- 1スレ主 説明26/06/24(水) 15:54:04
※転生宿儺が『虎杖宿儺』を名乗るまでを書きます
※タイトル通り、モジュロ後一年経った世界線です
※15歳転生宿儺が新宿決戦決着までの記憶を取り戻し反転術式を使うところからスタート
※五条悟は1歳で「無下限呪術」使える特殊系転生赤ちゃんです。マスコット枠です。「六眼」無しなので術式使用後すぐ疲れてすぐ寝ます。あまり活躍しません
※スレ立て初めてです
※見切り発車気味
※キャラエミュ苦手です。全員別人28号です
※【閲覧注意】ですが破廉恥はありません。たぶん
※CPは公式で確定・成立したもの以外は出ません
※展開上、暴力描写があります。掲示板でのNGワードが含まれていたり、描写が過剰になりそうならwriteningを使用し投稿します(念のため)
※原作キャラを悪者にしたくないので、モブはスレ主のオリキャラから持ってきます。オリキャラなので普通にタヒにます穀します
※急に展開が変わるなど場面が大きく飛んだら「ああストーリー思いつかなかったんだな」とお察しください
※スレ主は飽き性です。設定作りが好きな一方、実際に話を展開させるのが苦手です - 2序章26/06/24(水) 15:55:55
自爆テロ
ビル崩壊に巻き込まれるが生き残る宿儺。死にかけた影響で記憶取り戻した
「人のために、強く生きて……」と目の前で死ぬ『母親』。宿儺を突き飛ばして庇ったのは彼女と知る
身体の強度はフィジギフ並と気付くが、所詮は普通の人間。“現在”の記憶は虫食い状態の宿儺
宿儺「(赤子の泣き声が聞こえる…)」
瓦礫と死体の隙間ぬって這って捜すと、腹部に大怪我負って死に掛けの赤ん坊発見
『母』の遺言に従って「人のために」手を伸ばして…反転術式アウトプットできた! 赤子回復
赤子胸に抱っこして這いながら逃げ道探すが無い。御廚子試すが、発動しない……というか反転術式で呪力ごっそり減っとるやんけ!
頭回らなくて、起きてられなくなって横倒しになる宿儺
倒壊に騒ぐ周囲が助けてくれるのを待つか?
落ち着いてきた赤子、自分を抱える宿儺見て、周囲の様子見て、天に手を伸ばす
赤さん「ぁきゃ!」
宿儺「?!」
吹っ飛ぶ瓦礫。更にどよめく周囲
きゃっきゃする赤子を抱えたまま、下手に動けず起き上がれない宿儺
到着したレスキュー隊に『母親』の遺体がある事を伝えて、宿儺気を失う - 3【第一章】126/06/24(水) 15:58:36
目を覚ます宿儺。天井が白い……病院か。しかも個室?
脇で蠢くものが。首だけ起こして見ると……なんでさっきの赤さんがすやすやしてるの?
更に奥に人影ふたつ
上体を何とか起こす宿儺に近付く二人。一方は三つ目。そしてどちらからも感じる呪力
「宇佐美だ。こちらはシムリア星から来た、」
「マルル・ヴァル・ヴル・イェルヴリだ! マルでいいぞ!」
二人の持ち物:赤子用ミルクin哺乳瓶・抱っこ紐 が絵面として面白すぎる
年嵩の方が微妙にげっそりしてる。自分が寝てるあいだに絶対泣き叫ばれたな。個室も納得
宿儺 「……呪術師か」
宇佐美「呪術師を知っているなら話は早い。上層部は君たちを潜在術師と認定し、保護すると決めた」
宿儺 「勝手に決めるな。あの場で術式を使ったこの赤子だけにしろ。俺を巻き込むな」
マルル「そうは言っても、あなたのロロルカがこの子から流れているぞ。使っただろう?」
宿儺 「(こいつ、俺の術式使用を読み取った……? というか、ロロルカとは何だ?)」
マルル「今もまだ、その子の中を巡っているな。私の『調和』と似た温度を感じる」
宇佐美「まさか、反転術式……?」
宿儺 「……しらん。助けようと手を伸ばしたら、勝手に治っただけだ」
宇佐美「……“保護”させてもらうぞ」
宿儺 「断る。俺は帰る」
宇佐美「許可できない。術式を使うと分かった以上、一旦当局預かりにさせてもらう」
術師たちの緊張した様子から、事情がありそうだと判断する宿儺。でも知らない連中においそれと協力する義理はない - 4【第一章】226/06/24(水) 16:01:36
さてどうやって逃げるか……考えていると、刀担いだ青年が入ってくる
青年の頭に乗るパンダには見覚えが。パンダの方も自分を見てぴゃっ!というような驚き方をしている。動くが喋らないパンダから弱い呪力を感じ取って、なるほどここは未来か、と宿儺判定
パンダいるし、未来といえどももしかしたら…と考えを改める
宿儺「では、俺が残る条件を一つ出そう。適ったなら、敵にはならないでやる」
ピリつく二名とぽわわんの三つ目に、口角上げる宿儺
思い出したのはいつかの、“あいつ”との会話
『両面って、“ともおもて”とも読めるよな?』
『……何だ、急に』
『もしお前が偽名使うとしたらって話』
『暇か』
『トモオモテさん家のすっくん!』
『やはり馬鹿だな貴様は』
『ひっでー! ちょっとはノレよ』
宿儺 「虎杖悠仁を知る者を連れて来い。“トモオモテさん家のすっくん”が呼んでいる、とでも言えばいい」
宇佐美「通じなかった場合は」
宿儺 「奴の関係者なら絶対に分かる」
宇佐美「……」
宿儺 「やれやれ、話の通じないガキめ。トモオモテは漢字で両面と書く。……両面宿儺だ。これならお前たちにもわかろう」
驚いた顔を見合わせて、すぐ退室する日本人。宇佐美は既にコメカミ押さえて通話開始してた
マルルは赤子が気になるのか哺乳瓶両手で握って残ってる
呼んだところで存命ならどうせジジイにババア連中だろうし到着も明日だろうなぁさて寝よう、と横になり、目を閉じる宿儺
秒で扉が開いて驚く宿儺、飛び起きる - 5二次元好きの匿名さん26/06/24(水) 16:02:22
面白そうだ
がんばれ - 6【第一章】326/06/24(水) 16:04:08
被っていたヤッケのフードを取って、顔を晒す男。互いに見合う
虎杖「おー、マジか」
宿儺「……虎杖、悠仁」
まさか本人が出てくるとは思わなかったし、虎杖が若いままの姿なことに言葉をなくす宿儺。声は前より低くなっているが、見た目が……
驚きと複雑な顔のままベッドに近付いて、宿儺と目線合わせるために丸椅子に腰掛ける虎杖
虎杖だけにしたくないらしい外野も再入室する。ほわわんマルルは相変わらず哺乳瓶にぎにぎ
虎杖「名前は?」
宿儺「トモオモテさん家のすっくん」
虎杖「さっきも聞かされたけど何でそのネタ覚えてんの!? ……あーいや、今生の名前」
宿儺「……」
いざ名乗ろうとして、思い出せなくて、上見て、腕組んでガチ悩み
宿儺「本名はない。というより、思い出せん」 - 7【第一章】426/06/24(水) 16:05:39
虎杖「えぇ……何とか思い出して?」
宿儺「身分証明登録等々も不明だ。不貞からの婚外子、とは幼い頃に耳にはした」
虎杖「親御さんが出生届け自体出してないかもってことか……役所の支援の穴すり抜けたかんじね」
宿儺「勉学の知識はあるが、学び舎へも行っていない……はずだ」
虎杖「はず」
宿儺「今生の記憶が何箇所も抜け落ちている。“両面宿儺”の時代を思い出した影響だろう」
虎杖「じゃあ、透明人間やってたかもって点以外は、ふつーの一般人で過ごしてた可能性あるんだ。よかったじゃん」
宿儺「思い出すのが遅すぎた。代償が今生の『母』の死など」
虎杖「あー……」
宿儺「コンクリートの柱に頭蓋含め半身以上潰された。術式が使えると気付いたのも、『母』らしき者が死んだ後だ。反転術式を使ったとしても、間に合うはずがなかったろう」
虎杖「大事な人が亡くなったのに、えらく淡々としてるな」
宿儺「言ったろう、今生の記憶が抜け落ちていると。『母』の記憶も、言葉を遺された時のものしかない。……正直、まだ理解が追いついておらんのだ。のちのち溢れる可能性はあるがな」
虎杖「ちなみに、敵討ちとかは」
宿儺「自爆テロだったのだろう。救助される片隅で聞こえた覚えがある。相手が既に居ないのならば、意味がない」
虎杖「……寂しくは?」
宿儺「そういうものだと受け入れた」
虎杖「……そっか」
問答のあいだ、虎杖はずっと目を離さない。真っ直ぐな目。『あの』頃から変わってない。というか、なんでこいつは歳取ってないんだ? - 8【第一章】526/06/24(水) 16:07:47
問答が終わるなり、赤さんが起きる。もそもそ宿儺の服握って「しゅうぁ」とか言ってる
虎杖 「こいつ、モノホンの両面宿儺なんだけど……殺すか?」
宇佐美「……」
虎杖のトーンが落ちたのに釣られて眉間を押さえる宇佐美。虎杖の発言力が高いことを知る宿儺。経年によりおそらく実力も上がっただろうと認識
虎杖 「こいつは今、人として普通に生きてる。帰りたいって言ってるなら、帰してやればいいだろ?」
宇佐美「他の者達がどう言うか」
虎杖 「“両面宿儺”って聞いて、心配なのも分かる。呪力はあるけど、でもこいつはもう、呪いじゃない。生きる権利がある。どこでどう生きようと、誰にも邪魔する理由は、」
宿儺 「話を折るが、俺はこの連中と縛りを結んだ。俺が条件を一つ出し、実際に適った。敵にはならん。あとは煮て焼け小僧」
虎杖 「何で縛り使ってんの!? しかも後処理俺に丸投げかよ!」
対宿儺のみ砕ける虎杖見て、パンダ連れの青年が目を丸くしてる - 9【第一章】626/06/24(水) 16:09:07
虎杖 「んああああ、どうすっかなあああ、俺それなりに忙しいんですけどおおお?」
宿儺 「無い頭を抱えているところ更に悪いが」
虎杖 「更に?!!」
宿儺 「このガキもだ。俺共々どうにかしろ」
宿儺によじ登ろうとしていた赤子を両手で捕まえて反転、虎杖に向かせる
宿儺 「テロ犯による爆発のあと、追って発した建物の爆散は、コレの術式だ」
宇佐美「初耳なんだが?!」
宿儺 「見ていたのは俺のみだからな。そしてコレはこう発していたぞ ―― 『赫』とな」
雪色の髪に瑠璃紺の目の乳児。起こった爆発。『赫』
虎杖を見た赤子、目をパチパチさせて、すぐにフルスマイル、両手伸ばす
五条 「ぅーに!」
虎杖 「……はあああああ!!? 五条先生?!!」 - 10【第一章】726/06/24(水) 16:10:11
釘崎「……で? この状況は何」
病院から京都高専へ移動させられた一同、釘崎と合流
虎杖 →赤ん坊抱き締めてべしょべしょに泣いてる
五条 →ニコニコぎゅうっと虎杖にしがみついてる
宿儺 →二歩ほど離れた位置で半目で二人を見てる
宇佐美→めっちゃ戸惑いながら三人を少し離れて見てる
真剣 →大混乱の場の四人を壁際で呆然と見てる
パンダ→真剣の上で花飛ばしてる
マルル→真剣の隣でまだ哺乳瓶両手で持ってぽわぽわしてる
虎杖「ぐぎざぎ、ぜんぜい、いだ」
五条「のぁあ! だぁ!」
釘崎「ぐわあああガチでゴジョセンじゃねえかあああ! 記憶持ち転生とか昔の漫画かー! それに何よ赤ちゃんのくせにその呪力量! 術式顕現年齢軽く無視してんじゃないわよ! よみがえっても怪物か! 怪獣って呼ぶわ!」
老女とは思えないツッコミを一息でしつつ、それこそ昔の漫画かという具合に両手で頭抱えて両足開いて唸る釘崎。年齢に見合わず動作が若い。どん引くマルル以外の外野衆 - 11【第一章】826/06/24(水) 16:12:30
虎杖 「ぜいぢょう、おぞいみだい。じゅりょぐはあるのに、歯も歩ぐのも、まだ」
