『トイ・ストーリー5』子ども同士のいじめも生きづらさも真正面から描く 大ヒット背景に社会への問いかけ #エキスパートトピ
夏休み映画の大本命『トイ・ストーリー5』が記録的なヒットになっている。
公開初週末3日間で洋画作品オープニング歴代No.1の爆発的な出足になり、ディズニー史上最速の公開11日間で興収50億円を突破した。すでに100億円超えを確実にし、最終興収は150億円を視野に入れる。
本作は、これまでのシリーズ作品とはヒット規模が異なる。その背景のひとつには、従来通りのエンターテインメント性の高さに加えて、社会問題へ鋭く切り込む社会性の高さがあり、それらが両輪となって世間の話題と関心を集めていることがありそうだ。
ココがポイント
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エキスパートの補足・見解
本作が特徴的なのは、子どもとおもちゃの関係性を軸にしながら、子どもを取り巻く社会環境の課題に踏み込んでいること。
もちろん「トイ・ストーリー」らしい子どもたちが笑って楽しめるシーンはてんこ盛り。シリーズに受け継がれる、おなじみの個性豊かなおもちゃ同士の掛け合いはコミカルに描かれ、劇場は子どもたちの笑い声に包まれる。
一方、子ども同士のいじめや、子ども社会に生じる同調圧力など、現代社会の子どもたちが直面する生きづらさを、物語のなかで真正面から取り上げる。
そこで示されるのは「フィジカルのおもちゃ」と「タブレットなどのデジタルデバイス」の椅子取りゲームのような単純な対決構造ではない。
子どもの情操教育や社会性を身につける学びとしてのおもちゃそれぞれの位置づけや役割に加えて、守られるべき存在の子どもたち誰もが笑顔で健やかに成長していく環境を、大人や社会はいかに作っていくか。そんな問いかけがある。
本作は、おもしろい子ども向けアニメでありながら、現代社会へのメッセージが込められた社会派エンターテインメントだ。そこには広義のエデュテインメントのひとつになる要素があり、それが子どもから大人まで響いているのではないだろうか。