その前提として欠かせないのは、沿線自治体を含む関係者間の同意である。新幹線の整備費用は運行するJRが支払う路線の「貸付料」を除き、国と沿線自治体が2対1の割合で負担する。だが、資材の高騰などにより建設費が最大で約5兆5000億円に上ると見込まれ、負担増への懸念が強まっている。

気がかりなのは、京都府・市に積極的な協力姿勢がみられないことだ。今回の決定にも慎重な姿勢を崩していない。

京都にはすでに東海道新幹線が通っている。北陸新幹線が全線開通しても、金沢や福井から京都までの所要時間が現在より20分余り縮まる程度なら、二の足を踏むのも理解できる。しかし関西圏と北陸圏が一体化するメリットは大きく、全国での経済効果は年約2700億円に及ぶと推計される。

「小浜・京都ルート」には、京都市中心部を縦断して京都駅地下を南北に通る「南北案」もあった。中心から外れた「桂川案」が採用されたのは地下水や歴史的建造物への影響など、地元の懸念に配慮したためだ。

工期の遅れは建設費のさらなる膨張につながる。京都府・市は、国全体にとって重要な交通インフラであることを認識すべきである。政府も沿線自治体などの合意形成に、責任をもって取り組まねばならない。

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