釘崎 「呪力からの脱却がほぼ一年前で、それで呪力持ちってことは、一歳はとうに迎えてるってことよね? せんせ、おくち、あーん」
五条 「あー」
釘崎 「あら、ほんとね、歯ないわ。言葉は完全に理解してるっぽいけど、前世が特別だった分、現世だと削られる縛りかなんか出てる? ……成長スパートあたりで急加速するパターンかしら」
釘崎、五条のほっぺたプニプニ。五条もキャー(>∇<)と喜んでる
虎杖 「あど、ごれ、ずぐな」
宿儺 「指を指すな小僧。……あの時の一撃はよく効いたぞ、女」
釘崎 「高専時代のあんたそっくりなのが居ると思ったら、こいつガチ宿儺?!! え、待って待って待って、先生と宿儺をダブルで見つけたとか、どんな確率?」
「伏黒でもさすがに腰抜かすわ!」とかぼやく釘崎
釘崎 「それで呼び方は、すくな、のままでいいのかしら。様付けする?」
宿儺 「様は要らん、普通に呼べ」
釘崎 「そ。術式も変わりなし?」
宿儺 「反転術式は相手を絞らず使える。御廚子については試しておらん」
釘崎 「試してない?」
宿儺 「かつてより呪力量が落ちている。たった一度の反転術式で容易く疲弊した。貴様らの基準で言えば、今の俺は四級程度であろうな」
宇佐美「反転術式のアウトプットができる野良術師なんて、どうして今まで誰も見つけられなかったんだ……」
宿儺 「だから術自体が使えると判ったのは今日だと……」
生前の四つ腕時代とも、虎杖に取り込まれた時とも違う、ふっつーーーの人間の状態に。一番困惑している当人、遠い目
- 12【第一章】926/06/24(水) 16:14:26
マルル「ハンテンジュツシキ」
真剣 「治療できる高等な技術だ。使い手が少ない上に、伊井さんみたく他人を治すのは、もっと難しい」
マルル「彼は自他共に治療できるのか! すごいな!」
真剣 「おまえの『調和』も大概だろ……」
宿儺「今の俺は親無し戸籍無しのただのガキだ。ここに居る者の総てに劣る。態度については、染み付いたもので変えようがない。諦めろ」
釘崎「いやまあ、それは別にいいけど……逆に敬語とか使われるほうが気持ち悪いし」
宿儺「おい」
虎杖「だじがに」
釘崎「おめーは! さっさと! 泣き止め!」
結局宿儺&赤さん五条、虎杖の拠点のひとつに居候決定へ
釘崎 「宿儺についてはヨシとして。ゴジョセンについては、何かわかったの?」
宇佐美「五条家の相伝術式を使用したとのことで、関連を現在調査中です。分かり次第、追って連絡します」
釘崎 「それまでは、お世話は虎杖に押し付けってことね」
虎杖 「ぜぎにんもぢまず」
釘崎 「もー……ほんっとに大丈夫?」
虎杖 「だいじょぶ、ぜんぜい、りぐがんないがら、まもる」
言われて、赤子だから仕方ないとはいえ『赫』の使い方が超雑だった、と思い出す宿儺 - 13【第一章】1026/06/24(水) 16:16:05
真剣 「本当はウチが責任を持つべきなんでしょうけど、警戒されて、抱っこすらさせて貰えないので……申し訳ありません」
頭を下げる真剣に手をヒラヒラさせて「いいよ」と応じる虎杖。涙は止まった
宿儺 「あれは?」
釘崎 「乙骨先輩のお孫さんのひとり。乙骨先輩、五条先生の遠縁だったらしくって。死滅回游平定後、五条家当主代理になったの」
宿儺 「……呪力がほぼ無いようだが」
釘崎 「禪院家の血が濃く出てるみたい。乙骨先輩、真希さんと結婚したの」
宿儺 「ほう?」
真剣 「聞こえてますよ。俺、フィジカルギフテッドです」
宿儺 「ほう。……ところで、今の俺は貴様より年下だが」
真剣 「“伝説”が目の前にポンポン揃ってパニクってる状況で、つい出る敬語くらい、見逃してもらえねーかな……」
宿儺 「伝説、か……少なくとも俺は、そのような上等なものではない。気にせずともよいが」
じゃあ帰るか……と部屋を出ると、ちょうど美野と出くわす
美野 「宇佐美さん! 赤ちゃん、やっぱり五条家と繋がりがある家の子でした! めちゃくちゃ遠い家でしたし、先の事故でこの子以外居なくなっちゃったみたいですけど」
宇佐美「! では、五条家へも報告を」
真剣 「それは俺が。宇佐美さんは“上”に、お願いします」 - 14【第一章】1126/06/24(水) 16:17:08
真剣の後ろから出てきた虎杖を見て美野とたんにすごい嫌そうな顔に。虎杖は気にしてないけど、事情知ってる釘崎はそれでも美野の態度に眉間に皺寄せ
虎杖の腕の中で虎杖と釘崎の様子見てた五条、美野以上に嫌そうな顔になって、美野に対して唇尖らせて「うー」と唸る
宿儺も同じく察して、片眉を跳ねる
宿儺「何があったか知らんし興味もないが、小僧へのその態度は気に入らんな、貴様」
美野「誰ですか、その子供」
虎杖「やめろ。俺が馬鹿やった結果だ、気にすんな。いや無理しても耐えて。暴れられたら困る」
宿儺「ふん、小僧の温情に感謝しろ、わっぱ」
美野「だから誰ですか」
五条「やーやー! いーーーー!」
虎杖「ちょ!」
美野「赤ん坊まで! 何なんですか!」
美野へガルガルする子供二人に慌てる虎杖 - 15【第一章】1226/06/24(水) 16:18:17
釘崎 「あんたたち、うるさい。虎杖、こっち説明しとくから、あんたはその子ら連れて帰んなさい。連絡先は変わってないんでしょ?」
虎杖 「悪ぃ、頼む。ほら宿儺、行くぞ」
宿儺 「チッ」
五条 「いーーーー!」
美野 「えぇ……」
宇佐美「美野、今は釘崎女史からの話をしっかり聞け」
釘崎と宇佐美、美野を残して帰路につく虎杖たち。宿儺も五条もなぜか不貞腐れてる
真剣 「憂花本人がいいって言ってるんですけどね……美野さんはまだ納得できてないみたいで」
虎杖 「本来なら俺がやるべきことだったしな……あの人の気持ちも分かるから」
マルル「そもそも我々が地球に来なければ、という堂々巡りになってしまう」
真剣 「やめやめ。共生決めたんだから、いい加減、前見ようぜ。虎杖さんも、そういう変な顔するの、辞めましょうね」
虎杖 「ハイ、善処します……」
唸る五条の背をぽんぽん撫でつつ、真剣・マルルと別れる虎杖
自分と再会するまでに連中と何かあったと悟る宿儺。追々聞こうと決める - 16【第一章】閑話126/06/24(水) 16:20:33
【宮國に呼ばれて病院へ駆けつける虎杖】
※宮國の対虎杖の呼び方が分からないため、他キャラと被らせないよう『先生』と呼ばせています
宮國「先生、これを」
虎杖「……腕?」
宮國「これは、爆心地の近くで発見されたという、推定テロリストの腕です」
自爆テロ現場から拾われた左腕を見た虎杖、呪いを感知する
虎杖「呪詛師だな。見るに、腕利き。しかも日本人じゃない」
宮國「ですね。国内情報を照会しても何も出なかったので、渡航者かと」
虎杖「なんでわざわざ日本で暴れてくれるかね……」
宮國「ちなみに、腕以外は見つかっていません」
虎杖「そっか。あとで俺も現場行って、残穢見とくわ」 - 17【第一章】閑話226/06/24(水) 16:21:59
頭掻く虎杖に、宮國、表情を曇らせて続ける
宮國「それから、救助された少年が気絶する直前、救助隊員へ“自分の身内の遺体も頼む”と申告をしたらしいんですけれど、」
虎杖「うん」
宮國「ありませんでした」
虎杖「……うん?」
宮國「示された場所に、確かに血痕はありました。相当の力で押し潰されたであろう量でした。……ご遺体は、影も形もありませんでした。更に加えると、他の被害者のご遺体も」
虎杖、無言で腕を組み、天井を見上げる
虎杖「……ひょっとして?」
宮國「私は“そう”見ています」
虎杖「ちょっと、面倒なことになってきたな」 - 18【第一章】閑話326/06/24(水) 16:23:09
腕を解いて、宮國にひらひらと手を振る
虎杖「おっけ。しばらくこっちに居るわ。様子見しとかんと、不味げなかんじがする」
宮國「お願いします。代わって、我々が東京に赴きますので」
虎杖「頼む。……と、はいはい、誰でしょね?」
虎杖に電話。宮國も表情を戻す
虎杖「宇佐美? ……はいよ、虎杖。……うん……うん……子供が起きた。で、俺に会いたがってると」
宮國「先生に直接?」
虎杖「そいつ、俺の事、知ってるかんじ? んー、最近は高専生以外の子供と接した覚えがないんだけど……はぁ、うん、……ぇぇえええええ!!?」
素っ頓狂な反応の虎杖。宮國も真ん丸お目目をぱちくり
虎杖「“トモオモテ”?! そいつ、マジで“トモオモテ”っつった!? ちょ、何階!? すぐ行く!」
宮國置いて超速度で出て行く虎杖。ぽつねん宮國、やれやれと苦笑
宮國「人気者なところは、いつまでも変わらないね、先生」 - 19スレ主26/06/24(水) 16:24:51
ありがとうございます!頑張ります!
- 20二次元好きの匿名さん26/06/24(水) 17:32:37
読み応えあって面白いよ〜
続き楽しみ - 21スレ主26/06/24(水) 20:01:18
ありがとうございます!お楽しみ頂けてるようでこちらも嬉しいです!
- 22【第一章】1326/06/24(水) 20:03:17
夜遅く、虎杖の拠点の一つに到着。外では烏が騒ぎ立てている
軽食ができるまでぼんやり見つめる先には、流動食を赤子に食べさせている虎杖の姿。虎杖は楽しそうだが五条はふてくされている
虎杖「せんせ~、食べて~、俺無い頭捻って作ったんよ~」
五条「うううううううう」
差し出されたスプーンを口にはするが、五条は不満気
宿儺「……嫌がっておるではないか」
虎杖「俺、赤ちゃんは育てたことねえし、何用意すりゃいいか分からんから、適当に蕪茹でて潰したのに塩振ったの。でも、ダメっぽい。先生、今はこれしか無いから、頑張って食べよ?」
五条「ぁぶ、やー!」
宿儺「一旦留めておけ」
虎杖「だめかぁ……明日、米飴でも作ってみるか」
五条「あぇ!」
虎杖「お、食いついた。よっしゃ、蕪入れた米飴な。麦芽あったかなー」
暇が出来たならば、とこの隙に話の続きを聞こうと立ち上がる。が、
虎杖「ちょっと待って。先に外、どうにかするから」
言って、五条から離れて窓を全開にする虎杖。騒いでいた烏達、一斉に黙る - 23【第一章】1426/06/24(水) 20:05:55
虎杖「憂憂、見張りたいなら、せめて二羽までにしてくんね?」
二人に話しかけていた時とは違う冷えた音に、背中を伸ばす宿儺。五条も固まる
虎杖「散った散った。見世物じゃねーよ」
ポケットからポン菓子の小袋を出した虎杖が、封を切ってベランダにばら撒く。群がる烏達が菓子を平らげたあたりでシッシッと払う仕草を見せると、言われた通り二羽残し去って行く。
虎杖「心配なのは分かるけどさぁ……もうちょっと距離をさぁ」
残る二羽を見つめてから、踵を返した虎杖は窓を閉めて施錠する。
虎杖「ん、悪い。昼の続きな。飯食いながらでいい?」
態度の切り替え方に不気味なものを覚えつつ、宿儺も五条も黙ったまま従う - 24【第一章】1526/06/24(水) 20:12:25
ホットサンドを用意し、宿儺の前に皿を置いて、虎杖は五条を抱っこして正面に座る。生のサーモン短冊をスライスし、玉ねぎとチーズを挟んでしっかり加熱していたので、完成まで時間がかかったもよう
虎杖「何から聞きたい?」
宿儺「姿」
やはり一番最初に気になった事から、とパクつきながら宿儺は問う
虎杖「……呪胎九相図(きょうだい)の四番から九番を喰った影響で、呪霊とのハーフになった。呪霊って歳ほぼ取らねえじゃん? 俺も寿命延びちゃったの。まだ人間の部分も残ってるから、ちょっとずつは老化進んでっけど。家入さん……は覚えてる? あの人の見立てでは、あと三百年くらいは生きるってさ」
宿儺「……今は齢八十四か」
虎杖「計算早いなー。そ。本当はジジイなんだけどな。パチ屋行ったら十代に間違われて職質されんの。言い訳超大変!」
五条、それまで不安そうに聞いていたのに、“職質”の部分で呆れた目を向けて虎杖に苦笑される - 25【第一章】1626/06/24(水) 20:17:05
宿儺「昨年までのポカとは」
虎杖「今の件の延長線。独りだけ取り残されて、拗ねて、それまでやってた後進育成とか全部すっぽかして、逃げ回ってました」
宿儺「貴様が……?」
虎杖「俺のこと買い被り過ぎてない? ……かなりしんどかったよ。それまで肉皮着いてた見覚えのある体が、骨だけの知らない様相になるのを見るって」
宿儺「……そうか」
虎杖「寂しがりにはねー、堪えるんですよー、二度と会えないって。そのくせ、俺は変わらず、ずっとこのまま。ガキのまんま。……さすがに折れた」
天井を仰ぐ虎杖
虎杖「九十九さんが遺してくれた“呪力からの脱却”って課題も、結局俺には解けなかった。涌き続ける呪霊。対処し続けなきゃいけない呪詛師。日本人の拉致問題。俺に頼りっぱなしの“育ち”もしない権力濡れの上層部。……ある時を境に、全部、どうでもよくなったんだ。自棄起こした。いつまでも俺に頼るな。こだわるな。虎杖悠仁なんて、もうどうでもいいだろって」
かつて「もうどうでもよくない?」と己について言い放った人物の転生体を抱えながら、虎杖は吐き出す。五条の顔を見れない - 26【第一章】1726/06/24(水) 20:20:52
宿儺「だが、どうでもよくなかったから、戻ったのだろう?」
虎杖「そーね。去年、拗ねてる場合じゃねえって事態になって。一応携わりはしたけど、俺の手からは離れたところで解決して。……そこでやっと、光が見えた。自分だけで抱えなくてもよかったんだ、他人を頼れば良かったんだって」
宿儺「独り善がりだな」
虎杖「ほんとそう! えらっそうにね、独りで悲劇の主人公やってたわけ。“意味のある死”にこだわり過ぎてね。情けねー。腹括って戻ったあと、釘崎には普通に怒られたし、東堂には涙流しながら叩かれた」
頭上に落とされる鉄槌打ちを宿儺は想像した
虎杖「そんなこんなで、今はちゃんと呪術師やってるよ。ポカの件は解決してます。……まぁ、憂憂にはこうやって、また道外さないように見張られてるわけですが」
示された窓の向こう側で、烏の一羽が一声上げる
宿儺「解決の要員は、あの三つ目か」
虎杖「そう、シムリア星から来た宇宙人。宇宙人って聞いた時は映画かよって思ったよ!」
宿儺「貴様の感想は要らん」
虎杖「そーすか……」
宿儺の手が空いたので、卓上のポットから無糖紅茶を注いでやる虎杖 - 27【第一章】1826/06/24(水) 20:23:45
虎杖「九十九さんの『魂研究ノート』を参照して、乙骨先輩が生前ずっと呪力籠めてた指輪、マルルの『調和』の術式、……魂の通り道に居座ってた真人の『無為転変』で、日本人の呪力を海外の人間と同じくらいに薄めた。あれから呪霊の発生頻度もかなり落ちたし、もし発生しても対処できるように手段を構築するのが、俺のこれからの仕事。呪具作ったり、結界の維持したりね。東京の復興にも参加する予定」
宿儺「たとえ意味がなくとも、残すべきを残す、か」
虎杖「そんな恰好良いもんでもないけどな」
宿儺「しかし、アレは俺と話して以降も、あの場に居座っていたのか。なんともまぁ卑小な」
虎杖「俺が死ぬまで待ってたんだってさ。俺死.ねねえんだっての。で、いざ“調伏”しようとしたら当然抵抗された訳だけど、なんか一発で終わったわ。ちょっと構えてたけど、呆気なかった。まぁ、欲しかったのはアイツの術式だけだったし、死んだ人達にもう手出しできないって判っただけでも、俺には儲けだったよ。……待って、宿儺、アイツと話したの?」
宿儺「しまった、失言だった」
真面目な表情から一転、目を丸くした男から分かりやすく視線を外す宿儺。これ以上は話さない、と紅茶をわざと音を立てて啜る - 28【第一章】1926/06/24(水) 20:27:51
虎杖「俺にはクワシクしておいて~。お前本当、自分の事は話さないよな」
宿儺「その“クワシク”には既に応えたが?」
虎杖「それは現在の十五歳の宿儺さんに対してですー。新宿までの宿儺さんのことはまだ聞けてないですー」
宿儺「知らん」
虎杖「ちぇー。……まぁいいや。次、何かある?」
宿儺「あるが、よい。今の話を飲み込む時間が欲しい」
虎杖「了解。聞ける状態になったら、また聞いて。……先生、寝ちゃった?」
思い出したように手の中を覗き込む虎杖。途端に愚図り出す五条
虎杖「なになに、お腹空いた? 漏らしちゃった?」
五条「ああああああ」
虎杖「うわっ、先生?!」
手足をバタつかせる赤子と向き合うなり、小さな両の紅葉で胸板を叩かれ虎杖驚く - 29【第一章】2026/06/24(水) 20:31:57
話を聞く間、五条の様子を正面から見ていた宿儺は、赤子が泣き出した理由をなんとなく察した。立ち上がり、虎杖から五条を取り上げる
宿儺「寄越せ」
虎杖「もっと丁重に!」
宿儺「知るか」
雑に回収し腕に収めると、涙を溜めたまま大人しくなるので、宿儺の察知は当たっていた
宿儺にしがみついた五条が落ち着くにつれて、虎杖の居心地は悪くなる
虎杖「俺、何か不味った?」
宿儺「だろうな。……俺が寝かしつけてやる。少し出て来い」
虎杖「……頼むわ。麦芽とか、明日の飯になるもん買ってくるから」
癖になっているのだろう、ヤッケのフードを深く被り、虎杖は外出の姿勢に移る
虎杖「とりあえず、今日は俺のベッド使って。俺は帰ったらその辺でゴロ寝するから。先生は……どうしよ? 赤ちゃん用のベッドはないし……宿儺、抱っこして寝れる?」
宿儺「……おそらく?」
虎杖「不安」
宿儺「おい」 - 30【第一章】2126/06/24(水) 20:35:26
虎杖「喉渇いたらこの水飲んで。目覚ましはないから、気が向いたときに起きればいいよ」
枕元の床にボトル水を二本置く虎杖
五条を抱っこしたまま横になる宿儺。生活感を感じない部屋に改めて違和感を持つ
宿儺「定住はしておらんのか」
虎杖「さっき話したろ? ここ、自棄っぱち起こしてた時の塒の一つなの。でも、そろそろ住所固定するか」
新品のタオルや衣類を紙袋から出して翌朝の用意している虎杖の背中に問う
宿儺「小僧。貴様、今の呪術界ではどういう立場だ」
虎杖「さっきの話もう飲み込めたの? まぁいいや。特級」
宿儺「そうか」
病院での発言力と、身体を共有していた手前、隠しているが隠しきれていない呪力量で納得する宿儺 - 31【第一章】2226/06/24(水) 20:38:51
宿儺「今現在、貴様より強い者は」
虎杖「地球側はたぶん俺くらい? 調べてないから分かんね。術式だけなら、釘崎のが一枚上だけど」
宿儺「あれは、な……」
虎杖「シムリア側には居るんじゃねーかな。マルルは正直、戦うとなったら苦労すると思う。あと、あっちに、新宿ん時のお前レベルのが一人、居る」
宿儺「かつての俺」
虎杖「魔虚羅と“遊んで”、その場で反転術式や領域展開まで使えるようになったってさ」
宿儺「!」
思わず起き上がる宿儺。振り返った虎杖に手で「寝ろ」と示されて、再びベッドに横になる
虎杖「明日、起きてからな」
結局虎杖に言葉で煙に巻かれ、仕方なく引き下がる宿儺
虎杖「鍵、一応閉めていくけど、誰か来たら適当に無視しといて」
宿儺「出ておいてやろうか」
虎杖「勧誘系、面倒くさいよ。SSRで呪詛師も出る」
宿儺「居留守を使う」 - 32【第一章】2326/06/24(水) 20:43:00
宣言通り施錠して去って行く足音
完全に聴こえなくなってから、それでも声を潜める宿儺と五条
宿儺「はぁ……小僧が“ああ”なのは元からであろう。独りで勝手に背負い込む、完全な自己犠牲型だ。あれはおそらく生涯のものであって、今更正そうにも骨が折れる。よって俺は“ああ”であることには目を瞑る。軌道修正は、成長した先、己の手でやれ」
五条「うーーーー」
宿儺「成長したくば、まずは食事の選り好みを止めろ。飽食の国に産まれた特権を使い切れ」
五条「ぅう……ぅーに、ぱか、ぱかぁ、うーーーーー」
宿儺「……寝るぞ」
目を閉じる宿儺。ぐずる五条抱えて、息を吐く
スンスンと泣きながら、じきに大人しくなった五条の背を撫でつつ、宿儺も意識を落とす - 33【第一章】2426/06/24(水) 20:51:00
鍵を静かに開けて、帰宅を果たす虎杖
寝息をたてる子供二人が絶対に起きないと確信してから、静かにベッドへ近付く
虎杖「内心まで言う必要、なかったよなぁ……“前”とは違うってのに……俺やっぱ、馬鹿なまんまだ……」
宿儺にしがみつく泣き面五条の頭ふわふわ撫でて、五条大事に抱える宿儺の頬を人差し指の背でスゥと辿る
虎杖「……今度こそ……」
―― 第一章 終わり - 34【第一章】オマケ26/06/24(水) 20:54:55
【早く成長したい】
くやしい。くやしい。くやしい。
喋れないのがくやしい。
好きに動けないのがくやしい。
……ちゃんと伝わってなかったのが、くやしい。
そういう意味で「どうでもいい」って言ったわけじゃない。
“みんな”で解決して、進んでいってほしかったから。
だから敢えて突き放すように言ったのに。
俺の意思を託したくて、言ったのに。
悠仁が言葉をそのまま受け取る真っ直ぐな子だったのを失念したのは、俺の責任で。
だけどここまで曲解されるなんて、考えてもなかった。
俺の言葉が、悠仁への『呪い』になるなんて。
俺の『呪い』のせいで彼を苦しめていた。
真綿で首を絞めるように思考を停めさせていた。
この子の生きる望みを放棄させていた。
知りたくなかった。知りたくなかった!
泣いて暴れるしか能のないこの身体がもどかしい。
早く喋れるようになりたい。
早く動き回れるようになりたい。
ちゃんと眼を見て、両手を握って、己の言葉で、ちゃんと伝えたい。誠意をこめて。真心をこめて。
最も大切にしていたお祖父さんの『呪い』を自身で解いた、この強い子のために。
僕自身で。 - 35【第一章 裏話】26/06/24(水) 20:58:33
「本文で書け!」な裏話。
宿儺も五条も、元の肉体の年齢や精神に引き摺られている設定で、呪術本編の性格や言動とはわざとかけ離れさせています。
違和感をお持ちの方もいらっしゃるかと思われますが、意図的にやってますので、見守って頂ければ幸いです。
早くもご感想頂けて、とても嬉しいです、ありがとうございます!
第一章は駆け足で投稿しましたが、第二章以降は保守代わりにのんびり投稿していこうと思います。
第二章以降はスレ主のオリキャラがかなり出張るので、苦手な方はこれにて!
大丈夫そうな方はお付き合い下さい。 - 36スレ主26/06/24(水) 21:03:00
- 37【第二章】126/06/24(水) 22:52:18
(保守代わりにとは言ったものの、朝7時に更新できるかわからないから、話の切りのいいところまで投稿しちゃいます)
(第二章はオリキャラがたくさん出張ります、ご注意ください)
嫌な夢を見た気がして、目を覚ます宿儺
いい匂い。釣られて腹の虫が鳴く
既に起きてた五条、宿儺の服にぎにぎしながら連れて行ってほしそう
起き上がり、五条抱える宿儺。かつて殺し合いをした間柄なのに、大人しく腕の中におさまる五条。『赫』使えるし全く問題なし、という自信に満ちたドヤ顔。うっかり発動させて家壊すなよ、と呆れる宿儺
五条「ぅーにぃ」
虎杖「おっ、おはよー二人とも。座って待ってて」
まな板二枚でパン二枚組を三つも接着させる虎杖。挟んだ具は見えない
小さい鍋から汁を皿に移しながら、もう一つの鍋の温度をみている
虎杖「よし、米飴も冷めた! 食おう」 - 38【第二章】226/06/24(水) 22:58:09
アスパラ斜め切りにして茹でたあとツナと合わせて、マヨネーズで和えたツナサンド、フリルレタス添え
新玉ねぎのコンソメスープ
摩り下ろした蕪混ぜた米飴
テーブルに並べられていく洒落た朝食に瞬く宿儺。座らせた五条に蜂蜜スプーンで飴を食べさせる虎杖
虎杖「食わねーの?」
問われて、すぐ着席し、斜め三角形に切られたサンドに被りつく宿儺。スープを含んで一気に飲み込む。笑う虎杖
虎杖「落ち着いて食えよ。まだあるから」
五条「ぅーに!」
虎杖「こっちも食いつき良いなぁ。栄養もあるし、困ったときの米飴様だ」
差し出されたスプーンを念入りに舐める五条。ふがふがしながら次を催促
しばらく食事タイム。おかわりスープを飲み干して、一息ついでに無糖紅茶 - 39【第二章】326/06/24(水) 23:01:38
虎杖「あ、今日は、午前中は待機な。ここに住所固定することにしたから、大家さん来たら、手続きします。買い物は昼から行こう」
五条に飴を舐めさせるあいだ、宣言する虎杖
宿儺「未婚の年齢不詳男が突然子供二名を紹介したら混乱するだろう。どう説明するつもりだ」
虎杖「その辺は大丈夫。全く問題なし」
器の米飴を半分食べきって満腹になった五条。あまり汚れてない口周りを一応拭いて、虎杖は返す
虎杖「大家さん、百三歳のおばあちゃんです」
宿儺「貴様より歳上だな」
虎杖「背骨は側弯症で曲がってるけど、頭も身体もしっかりしてます」
宿儺「なんとまぁ、強そうな御仁だ」
虎杖「ついでに元三級術師の現『窓』さんで渋谷も新宿もがっつり知ってます」
宿儺「最適物件だったか」
宿儺も納得した - 40【第二章】426/06/24(水) 23:05:38
虎杖から五条を預かる宿儺。虎杖は器具含めて洗い物
玄関外に気配。続いて、「そぉーい!」とかいう掛け声
虎杖「宿儺ー出てー」
宿儺「変な掛け声をしておるぞ」
虎杖「あー、それいつものやつね。ムクドリかヒヨドリ追っ払ってるだけだから」
言われるままに玄関を開け放つと、虎杖宅に背を向けて、グリコのポーズで空に向かって「へぇい!」と威嚇している老婆
五条「そぉーい!」
大家「あいやぁ! 見られてしもぅたわい!」
グリコポーズのまま、首だけ振り向かせた老婆が応じる。キャラが濃いことを察してうへぁ顔の宿儺
宿儺「小僧! 面倒臭いのがおるぞ!」
大家「どいひ!」
宿儺「古い!」
虎杖「宿儺の貴重なツッコミが消費されちゃう勿体ない!」
老婆の様相に飲まれて危うくギャグ時空に行きかけた宿儺、空いてる片手で目元を覆って長い溜め息。虎杖も慌てて作業を終えて出てくる - 41【第二章】526/06/24(水) 23:11:40
あっぱっぱワンピースにスキニーパンツを着用した、確かに背骨が曲がってはいるが背筋の伸びた老婆。髪は完全に白髪
虎杖「おはようございます! こっちは、昨日の晩に話した、宿儺と五条先生」
大家「ほい! お初! ババ大家でござ!」
宿儺「真面目にやってくれんか」
大家「今みたいな踊る阿呆と、ど田舎方言バリバリ真面目と、どっちが良かとですたい?」
宿儺「中間は……中間はないのか……」
大家「しょうがないにゃあ」
既に草臥れている宿儺を見て咳払いをし、ちゃらんぽらんから態度を変える大家
大家「悠仁くんからお聞きかと思われますが、元三級呪術師で、現『窓』をやっております、青磁 葛羽(せいじ くずは)です。訳あって偽名ですが、まぁ、大家でも葛羽でもばばあでも、お好きにお呼びくださいな」
宿儺「最初からソレでよかったのでは?」
大家「その最初が肝心ではござらんか。阿呆を演じているほうが、打ち解けやすいでしょうよ」
偽名と言った通り、振る舞い方は全て計算の上らしい。なお、同じく元ちゃらんぽらんを演じていた五条には大ウケ中 - 42【第二章】626/06/24(水) 23:15:29
虎杖宅に入り、施錠する。もし外部から“何かしら”が来ても、ひと手間かけさせることが出来る
さっきまで食卓だった机に書類が並ぶ。鉛筆で丸印をした箇所に記名すれば済む状態の紙ばかり
大家「ペーパーレスの時代とはいえ、重要書類はやはり、物理でも残すのは大事ですから。ああ、宿儺さんも、これ、記名をお願いします」
虎杖が書いていく半ピラから何枚か抜いて、宿儺にもボールペンと一緒に渡す
宿儺「……俺が斬撃を使うとは思わないのか」
大家「私の術式、超防御特化なので」
どんな攻撃でも防いでやるよ、と言外に宣言する大家。心意気やよしと、宿儺もペンを持つ。そして固まる
名字の壁。名前もどうしよう? - 43【第二章】726/06/24(水) 23:19:09
宿儺の反応に気付く虎杖
虎杖「俺の家に住むんだから、俺の名字書いちゃえば? 前の名前思い出したなら、そっちでもいいよ」
宿儺「……小僧の」
名前欄は宿儺で埋めるが、それでも、どうしても名字が書けない。手が留まる宿儺に大家の助け舟
大家「管理者の私が解っていればよいので、今は空欄でいいですよ。お役所に提出するようになったら、いずれは記名していただきますけど」
宿儺「……そうか」
結局名字の欄は空欄にする。虎杖が少し残念そうなのは宿儺は見ていない - 44【第二章】826/06/24(水) 23:23:43
大家「では確認しますね……はい、総て完了です。こちら、書類の写しと、こちらは集金等々お金に関する事柄を書いた案内です。目を通しておいてくださいな」
虎杖「お手数おかけしました」
大家「ゴミ出しの方法などは今まで通りで大丈夫です。……では、別件です」
頭を下げる虎杖
“虎杖さん家”のシールを貼ったファイルケースに書類を納めて大家、続けて『窓』の仕事に移る
大家「私の故郷、覚えてます?」
虎杖「えーと……北天まんじゅう売ってるところ?」
大家「『窓』の後輩から、呪詛師になるかもしれない人物の情報が入りまして」
虎杖の顔が呪術師の表情に変わる
虎杖「急ぎ?」
大家「話しぶりから、おそらく。こちら、詳細です」
スキニーの尻ポケットからメモを取り出す大家。受け取った虎杖は、了解、と短く返答
大家「オカミには事後報告のほうが良いかと。後輩が受け持っている人物、少々困った相手でして」
虎杖「どんな具合に?」
大家「準一級呪術師」
虎杖「……あー、そこそこ実力者か。おっけ。単騎で行く」 - 45【第二章】926/06/24(水) 23:27:18
話が進んでいく中、置いてけぼりの宿儺と五条。五条は現在の年齢、身体的に仕方ないとして、宿儺は?
昼から買い物に行くんじゃ? せめて断りを入れないのか? ―― なぜかそんなことを考えてしまう宿儺。覚醒直前に見た夢を思い出して腹にもやもや
宿儺「小僧……」
虎杖「来なくていい、今のお前じゃただの足手纏ぁいたあ!」
同行したくて声かけたわけじゃない宿儺に、冷たく返そうとした虎杖、頭をファイルケースでスパーンと叩かれる
虎杖「何をするだァーッ!」
大家「ここぁ定住するぅ言い出してちぃーと安心したっつうんに! 子ぉふたぁりもほっぽり出して行こう思うとるクソあんごうじゃぁ判ったけぇのお! 懲らしめちゃろうかぁ思ぅて!」
虎杖「産まれの方言出てる! 訛りすんごい輩じゃん!」
大家「黙れ小僧!」
虎杖「ハイッ!」
宿儺と五条も釣られて背を正す - 46【第二章】1026/06/24(水) 23:32:12
大家「今すぐに発てとは申してません。今日は昼食後お出かけすると、昨日言ってたじゃありませんか。だから私も朝のうちに来たんです」
虎杖「ハイ」
大家「二人にもお出かけするよって伝えたのでしょう? 何を考えているんです」
虎杖「ハイ」
大家「保護者が庇護者を放置とはねぇ~いいご身分でっしゃなねぇえぇえ~」
虎杖「ヤニふかしながら管巻いてるみたいなポーズし始めた……」
大家「ヤニも酒も賭博もヤクもやったことないし嫌いですがなーにーかー?」
虎杖「余計な口挟みましたすんません!」
虎杖が叱られる様が面白いのか、五条が宿儺の服で口元を隠しながらクフクフ笑い出す。宿儺も釣られて、妙な口の歪ませ方をする - 47【第二章】1126/06/24(水) 23:37:21
姿勢を正し咳払いの大家
大家「未婚かつ子育て経験なしの私でも、子供だけ残して家を空けようなんて考えません。何かあったらどうするんです。可能なら二人とも連れて行く。無理なら誰かに預ける算段を立てる。……子供を引き受けた自覚を持ちましょうね、保護者さん」
虎杖「前世の勢いで二人のこと失念してました……」
宿儺「そうか小僧の決意はその程度だったかどうする五条悟このジジイは信頼どころか信用すらならんぞ」
五条「ぱかぱかっ! めっ!」
虎杖「ごめんマジごめん本当ごめん」
子供二人に上体を向けて、手を合わせて頭を下げる虎杖
昼飯は肉だ、と要望し手打ちとした宿儺に免じて、大家は帰宅へ。大家を気に入ったらしい五条、ばいばーいと両手を振る
虎杖「じゃあ、外食しちゃおっか。そのあとで服やら雑貨やら見よ。……ごめんけど、先生は米飴ね」
五条「あい!」
虎杖「宿儺」
宿儺「何だ……っと」
放り渡された銀の物体。両面に不規則に窪みが
虎杖「ここの合鍵。失くすなよ。俺のと大家さんのと入れたら、世界に三本しかないからな」
紐や飾りを付けられそうな穴もある。十五歳『元・呪いの王』は『鍵っ子』にクラスチェンジした - 48二次元好きの匿名さん26/06/25(木) 00:25:40
圧巻の長さ
気合い入れて読んでくる - 49スレ主26/06/25(木) 09:12:17
昨日は調子にのって投稿しまくってしまったので、今日からのんびり更新します
平日は大体23時~翌9時まではss投稿はありません
よろしくお願いします
スレ立て初めてなので張り切りすぎました…
お楽しみ頂けたら嬉しいです
- 50【第二章】1226/06/25(木) 09:15:10
.
夕暮れ。帰宅するなり虎杖は旅の用意を始める。誰かと通話しながら数日京都を離れる旨を通達
虎杖「五条先生については、大家さんに任せることにした。憂憂の烏で様子も見てもらうし、大丈夫だと思う。……うん、うん……呪霊関係は宮國に回して。宇佐美はカレンダー通り、シムリア側と擦り合わせ。……うん、じゃ、それで頼む」
旅行者向けの大容量リュックのファスナー閉じた虎杖、通話を終える
虎杖「よっしゃ、根回し完了。宿儺、そっち大丈夫そ?」
買い物の終盤に虎杖に買い与えられた、深緋ラインが入った中型の黒リュックサックに着替えを詰める宿儺、片手を挙げて応じる - 51二次元好きの匿名さん26/06/25(木) 14:03:20
- 52スレ主26/06/25(木) 16:01:46
お楽しみ頂けて嬉しいです!
モジュロという、原作の先の世界が存在するのが嬉しいし想像も湧くので、「こんな話もあってもいいよね?」と考えながら書いてます
虎杖は、無視してるのにずっと連絡寄越してくれた東堂には絶対、直接挨拶に行ってると思うんですよ
「この一撃で許そうブラザー!(嬉し涙ドバー」でさっぱり切り替えられる友情って良いですよね
- 53【第二章】1326/06/25(木) 16:03:51
相手が準一級レベルとのことで、研修を兼ねて宿儺も連れていくと虎杖が独断。現在の呪術界隈についてもっと知りたかった宿儺も、夢と違い同行できるようになって内心安堵
今まで『母』と二人生きてきた間感じたことが無かった感情。夢を見てからずっと宿儺の心に留まっている
これは一体なんだ?
考えても分からないから、準備に集中する
ベッドの上で準備をする二人を見渡す留守番決定の五条、愚図ることもなくニコニコ。どうせ連れられてもお荷物と自覚しているし、興味を持った大家と遊べるのが楽しみ
大体の準備が終わったところで、虎杖から宿儺へルート案内が寄越される - 54【第二章】1426/06/25(木) 19:38:37
“東海道新幹線で岡山駅まで行き、在来線に乗り換えて終点までの乗り換え一回三時間以内ルート 一名につき一万円”
宿儺「在来線は未だにディーゼル、と書いてある。つまり賑やかが過ぎるということか?」
虎杖「しかも走ってる本数が少ないから、時間によっては確実に通勤通学ラッシュに突っ込みます」
宿儺「窮屈で寝るに寝られんぞ……」
虎杖「俺的には出費が……もっと頑張って稼ごう……」
宿儺「貴様、特級ではないのか」
虎杖「何年もサボってたツケがね……生活もあるし。まぁでも、落ち込んでる場合じゃないか。金で時間買えるなら、必要な出費!」
五条「ぅーに、んーぱ!」
虎杖「ん! じーちゃん頑張るぞ!」
宿儺「そのコロンビアは必要だったのか」
虎杖「なんでコロンビアネタ知ってんの?!」 - 55【第二章】1526/06/25(木) 20:13:39
宿儺「ちなみに、他の提案はあったのか」
虎杖「あったよ。“在来線と徒歩を駆使し乗り換え七回五時間強ルート、一名につき四千円以下”」
宿儺「余程上手く動かなければ更に時間が嵩むものではないか」
虎杖「歩くのも十分とかそこら、かかるらしい」
宿儺「嫌過ぎる」
虎杖「もしこっちを選んでたら宿儺様抱っこの刑でした」
宿儺「ふざけているのか」
虎杖「お前が疲れたら俺が担いで走ってたわ」
宿儺「ど畜生」
虎杖「そんなに嫌がらんでも……すっくん酷いねー」
五条「ねー」
宿儺「大男がそれなりに上背のある男を抱えて疾走する姿を目撃させられた側の身にもなってみろ……気の毒に」 - 56【第二章】1626/06/25(木) 20:24:49
虎杖「よっしゃ、じゃあ明日も気合入れれるように、寝ますか!」
五条「あい!」
虎杖「宿儺ー壁側に詰めてなー。俺落ちる側に転がるから」
宿儺「落ちることを前提にするな。……押すな! 自分で歩く! っ投げるな! 赤子を丁重に扱えと言った当人が五条悟を投げるな! ぬるっと入ってくるな! 人のツッコミで喜ぶな! 貴様も笑うな! 揃って引っ付いてくるな! 服が伸びる掴むな!」 - 57第二章 閑話1-126/06/25(木) 22:10:25
【冒頭で宿儺が見た夢】
「来なくていい。今のお前じゃ、ただの足手纏いだ」
至極当然の言葉に、黙るしかなかった。同行したくて声をかけたわけではない、だが、何も言えなかった。
五条悟に服を掴まれ、己が妙な口の歪ませ方をしていると自覚させられた。腕の中の五条悟との留守番が決定濃厚に。
大家を玄関まで見送り、小僧は即座に旅の用意を始めた。誰かと通話しながら、数日京都を離れる旨を通達している。
「宿儺と五条先生については、大家さんと面通し済ませたから、そっちに任せることにした。憂憂の烏で様子見もしてもらうし、大丈夫だと思う。……うん、うん……呪霊関係は宮國に回して。宇佐美はカレンダー通り、シムリア側と擦り合わせ。……うん、じゃ、それで頼む」
旅行者向けの大容量リュックのファスナーを閉じた小僧は、通話を終えるなり、俺たちを一応振り返って、手を振って、呆気なく出て行く。窓の外で烏が一羽飛び立つ。もう一羽は俺たちを見張るため、残ったらしい。
取り残された。不安そうで、でも満腹で眠気に勝てない五条悟が舟を漕ぎ始める。赤ん坊を起こすわけにいかず、結局椅子に座った。 - 58第二章 閑話1-226/06/25(木) 22:17:27
必要最低限の家電以外何もない部屋。低い電子音以外しない場を見渡して、ついに自嘲した。
「独りには慣れているだろうが」
『母』も生活のために昼夜駆け回っていたことを、急に思い出した。“家”の中、独りの狭い部屋が、俺の唯一の“世界”だった。それでも『母』からは愛されていた。それは覚えている。
ここはあの“世界”より広いが、安寧を覚える“家”ではない。知らない空間に、緊張で手に力が入ってしまう。今生にておそらく、初めて懐いた“不安”。
寂しい。寂しい。寂しい?
「―― 寂しい?」
声に出してしまった途端、耳に届いていた五条悟の寝息も、電子音も、環境音も、すべて消え去った。
時計を見て。冷蔵庫を見て。シンク台を見て。手の中の五条悟を見て。顔を上げた先の玄関を見て。
額をテーブルに突いて、床を見る。怒りに似た感情が、腹まで落ちて、まるで凍っていくような。
「……こぞう……」
寄る辺無き己が、まるで ―― - 59スレ主26/06/25(木) 23:00:13
- 60スレ主26/06/25(木) 23:02:07
- 61スレ主26/06/25(木) 23:03:49
こっちも?まじで?
【三つ目の戦闘描写は書くべきか?】
dice1d2=1 (1)
1.書く
2.書かない
- 62スレ主26/06/25(木) 23:05:56
そっかー……
【ラストダンス】
dice1d2=2 (2)
1.書く
2.書かない
- 63スレ主26/06/25(木) 23:09:20
やったぜ。
- 64二次元好きの匿名さん26/06/25(木) 23:35:31
3回は戦闘あるのん?
楽しみ - 65二次元好きの匿名さん26/06/26(金) 01:08:46
ダイス君バトル好きすぎィ!!
- 66二次元好きの匿名さん26/06/26(金) 05:54:04
宿儺が赤子を抱いてる姿も小僧の保護下にある状態も両方見れるとはなんてお得なスレなんだ…
ここまで一気読みしましためちゃくちゃ面白いです
今生で確かに愛されて育ったが大部分を忘れてしまった記憶と前世の記憶を持った状態っていう精神はほぼ前世だけど感覚的にはもう人間初心者でもない塩梅が無限に味する - 67スレ主26/06/26(金) 09:15:17
- 68【第二章】1726/06/26(金) 09:20:13
早朝。扉を開けるなり、「ババアのお節介でしてよ!」と封筒と風呂敷を寄越され、男二人は並んで困惑した
虎杖「……これは?」
大家「封筒はお金、現ナマ失礼、釣りはいらねぇ とっときな! お弁当は味ランダム握り飯五個ずつです」
宿儺「……は?」
大家「終点までついたら、駅から道路に出たら北正面の大橋まで行く。あとは地図案内なんかを使って、この住所まで向かって頂戴。大体三十分あれば着くはず。鍵はこれ。家の建付けが非常に悪くなっているので、窓は開けられるものだけ開放よろしく」
宿儺「待て、話が見えん」
大家「退出時にブレーカーの大元を落とすのと、ガスの元栓、水道の蛇口全てを締めてくれれば大丈夫です。……あとは分かるな?」
渡されたルーズリーフに書かれた一軒家の住所と、大まかながらもおそらく正確だろうと判る手描きの地図。大家の案内。そして最初の手荷物
揃って大家を見ると、早く五条を寄越せ、と手をわきわきしている。つまり、滞在先の提供までしてくれるらしい
虎杖「作った米飴が鍋に残ってるから、それ食べさせてください。生後一年は経ってるらしいんで、他のモノも大丈夫かと」
大家「そりゃ良ござんした。……さあさあ、もう出ないと、列車の時間が過ぎちまいますぜ、旦那がた」
これだけ賑やかにしているのに起きない五条の図太さを感心しつつ、ありがたく諸々を受け取った - 69【第二章】1826/06/26(金) 09:32:11
宿儺「……いただきます」
虎杖「葛羽さん、五条先生お願いします」
大家「あいよ了~解♪ 気をつけて~」
虎杖「大家さんって、年代的に日車や高羽くらいの人なんだけどさ。でもあの二人、大家さんがかましてくるネタ系の会話はしてなかったんだよなぁ。どっちも悪乗りするときは結構踏み込んでたけど、系統が違うっていうか……」
宿儺「見ていた世界が違ったのではないか? 大家の側はアングラやサブカルの色が強い」
虎杖「あーなるほど。そういう話題は冥冥さんのが強かったかも」
無事乗り込んだ新幹線の指定席。自由席車両に比べれば少ないがそこそこ賑わう空間、二列側の座席に並んで落ち着き、話題の“変わり者”が作った握り飯を食みながら、雑談に花を咲かせる - 70【第二章】1926/06/26(金) 15:09:23
茶を飲み、互いに落ち着いたところで、話題は目的地の呪術師の件へ
虎杖「まずは『窓』さんに会ってみるか。岡北 右譲(こうほく うじょう)さん。地元唯一の私立大学に通ってるってさ。連絡取ればすぐの距離だって」
宿儺「と言いながら、いざ家に着いたら術師のほうが玄関前に立っている」
虎杖「フラグ立てるのやめてもろて」
宿儺「何なら二人ともが駅前で立っている」
虎杖「何ソレ怖い怖い怖い」
宿儺「己で言って鳥肌が……」
虎杖「何で言っちゃったんですか宿儺様」
捲った袖の下を見せながら、皮膚を擦る宿儺 - 71二次元好きの匿名さん26/06/26(金) 17:13:31
旅路で雑談に花を咲かせる二人…良いな
- 72【第二章】2026/06/26(金) 19:41:44
虎杖「……ん? 大家さんからメッセ?」
端末を操作する虎杖。宿儺も横から覗き込む。外は雲が増えてきたが、晴れの範疇
虎杖「おー、宅配が再配達だって。受け取りヨロシクってさ」
宿儺「……住んではおらん家に、一体誰が、何を送るのだ?」
虎杖「……言われてみれば確かに。うわ、急に怖くなってきた」
新幹線は無事に岡山駅へ。乗り換えのため、急ぎ足で目的の路線に移る
国鉄時代の超旧式車両をいまだに使う路線であり、鉄道ファンにはそこそこ有名な気動車が眼前に現れる。降車する通勤通学勢を見送って、虎杖はすぐさま座席を確保した
虎杖「ぅお、せっま」
宿儺「だが、我々だけの席だな」
虎杖「そうね。俺らには狭いけど。……あ、いいよ、気にせんで」
まさか二人掛席があるとは思わなかった虎杖、本能的にそこへ滑り込んでしまったらしい。席が回転しないために進行方向とは逆向き
大リュックを脚の間に挟んで狭そうな虎杖。中リュックを抱えるだけの宿儺、少し座り位置をずらす。気にするなとは言ったが、虎杖ちょっと嬉しい
虎杖「……んふふ」
宿儺「何だ」
虎杖「お前を育ててくれたお袋さん、良い人だったのが分かるなって」
宿儺「……? 俺との生活のために昼夜駆け回っていたのは思い出したが……人格まではまだ朧気だ」
虎杖「そっか」
動き出す気動車。窓の景色が後ろから流れ去って行く。ここからおよそ二時間、騒音の走行に身を委ねることになる - 73【第二章】2126/06/26(金) 20:44:39
.
改札を抜けて、大家の案内通り橋まで出て、目印となる建物に向かい進む
虎杖「いや~エンジン五月蝿かった席狭かった!」
宿儺「場所を替わると言ったのに聞かなかった貴様が悪い」
川沿いに歩けば、人通りが極端に減る。車社会の田舎なので、車両にはたくさん追い越されていく
入り組んだ路に入って、急な坂を上がっていけば、頂上に着くころには眼下へ目的の家屋が見えた
虎杖「あれだ。……おおー、ぽつんと一軒家」
委棄された田畑果樹園の荒れた有様の中、平成前後に建てられたであろう二階建てだけは綺麗に保たれていた
簡素な門扉を開けて玄関に到ると、預かった鍵で開錠する。重い扉を開けて一番の感想は、 - 74【第二章】2226/06/26(金) 20:50:09
宿儺「蜘蛛の巣!」
虎杖「大ムカデ!」
敷居を跨いで扉を急いで閉めるなり、虎杖が二十センチあるムカデを退治する。蜘蛛の巣は下駄箱横にあった短い箒で宿儺が掃っていく
窓は閉まっているのに風が流れているのは隙間風。下駄箱内の綺麗なスリッパを履いてから、二人は害虫駆除を進めつつ入場
中は蜘蛛の巣の量は少ない。虫のガラはそこかしこに
虎杖「掃除! します! っ言った傍からゲジゲジ降ってくんな!」
宿儺「ブレーカー上げてくる。灯りが欲しい」
虎杖「そっちヨロシク! 俺は虫どうにかすっから! ……にぎゃあああ特大軍曹おおおおお!」
宿儺「小僧!?」
掃除は日が沈みかけるまで続いた - 75【第二章】2326/06/26(金) 21:48:50
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宅配物を受け取った宿儺。扉を閉め、虫の処理に追われたグロッキーな虎杖のところへ戻る
虎杖が歩く先から生き物の気配が消えていたこと、宿儺は気付いていた。家の中の虫も現れた虎杖にパニック起こして右往左往していただけとも。宿儺、一昨日の話を思い出して複雑。かつての自分より『呪い』になった虎杖をまざまざと見せ付けられた
虎杖は自身の外部に与える影響をいまだ宿儺に言わないし、宿儺もぼんやりと察しているので問わない
宿儺「小僧、常温便だったが、中身は菓子だそうだ」
虎杖「……えー? 食べ物? 対処聞くわ、ちょっと待って」
崩れ座っていた椅子に腰掛けなおす虎杖。大家に直接電話
虎杖「葛羽さーん、荷物受け取ったよ。中身、お菓子ってあるんだけど……はー、親戚の人が毎年間違えてこっちに送っちゃうのか。うん、分かった、じゃあ遠慮なく食べちゃうな」 - 76【第二章】2426/06/26(金) 23:09:41
(TVが地震情報に切り替わってビックリして投稿ボタン押し忘れてましたご覧頂いてます皆様台風も来てます雨も凄いですお気をつけくださいませ)
通話を終えた虎杖の反応を見て、荷を解く宿儺。ダンボール箱から取り出した紙箱の文字を読む
宿儺「バターケーキの長崎堂?」
虎杖「広島の老舗の専門店じゃん! ラッキー、食おう食おう!」
宿儺「知っているのか」
虎杖「高専所属だった時、差し入れで一回食っただけだけどな~。コーヒー淹れるな! 苦いのと甘いの、どっちにする?」
宿儺「ブラックは好かん」
インスタントのスティックコーヒーに湯を注ぎ、砂糖の入っていないカフェオレが出される。ケーキはしっかり八等分。包丁で器用に掬い皿に移す虎杖。食器棚からフォークを出して「はいどうぞ」。甘さで腹を膨らませるのもたまにはいいかと、夕飯代わりに三切れずつ - 77二次元好きの匿名さん26/06/27(土) 07:52:38
保守
- 78スレ主26/06/27(土) 13:58:13
- 79【第二章】2526/06/27(土) 14:26:58
さすがにもう食べられない宿儺。残りは虎杖の腹の中へ。甘くないカフェオレ啜りながら、目の端に壁を走る軍曹を宿儺は見るが、虎杖が気付いてないから見なかったことにする
虎杖「満腹より満足のが勝っちゃって、さすがにもう食えねえわ」
宿儺「そうだな、しばらくケーキはいい」
虎杖「同感。……さて、明日は氏神さんに挨拶行こうか」
端末で地図を開くと、確かに神社が。しかも、宿儺的にはあまり気が進まない名前
宿儺「天満宮……菅原か」 - 80【第二章】2626/06/27(土) 14:33:34
虎杖「あ、天神様なの。五条家関係のところね。旧加茂家も、陰陽師周りで関わりあったっけな」
宿儺「旧」
虎杖「禪院家と加茂家はもう無いから旧扱いになってる。御三家で残ってるのは五条家だけ」
宿儺「時代は変わるものだな」
虎杖「方丈記の最初みたいにね」
宿儺「方丈記……伏黒恵の記憶にもあったな」
虎杖「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖(すみか)と、又かくのごとし」
もともと国語が得意な虎杖、自身の“身体”に関する解決を探していた間、書籍もたくさん読み漁った
人の一生から外れてしまった虎杖に、宿儺返す言葉出ない。何か反応が欲しかったわけじゃない虎杖もコーヒー啜って話を終わらせる
虎杖「シャワーして、寝るか」
宿儺「……ああ」
お先どうぞ~、と促されて立ち上がる宿儺。中リュック持って脱衣所へ
振り返った虎杖は食器洗い。大きいはずの小さな背中見て、宿儺何ともいえない - 81二次元好きの匿名さん26/06/27(土) 17:13:10
踏み入れない感じ…切なくて好き
- 82二次元好きの匿名さん26/06/27(土) 17:43:44
- 83第二章 閑話2-126/06/27(土) 20:06:40
【大家への警告、大家からの警告】
(※オリキャラしか出ねえ!)
たくさん散歩したくさん食べてたくさん遊んだ五条を寝かしつけて、葛羽がようやく家事を始めたそのとき、端末へ通知が入る。
『葛羽さん、不味いことんなったっ』
『窓』―― 岡北 右譲(こうほく うじょう)の切羽詰った声に、葛羽は水道を止めた。
五条を起こさないよう、声を潜めて応じる。
『あの人、どっか行ってしもうた!』
「行き先の検討」
『ない!』
「虎杖悠仁が来た話」
『……したかもしれん』
もともと現代最強に用があったのは、右譲ではなく準一級呪術師の側だった。『窓』である右譲が中継ぎをする予定が、直接本人が出向いた可能性が出てきた。
「あんたは今日はもう寝ぇ。悠仁くんにはワシがメッセ入れとくけん」
『あーもー、どねえしょう!』
「気にしてもしゃーねぇじゃろうが。成るようにしか成らんわい。とにかく寝ぇ」
指示を出し、通話を切る。混乱した者を下手に行動させれば、悪いほうにしか転ばない。端末に文章を打ち込み、虎杖に送信した直後、別の通知が入る。 - 84第二章 閑話2-226/06/27(土) 20:13:10
非通知。おそらく奴だな、と出れば、案の定の相手だ。
「右譲困らせて何がしてぇんじゃおどれ」
『相変わらずきっつい人だなぁ。防御特化で口撃しかできないからって、言い方ってもんがあるでしょうに。……虎杖悠仁に直接頼みに行こうと』
「ワシか右譲通せぇや、あん人に迷惑かけんな」
『無理だよ。俺にはもう時間が無いんだ。じゃ、せいぜいお元気で』
のらりくらりと軽い口調の男が、最後に鋭く言い放ち、一方的に通話を切った。
「何しとんならや、あん阿呆」
白紙にメモを書き上げ、五条を起こさないよう窓を開ける。外に居座る二羽の烏を確認して、葛羽はその場で筆記文を烏に読ませた。“眼”越しに操術者へ通達をするなり、一羽がベランダを飛び立つ。見送る葛羽は、曇り始めた夜空を見上げた。
虎杖には“呪詛師になるかもしれない相手”と伝えたが、本当は直接本人から相談させたかった。しかし、その本人が「時間が無い」と言う。上層部へ黙っておく段階は過ぎた。奴の正体を今まで隠していた独断の咎は、当然受ける覚悟だ。
準一級呪術師、尾野石 雄介(おのいし ゆうすけ)は応永六年、羂索に実験体として蠱毒を飲まされ現在まで密かに生き延びた半呪霊で、蠱毒を抑え込む力が弱まっていることを悟り、自らを“処理”してもらうべく特級呪術師を求めた存在である。 - 85スレ主26/06/27(土) 20:33:36
- 86【第二章】2726/06/27(土) 22:14:05
宿儺が目覚めた時、虎杖の姿はなかった
宿儺「小僧……?」
目前で停まっていた、昨日から屋内を徘徊していた軍曹がダイニングへ進むのを、目で追う宿儺。テーブルの上には宿儺用に買っていた未開封の詰め合わせスコーン。虎杖のトーストは食べかけ。冷めたコーヒーに、まるで慌てて飛び出していったような有様
白い斑点を背負う軍曹が、キッチンカウンターを越えて東の窓の網戸に移動。外はまだ暗い。黒い雲が昇る前の太陽に照らされ不気味な色に
軍曹が止まった先の先には、昨夜渋った神社があるはず
水汲んで一気にコップを空ける。服を着替えて、財布から小銭を取って外に出、鍵をかけて向かう
宿儺「(軍曹から呪力を感じた。……菅原か? 一体どうして……? 俺に何を伝えたい?)」 - 87【第二章】2826/06/27(土) 22:26:47
下り坂で躓きかけて踏鞴を踏みつつ、十字路へ差し掛かって見つける鳥居
かつての自分なら神域には近付きもしなかった。今の身綺麗な自分ならくぐれる、と鳥居に礼をして参道を走る
本堂に近付く。鎮座する牛の石像の脇を抜けて、函に賽銭をそっと落とす。周辺に一応民家があるため、鈴は鳴らさない。拍手を打ち、目をとじる
宿儺「(菅原、此度の任務の件、貴様が俺たちを呼んだのか? なぜ? ……今の力無き俺に何を求めている?)」
親指が鼻に、人差し指が額に付くほどに、祈りに力が入る。深く問いを懐く宿儺の隣に、突然何かが立った
目を開けそちらを向くと、おかっぱ眼鏡のぽっちゃり体形の女が
ひと目で彼女が死者と理解する宿儺。神域に“穢れ”が侵入している異常に驚く - 88【第二章】2926/06/27(土) 22:44:02
宿儺に会釈をした女は、まるで生きているように、参道を鳥居へ向け戻っていく。振り返りながら歩む彼女
宿儺「(……着いて来いと?)」
案内されていると気付き、宿儺も本殿を後にする
参道の途中で左に折れ、真っ直ぐ道なりに進む幽霊。やがて現れた線路と並走する宿儺。踏切が見え、警報灯の横で停まる女。宿儺も並び立つと、川に向かって下る法面の先、砂利の広場で虎杖ともう一人が拳をぶつける姿を見つける
宿儺「(小僧……と、誰だ……?)」
もじゃもじゃ頭で長身痩躯のその者は、拳に手袋型の呪具をまとっていた。そしてそれが、もう人間ではないと、宿儺は覚る
宿儺「(呪霊……? 違う、あれは……元人間か!)」 - 89【第二章】3026/06/27(土) 23:07:20
殴られ抉られた腹部を即座に治した、縦向き三つ目の人型呪霊は、冷たい眼差しの虎杖相手に、少々劣るも食い下がっていた
特級である虎杖なら即殺技くらい持っているはず、何ならかつての己が使った『解』もできるのでは……?と疑問を持つ宿儺。使えない理由がある?
隣の女を見ると、宿儺に橋梁下を見るよう示している。覗き込むなり、橋桁付近に血まみれの女の亡骸。人型呪霊に女と繋がる呪力を感じて、喰われたと理解する宿儺
宿儺「……そうか、弔いが必要なのか」
女に問うと、丁寧に頭を下げて肯定を示す。つまり彼女が会う予定だった『窓』。呪いに転じないよう、呪力を以って“送る”必要があるということ - 90【第二章】3126/06/27(土) 23:24:01
(戦闘シーン終えるまで駆け抜けちゃいます。今日は土曜日だから!)
法面を駆け下りる宿儺、虎杖の前に飛び出す。驚き足を止めた虎杖に、
宿儺「あの女まで呪霊にするな」
虎杖「……すぐ戻る!」
女の遺体に向かって走る虎杖
宿儺、呪力も微々たる己がどこまで闘えるか。人型呪霊に指を向ける。――『解』は使えない。舌打ちする宿儺。直接触れることも敵わないから『捌』も試せない
ダブルスレッジハンマーをかわす。砂利が削れ湿った土が舞い上がる。浮き上がった砂利を掴んで投げるも、当然はたき落とされる。筋力も鍛え直しか、と自己考察
後方より飛んでくる血の刃。呪霊を牽制の苅祓は弔いを終わらせた虎杖の赤血操術。前後衛を交代し、多少手傷を負った虎杖に反転術式を使う宿儺。治療はほぼほぼ完璧に出来るが、やはり呪力がごっそり奪われる。頭が回らない。朝食抜きが災いしたか
それでも御廚子の可能性を諦められない宿儺、虎杖が呪霊と組み手争いに縺れ込んだ隙に、呪霊に触れる - 91【第二章】3226/06/27(土) 23:41:22
現れたのは切り取り線。発動したのはまさかの、新宿で虎杖が使ったハサ御厨子
宿儺、内心で「ええー」となりながら、切れた腹から喰われた女の一部を剥がし取ることに成功。こちらは分かりやすく「ええー」となってる虎杖、すぐさま切り替えて呪霊を祓う姿勢に
虎杖が確定的に黒閃を出す情報は界隈には伝わっている。警戒する呪霊に拳を握った虎杖、防御されるも構わず呪力を打ち込む
虎杖「尾野石、ごめん」
ぶち抜かれても閉じかけた腹の穴が二度目の衝撃で広がる。上下に分断された身体。霧散した存在は人の形をまったく残さない
『窓』の冷たい身体を二人で見下ろす。霊体はもういないので無事に旅立てた模様
虎杖「……死人、出しちまった」
宿儺「そうだな」
虎杖「今生初めての仕事に泥つけて、ごめんな」
宿儺「呪術師に『死』はつきものだろう」
虎杖の心境など知らない宿儺、「連絡すべきでは?」と指摘。すぐに通信を始める虎杖が話しながらうろうろするのを放置して、宿儺は取り返した肉片を『窓』の身体に還した - 92二次元好きの匿名さん26/06/28(日) 04:08:17
おお
軍曹はギャグパートの小道具かと思ってたらしっかり役割があった
上手いなー!
カラスにメモを見せて通達するのも面白いわ - 93二次元好きの匿名さん26/06/28(日) 09:38:02
- 94スレ主26/06/28(日) 10:52:00
- 95第二章 閑話3-126/06/28(日) 11:00:57
【釘崎への通信記録】
あー釘崎? この間ぶり~。他から聞いてると思うけど、明日の晩、京都戻るわ~。お土産こっちの銘菓でいい?
……急に溜め息やめろよ。“空元気すんな”って……いや俺も大人ですしぃ? ちょっとは作るよ。あ、失踪歴については突っつかないで、お願いお願い。
なぁ、八十八橋のこと、覚えてる? うん、そうそう。今回、あの時の痛み、思い出してさ。……うん、宿儺の話。
俺さ、初日にあいつ連れて帰ったあと、寝顔見て、ちょっと“希望”持ってたんだわ。十五年間、『呪い』じゃなく人として、ちゃんと生きてきたわけじゃん。記憶取り戻したあとも、口は悪いけどずっと穏やかで。汚させたくねーなって。護ってやりてぇなって。
でも、今回さ……『窓』さんが。掃除とかしてる暇あったなら、連絡取って会いに行きゃ、何か変わってたかもしれねえって、やりきれない。……大家さんの情報開示が中途半端だったのはそうだけど、でもさぁ……
そういや、大家さんは? ……そっか、咎無し。よかった。……何で釘崎怒ってんの。都合良過ぎる? 俺は何もしてないんですけど。……上層部が俺の機嫌取ろうとしてる? そうかな……そうかも? まぁ、あっちが良いってんなら、こっちも利用させてもらえば良いでしょ。 - 96第二章 閑話3-226/06/28(日) 11:19:52
あ、宿儺、風呂出たっぽい。うん、飯食わせて、早めに休ませるつもり。俺? 俺は片付けてから……そうじゃない?
……宿儺? 変化なしだよ。でもさぁ……やっぱ、どっか引っ掛かってるように見えるんだわ。目付き戻んねーの。険しいっていうの? 出かける時とは違う顔してる。
呪術師に『死』はつきものだろうって言われて、俺、何も返せなかった。悔しいな、こういう時にかけるべき言葉、分かんねえわ。ナナミンならどう言ってたかな……
せめて、俺が片付けるまで、借宿で寝ててほしかったなって。そしたら見せなくて済んだのに。なんで来ちゃったんだろ。……虫の知らせ? 確かに家ん中、虫だらけだったけど……ぇえ? 俺が見逃してる情報がある? 妙なモノがいたはず? うーん……?
うわっ、何、急に何?! んあーーー、はい、はい、そんな怒らんでください、はい、……え、俺やるんスか? 口ごたえすんな、やれ? そんでちゃんと話せ? あ、はい、とにかく頑張ります、はい、お休みなさい、はい、はい……切られた……
釘崎、最後の、ほんとにやらなきゃ駄目……? - 97【第二章】3326/06/28(日) 14:33:55
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元人間の呪霊と『窓』の件で一日中警察に拘束されていた宿儺、飯も夜まで食えずじまいで今日はもう無理動けない
敷かれた布団に転がる。目線の先には午後十時を示す丸い時計。の後ろに居座る軍曹の脚チラ見え
宿儺「(結局こいつは何だったんだ)」
神社に導かれたあと、帰宅後には軍曹はひたすら隠れているだけ。虎杖が見つけたら騒ぐからと、宿儺は報告してない。他の益虫害虫と違い虎杖から逃げないから、何かしらがあるとは思っている - 98【第二章】3426/06/28(日) 14:47:35
目を閉じる宿儺。御厨子使えたはいいがハサ御厨子だし、反転術式は一回使えばすぐへたばるしで内心悲しくなる。今日は調子が良かったから連続して術式使えたと自己評価控え目
それより虎杖が酷い顔をしていたことが気になる。泣いてはいなかったが、何十年経っても、誰かが死ぬことに慣れていない。慣れることはない
宿儺「(あやつには、しんどいだろうな)」
それでいて、一度は起こる物事全部見限ってからの失踪実績あるとか、ふざけてんのか、とか考える宿儺
足音で虎杖が風呂から出たと知る。このまま目を閉じて眠りの体勢でいようと宿儺は横向いて身体を伸ばす
瞼の裏から灯りが消えるのが分かる。暗闇。空気が動く気配。そういえば虎杖は己が使う布団を用意してなかったな、とか思っていたら、宿儺の布団に入ってくる身体
宿儺を正面から抱き締める虎杖。すわ、事案か?! 固まる宿儺、動くタイミング逃してそのまま寝たふり継続
虎杖「添い寝しろとかさぁ……起きたら怒られんだろ……明けたら先に起きよ」
かろうじて聴こえる声量でボヤいている虎杖。腕枕した側の手で髪撫でつつ、もう一方の手で宿儺の背中さする。誰かに何かしらを言われて実行していると理解して、宿儺はされるがままに身を置く
温かい腕の中で静かにしていれば、虎杖は眠気で口も手も緩慢にしていく - 99【第二章】3526/06/28(日) 19:18:49
虎杖「俺とは一緒には生きてやらねえって言ってたのに、付き合わせてごめんな」
“前”の最期を持ち出されて、一拍置いて、宿儺「は?」と顔顰める
虎杖「俺の事キライなのに、俺のとこ来てくれて、ありがとな。俺、嬉しかったよ」
虎杖は寝息を立てていた。言いたいことを一方的に言って、あっさり寝た
宿儺「(人が心配している傍で、そんな事をずっと考えていたのかコイツは。俺を引き取ると言った裏で俺がすぐ離れていくと考えていたのかコイツは。何を言ってるんだコイツは。本当に馬鹿かコイツは。そして何で腹を立てているのだ俺は)」
“前”は『呪い』として生きていたから、どう頑張ってもどこまで行っても平行線にしかならない、と振り切っただけで。本当に嫌いなら、身寄りが無くなった時、最初に存在を捜そうとは思わない。夢に見るほど同行したがった己をいっそ曝け出した方が良かったまであるかもしれない
考える内に段々イライラしてきて、思わず眼を開く宿儺。でも視界は真っ暗。抱き締められてるから当然だった
ここで下手に動けば、虎杖は普通に起きる。そしてしばし停止し、大慌てで身体を起こし後退りながら、全力で誤魔化し始め、二度と添い寝はない。それは勿体無い、と唐突に考えて、宿儺諦めモードに
イライラ解消させるため鼻呼吸で深呼吸。とにかく寝よう。仕方なく、包まれた状態でまた目を閉じる宿儺
なお、翌朝、起きた目線の先に時計裏から出てきた軍曹が壁へ鎮座してて、絶叫と共に腕の中の熟睡宿儺を放り投げて、寝起き憤怒の宿儺様から全力のポカポカ叩きを頂戴する虎杖がいる
―― 第二章 終わり - 100【第二章 裏話】126/06/28(日) 19:49:51
クトゥルフTRPG用のサイトでダイスを振って、結果『新幹線利用コース』『虎杖&宿儺 宅配受け取りイベント』『件の呪術師+窓死亡ルート』が出ました。
『新幹線利用コース』は、本文中にも書きました、在来線+徒歩コースとの二択でした。
珍道中を書きたかったかと問われると、私自身がそのコースで往来したことが無いので、何とも言いがたい……
『虎杖&宿儺 宅配受け取りイベント』、窓との接触の他、本文中の宿儺のセリフを含め、四択ありました。
宅配イベント以外は、終盤の虎杖の通話通り、窓には確実に接触できており、本文のイベントも増えていたでしょう。それこそご飯食べるシーンとかね。
『件の呪術師+窓死亡ルート』については、『オリキャラ何人死亡』『誰がお陀仏』のTRPG用ダイスと、>>59の戦闘有無ダイス結果です。個人的難題(戦闘シーン)をクリアしたぞ。あと二つあるぞ……gkbr
大家さんは生存なので、今後も出ます。
実は当初は、地の文も閑話みたくきちんとした形で書いて、A5 or 文庫サイズ同人誌として出そうと思ってた、のは内緒。文量が掲示板で読んでもらう長さじゃないのはソレのせい。
第三章はやっとモジュロ組出ます! やったーキャラエミュわからーん! そして戦闘も待っている! 苦行!
- 101【第二章 裏話】226/06/28(日) 19:52:38
以下、出したり出さなかったりしたオリキャラ設定を置いておきます。
青磁 葛羽(せいじ くずは):虎杖たちが仮住まいにしてるアパートの大家103歳。元3級術師の現『窓』のため宿儺や五条のことも、今の事情も知ってる。諸々の事情があって、偽名を使っている
尾野石 雄介(おのいし ゆうすけ):準一級術師。もじゃもじゃ頭で長身痩躯。拳を手袋型呪具で覆って、拳で闘うフィジカルタイプ
実は1399年(応永六年)に羂索に実験体として蠱毒を飲まされ一度は死んだものの、なんやかんやがあって奇跡的に生き延びた。改名を繰り返して今まで隠れ暮らしてきた半呪霊。親に貰った本名はもう覚えていない
蠱毒を抑え込む力が弱まっていることを悟り、同類とみなした虎杖に正体を明かすはずだった。最期は縦向き三つ目の呪霊になって、虎杖と闘い祓われる
岡北 右譲(こうほく うじょう):『窓』。男の孫が欲しかった祖父母にご大層な名前をつけられてしまった女子大生。おかっぱ眼鏡のぽっちゃり
尾野石の正体を知っており、もし彼が呪霊に転じたら祓ってくれと虎杖に直接頼むはずだった
呪霊となった尾野石に喰い殺される。呪力を持つため遺体は最終的に総監部へ運ばれ、きちんと処理された
アシダカ軍曹:虎杖の掌くらいはある蜘蛛。たぶん天神様のお遣いで“ちょっと両面宿儺の様子見てきて、何なら手助けしてやって”って借り出されてたかもしれないでっかい益虫。宿儺と虎杖の反応が楽しくて居座っている - 102【第三章】126/06/28(日) 22:43:54
虎杖「明日は真剣と……この前会った乙骨先輩の孫と、シムリア人のマルルと、東京で報告のあった呪霊の様子見に行くんだけど、宿儺も来る?」
京都に戻って三日。朝食中、五条に米飴を食べさせる虎杖からお誘い
宿儺「“見学”か」
虎杖「うん。この前の件で直接見たけど、お前、あんまり動けてなかっただろ? 技の勘取り戻すより、まずは体作りからして欲しいし、その点だと、フィジカルギフテッドの真剣は参考になると思う」
宿儺「あの子供は、優秀なのか」
虎杖「優秀よー。マルルとサシで戦って、一時は優勢取ってたレベル」
先日聞きそびれた宿儺への返答も交えて話す虎杖 - 103【第三章】226/06/28(日) 23:01:27
宿儺「いっとき?」
虎杖「友達死なせたくないマルルが負けかけて一転、急に戦う気になって術式使った結果、最終的に負けたらしいから」
宿儺「あれの術式は『調和』と言っていたが、それでどう引っ繰り返した」
虎杖「マルルの術式は『調和』と『混沌』。二つ持ち。戦う環境をさ、概念系で滅茶苦茶にされるっぽいよ。文字通り天地が引っ繰り返るんだって。そんなん、俺も相手したくねえや」
ふごふごしながらも会話に興味津々な五条。“前”なら確実に「使ってみせて~」と当人へ絡みに行っていた
宿儺「実力者が揃うなら、足手纏いが一人増えたところで問題ないか」
虎杖「自虐は辞めてもらって?」
宿儺「事実を言っただけだが?」
箸を置く。苦い顔をする虎杖を、淹れたての青柳を啜りながら見返す宿儺 - 104二次元好きの匿名さん26/06/29(月) 07:45:20
保守保守
- 105【第三章】326/06/29(月) 09:10:44
珍しく五条から服を引っ張る
虎杖「ん? どったの先生」
五条「ぅーに、ぅーに、……ぃう!」
主張を始める五条。瞬く虎杖、五条が何を言っているか理解して、首を横に振る
虎杖「俺が呼ばれてる時点で一級以上の案件だって、先生も分かってるでしょ。連れてけないよ」
五条「ぃう! やー、ぃう!」
虎杖「先生、ワガママ言わないで。危ないからさ」
五条「やー!」
両手を挙げた五条の様子を見ていた宿儺、突然自爆テロに巻き込まれた日のことを思い出す。五条が両手を挙げた。つまり、
宿儺「使うな!」
五条「はぅ?!」
声を荒げた宿儺に驚いた五条、挙げた両手を思わずグーに - 106【第三章】426/06/29(月) 09:28:27
同じく驚いた虎杖、二人の反応見て、ひと呼吸置いて、「あーなるほど」と目元を覆う
虎杖「ちょっとー『赫』は駄目よ先生ー」
五条「ぁうう」
行き場をなくした両手をにぎにぎする五条、涙こぼしそうな悲しそうな顔に
虎杖「中身はおじさんだけど、でも赤ちゃんなんだよなぁ……化け物みたいな呪力量だけど……」
頭を掻く虎杖を見て、宿儺溜め息。まぁ小僧はやっぱりそうするよな、と思い至る
虎杖「宿儺」
宿儺「よかろう」
虎杖「はえーよ、まだ何も言ってねえ」 - 107第三章 閑話126/06/29(月) 09:47:54
【アレが欲しい】
宿儺「ところで小僧、アレはないのか」
虎杖「アレって?」
宿儺「高専生の時に付けていたアレだ」
虎杖「筋トレの時に着てた加圧シャツ?」
宿儺「下」
虎杖「ああ、トレンカね。そういや最近は意識してもなかったな。何、欲しいの?」
宿儺「靴下だと収まりが悪い……ここ数日、特に感じる」
虎杖「俺と筋トレするようになってからか。そっかー、じゃあ買ってくるわ」
宿儺「いや、すぐに欲しいというわけでは……もう居らん!?」 - 108第三章 閑話2-126/06/29(月) 15:26:24
【そういえば、聞いておきたい】
虎杖「宿儺、お前、呪物のなり方って、分かる?」
食後の片付け中、皿をスポンジで撫でる虎杖が問う。水で泡を落とす隣の宿儺は怪訝な表情。
宿儺「なぜ知りたい」
虎杖「や、俺、あと三百年くらい生きるじゃん? そのあと、もし何かあったときのために、呪物になろうと」
宿儺「……はぁ!?」
水を止めて、半眼で虎杖を見上げる宿儺。
宿儺「自己犠牲もここまでくると国宝級だな。褒めてはおらんぞ」
虎杖「先制やめてもらって。……だってさ、宇宙人きちゃったんだぜ? 今後も何かあって、でも人間に呪力ない状態で太刀打ちできなかったら、困るじゃん? その時の対抗手段とか考えたら、呪具とか書物とかもあるけど、やっぱ実際に戦える存在がいたほうが良いと思ったわけで」
虎杖の言い分を聞いて、宿儺は盛大に溜め息を吐く。 - 109第三章 閑話2-226/06/29(月) 20:16:28
宿儺「算段を組んでいたところに、かつて呪物として時を渡った俺が現れたと」
虎杖「ズルしてるみたいでアレなんだけど、成り方教えて欲しいなーって。……だめ?」
宿儺「途轍もなく気がすすまん」
虎杖「そこを何とか~」
使用済みのスポンジを置いて、両手で拝む虎杖。凄く嫌そうな顔の宿儺は、また溜め息を吐いて、水遊びを再開する。
宿儺「俺は真似ていただけで、正確な手段は羂索にしか分からん。少ない情報だけでもよいなら、まぁ、話してやらんこともない」
虎杖「マジで?! ありがと宿儺~」
こちらも流しに加わる虎杖。未来への課題がひとつ解消されると、にこにこ上機嫌で鼻歌も混じらせている。
宿儺「やれやれ……何度も言わんぞ、」
虎杖「おう!」 - 110第三章 閑話2-326/06/29(月) 20:22:18
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- 111第三章 閑話2-426/06/29(月) 20:36:16
意識を取り戻した宿儺は、自分がベッドに寝かされていると知るなり、上体を飛び起こした。
虎杖「……生きてた~!! よかった……!」
五条「しゅうぁああああ!」
声の主たちが諸手を挙げて喜ぶ様子に、己が倒れたことを理解する。
宿儺「……どういうことだ?」
虎杖「呪物の成り方言い始めた瞬間から、謎言語唱えだして、そんでぶっ倒れたんだよ。ちょっとだけど、息も止まっててさぁ……焦ったー」
五条「ううー、しゅうぁ~」
虎杖の腕の中から宿儺に両紅葉を伸ばす五条。両手で握り返してやりつつ、宿儺も首を傾げる。
宿儺「言ってはならん縛りでも掛かっておったか……?」
虎杖「そうかもな。……はー、やっぱズルはダメってことか。お前の負担になるなら、自力でなんとかするわ」
宿儺「そうしてくれ?」
虎杖「なにゆえ疑問形」 - 112スレ主26/06/29(月) 20:48:11
ちょいと第四章の件をダイスさんに相談するべさ
【どっちが拒否る?】
dice1d2=2 (2)
1.宿儺 2.虎杖
【誰が連絡してくる?】
dice1d5=3 (3)
1.釘崎 2.東堂 3.宇佐美 4.憂花 5.憂憂
- 113【第三章】526/06/29(月) 22:33:11
翌日。新幹線と在来線と徒歩を駆使し、ひとまず高専から指定された宿泊先に荷物を預ける
合流地点に近付いた三人。虎杖は歩調を極端に遅らせて、ひとこと
虎杖「憂花もいんのか」
耳にはした名前が出て、五条を抱っこする宿儺も合わせて並ぶ
宿儺「以前にも聞いた名だな」
虎杖「乙骨先輩の孫のもう一人で……乙骨先輩が五条先生の身体使うために切った頭の傷がお前のせいだって思ってる子」
宿儺「……本当に全て俺のせいにしてくれたのか、そうかそうか」
全力で他所を向く五条。あいにく指差した先に蝶々は飛んでいない - 114【第三章】626/06/29(月) 22:53:53
虎杖「誤解を解くには、まず羂索の説明をしなきゃいけなくて。でも生き残り全員が全員、あの人の事理解できてるわけじゃなくって。そもそも釘崎はずっと寝てたから存在自体を知らないし。九十九さんなら詳しくしてくれたかなー」
宿儺「利害の一致で契約をしただけで、俺ですらアレの解説は無理だぞ。知っているのは、せいぜい天元と関わりがあったことくらいだ。脳を入れ替えて他人の肉体を乗っ取る術式なぞ、気色悪い以外の何者でもないからな。更に乗っ取った先の肉体で子作りなど、寒気がする……」
虎杖「加えて、乙骨先輩の『模倣(コピー)』の術式説明もしなきゃで、結局諦めちゃった……ごめん」
宿儺「……よい。羂索については、平安の時代から下法を使い命を繋いで来た死滅回游の元凶だ、とでも言えば、あとは何とかなるだろう。乙骨憂太については……俺も知らんぞ」
虎杖「羂索が俺のかーちゃんの身体乗っ取って俺産んだ的な話は、」
宿儺「するな。振りではないぞ。するな。一層面倒臭いことになるからするな。するなよ。九相図兄の話もするな。絶対するなよ」
親友の肉体を乗っ取った奴の正体情報が聞けると思ったのに一層のとんでも話を聞かされて目が点になっている人物が宿儺の腕の中に
宿儺「とりあえず、俺はその女に殴られればいいわけか」
虎杖「殴られること前提?! だめだめ、そうなったら俺が止める」 - 115スレ主26/06/29(月) 23:05:43
個人的なイメージの話
赤ちゃん五条は最初、おっこちシリーズの逆さまな五条をイメージしてたんですが
GiGOのたい焼きコラボの、たい焼きの被り物してる五条がドストライクでピンポイントでした
今後はアレを抱っこした虎杖や宿儺や釘崎や憂花を想像して勝手に萌えます - 116二次元好きの匿名さん26/06/29(月) 23:39:48
添い寝でニヤニヤしてしまったが気を引き締めて真面目に読んでる
- 117スレ主26/06/30(火) 09:02:57
- 118【第三章】726/06/30(火) 09:11:21
角を曲がって、小路に入る
虎杖「で、憂花の話に戻るんだけど。現代の十種影法術使いです。去年、魔虚羅呼んだのも、憂花」
宿儺「先日の問いへの回答か」
虎杖「うん。今、十種は禁術に指定されてるんだけど、命をかけた縛りで召喚した。そのあと諸々があって憂花は生きてるものの、禁術指定は解かれてなくて」
宿儺「……俺の責任か」
言外に“伏黒恵はもう居ない”事実、禁術になってる話聞いて、五条もつい虎杖を見上げる。宿儺には応えず、虎杖は続ける
虎杖「……憂花は、端的に言えば五条家側の人間になるから、そりゃあ諸々で犬猿だった禪院家側の相伝術式なんて、封じられちゃいますわなって。勿体無い話」
伏黒の十種影法術を間近で見ていた虎杖としては、式神を使い偵察や遠距離攻撃が出来る有用な術式を棄てさせるなど、という感想
虎杖「憂花、乙骨先輩みたく強くなりたいって言っててさ。乙骨先輩にはリカさんがいたじゃん。……能力顕現だけじゃなくて、式神、使わせてやりてぇなって」
最後のぼやきは宿儺の耳に残った - 119【第三章】826/06/30(火) 09:48:35
.
小路を抜けた先に、人影が三つ。一週間前に出会った男二人と、虎杖の探知通り女子一人。今日はパンダは居ない
虎杖の姿を見て両手を振るマルルの隣で、憂花が驚いて目を見開き、すぐにキッと鋭い目でずんずん歩いてくる
真剣「おい、憂花!」
兄の制止も無視して宿儺に一直線。立ち止まった宿儺の正面に立って、じっと睨む憂花。憂花見て、無意識に宿儺にぎゅうとしがみつく腕の中の五条
宿儺「初対面で値踏みをされるとは、不快だな」
なんとも無い宿儺、憂花に一言
言うなり、憂花に五条を奪われる - 120二次元好きの匿名さん26/06/30(火) 10:49:46
モジュロ組合流キタ━(゚∀゚)━!
憂花ちゃん既に喧嘩腰だ - 121スレ主26/06/30(火) 15:55:31
出したかったので出しましたよー
- 122【第三章】926/06/30(火) 16:14:21
宿儺「……何のつもりだ」
憂花「おじいちゃん達を滅茶苦茶した奴なんかに赤ちゃん渡すなんて、何考えてんの虎杖さん!」
片眉はねる宿儺を無視して虎杖に突っかかる憂花。虎杖も、憂花に鹵獲された五条もびっくりで何も言えない
虎杖「真剣」
真剣「伝えてません」
虎杖「おっけ」
憂花以外に解れば良い質疑応答を小声で交わし、虎杖は憂花に向き直る
虎杖「“悟”が、俺じゃなく宿儺が良いって、自分で抱っこを強請ったんだよ」
憂花「信用できませんっ。どうせその人が赤ちゃんに大人しくしてろって脅したんでしょ。虎杖さん、色眼鏡ですか?」
虎杖「えぇぇ……」 - 123【第三章】1026/06/30(火) 16:22:13
確かに目にはかけているものの、色眼鏡と指摘されるほどあからさまだったか?とショックな虎杖
憂花の腕の中で『これは泣き叫んで良いのでしょうか?』と困惑顔の五条。同じく困惑顔のマルル
真剣「憂花、その子すぐに返せ。宇佐美さんの耳が何日かおかしくなってた話しただろ。至近距離で泣き叫ばれたらマジで聴力やられるぞ」
憂花「兄貴もその人の肩持つんだーへぇー……待って、この子、そんな声量凄いの?」
真剣「ギャン泣き凄まじくて、俺は部屋から出てすぐ耳栓した」
なるほど、それで初日、あとから入室してきたのか。納得の宿儺
良い話題になりましたねコレ幸い、と口を開きかける五条。気付いた真剣が長田(おっ)さんの姿見た時と同じくギャー!な顔で耳を即座に塞ぐ - 124【第三章】1126/06/30(火) 16:34:49
突風
瞬きをした一瞬、呪力が動く気配がし、宿儺と虎杖、源を捜す。瞬き一つで視界外から消えた呪力。方向は判るものの、正体は謎
憂花 「……ぁああああ! 赤ちゃん! 居ない!? うそ、どこ?!!」
叫ぶ憂花。見れば、手の中の五条が居ない。空いた両手で頭抱える憂花。攫われた?!
先程の『風』を改めて追う宿儺。マルルも呪力の線が見えるかのように、第三の目で力の流れを追う
宿儺 「あっちか」
マルル「行こう!」
申し合わせたかのように駆け出す二人。虎杖と真剣も追う。置いていかれた憂花も「赤ちゃん返せー!」と追う - 125二次元好きの匿名さん26/06/30(火) 19:20:31
このレスは削除されています
- 126【第三章】1226/06/30(火) 20:07:41
.
二人の呪力探知で廃ビル内に五条の気配を見つけ出す。同時に、幾体もの呪霊の発生を認めて、驚く若者たち
憂花 「『調和』からまだ一年も経ってないでしょ!? こんなに発生するの、早くない?!」
マルル「赤ん坊の呪力に引き寄せられた?」
若者たちを後方で見て、監督官としての仕事に移る虎杖
虎杖 「俺の見立てでは、等級上限はだいたい三級だな。ただし、どんな能力を持った呪霊か、どういう攻撃をしてくるか、数はどれだけか、一切不明。そもそもこれは、今回目的としていた呪霊じゃない。さて、どうする」 - 127【第三章】1326/06/30(火) 20:21:12
憂花 「赤ちゃん助けます!」
マルル「人命優先だ、放っておけない」
虎杖 「助けるだけか?」
真剣 「呪霊もちゃんと処理します」
虎杖 「“悟”を見つけたとして、泣き喚く赤ん坊を誰が抱えて、誰が呪霊を祓う。三人で突入? 数で物を言わせる? そりゃあ良い。なら、“悟”の呪力に引き寄せられるかもしれない、外から集まってくるかもしれない呪霊については、誰が対処する?」
憂花 「……それは、虎杖さんに」
虎杖 「そうだな、俺なら余裕で祓える」
含みを持たせた言い方に、急いていた三名が一斉に止まる - 128【第三章】1426/06/30(火) 20:36:33
ビルを見上げたまま、虎杖は突き放す
虎杖「言い方を変える。これは、本来の調査目的とは異なる案件だ。イレギュラーを済ませて、本目的に向かう余力を、お前たちは残せるのか? 目的の呪霊を倒すことになったとして、その次にまたイレギュラーが出たら? 生きて帰る算段は? 戦力をここと本目的へ分散しようという思慮は? いくら魂の色を替えたからって、マルルの眼は、本当に呪霊討伐に耐えられるか?」
試す虎杖の言い分を理解した宿儺は、皆が皆必死に闘った渋谷の件を思い返した
疲弊した人間に容赦なく襲い掛かる、物を考える呪霊ども。“見える”者見えない者それぞれが、思惑を抱え、好き勝手に動き、翻弄され、死に到りさえした。皆、生きて戻るつもりだった。戻れなかった。戻さなかった中に、『呪い』の自分もいた
現代の呪術師は、あの地獄を知らない。新宿は事前に用意ができ、映像が残った。渋谷は、突発だった。情報は不確定にしか残っていない
押し黙り、目だけで様子見する子供たち。見て、宿儺は傍観者を辞めることにした - 129【第三章】1526/06/30(火) 21:42:58
ビルへ近付く。動かなくなった自動ドアから内部を覗き込む。どうやら元銀行。目の前には電気が通らなくなったATM機が四台。そして、虎杖の中から街を見ていた頃の経験が、ここで生きた
真剣「危ないぞ」
宿儺「……ここには何もおらん。それより、良いものがあるぞ」
ガラス越しに中を指差す。肩から腰へ回した刀に手をかけたまま追ってきた真剣も覗き込む
目に映る館内案内図
真剣「助かる」
宿儺「たまたまだ」
端末で地図を撮り、様子を見守る連中のところに二人で戻る。虎杖はまた後方保護者に戻ったため、四人で詰める - 130【第三章】1626/06/30(火) 22:20:16
真剣 「先が防火扉で塞がってた。目の前の空間までは大丈夫だ。館内地図もあった」
マルル「これで呪霊がいるであろう辺りの目星をつけられるな」
憂花 「中の音、何とか聞けないかしら……」
宿儺 「簡単だ。玉犬か脱兎を使えばよい」
十種を知っていると示すなり、兄妹から同時の「は?」が返ってくる
宿儺 「何だ、貴様、十種影法術を使うのではないのか。式神は破壊されない限り、好きに扱えるだろう。ふむ、この場合は、集音もできる脱兎が最適か」
憂花 「……ぃゃぃやいや! 使えないの! 使っちゃ駄目だの!」
両手を伸ばして振りながら否定する憂花。真剣が虎杖を振り返っている。「宿儺には言ったよ」と頷く虎杖
真剣「五条家から禁術に指定されてんだ。使ったことがバレたら不味い」 - 131【第三章】1726/06/30(火) 22:54:40
宿儺「それは、縛りか?」
憂花「一部の能力を引き出す形での運用は許されてる。縛りは……あったら、力自体を使わせてくれてないはず……」
宿儺「ならば使え」
憂花「いや、だから!」
宿儺「お前たちの口はそんなに軽いのか?」
言われて、目を丸くする三者
真剣 「まさか!」
マルル「内緒だな」
宿儺 「だ、そうだが」
男三人がそれぞれ口角を上げる。うー、と悩んで、憂花も腹を括った
憂花 「絶っっっ対! 黙っててよ!」
ふんすふんすとATM入り口に近付いていく憂花。腕を捲くる仕草をしてから、知識だけの影絵を作る
憂花 「……脱兎!」
ぴょんと跳ねた兎の群れは、一羽を残して、影へ飛び込み扉の向こうに消えた。残った一羽の腹には、品々物之比礼の紋様が。影の中に一羽だけ隠しておく考えはなかったため、顕現してしまったようだ - 132二次元好きの匿名さん26/07/01(水) 00:28:25
頭から一気読みしてしまった
上手い感想は語彙力が無いため言えないんだが凄い続き楽しみにしてます - 133二次元好きの匿名さん26/07/01(水) 01:06:47
憂花の脱兎!!胸熱展開!
- 134二次元好きの匿名さん26/07/01(水) 02:02:51
このレスは削除されています
- 135スレ主26/07/01(水) 09:34:52
- 136【第三章】1826/07/01(水) 09:39:11
憂花に抱えられた一羽とともに、建物から距離を取る。影越しに耳をそばだてると、しばらくしてから、中から呪霊と、赤ん坊の声
憂花 「地図見せて」
真剣 「ほら」
憂花 「悟ちゃん、一階の大ホールにいる。脱兎回収……と。とりあえず一羽だけ残した。フロアに繋がる扉は、そこの防火扉以外、全部開いてたと思う」
マルル「無事なのか?」
憂花 「……何だろう? 脱兎は近づけたんだけど、呪霊は近寄れないみたい。攫ったはいいけど、持て余してるようだし、怪我はないと思う。あ、悟ちゃん、呪霊の囲む円の真ん中で、脱兎モフり始めた……」
宿儺、虎杖を振り返る。虎杖も頷いて返す
虎杖 「五条家相伝の術式、無下限呪術だ。“無限”を現実に作り出して、周りの空間にある物の距離を自在に操る術式。五条先生、“前”はそれで雨も凌いだりしてたくらい、日常的に使いこなしてたな」
憂花 「……五条、先生……?」
伝えて、一拍置いて、途端に虎杖は片手で目元を覆った - 137【第三章】1926/07/01(水) 09:49:43
虎杖「ぁちゃー、やっちゃったー」
憂花「え、待って、悟ちゃん、あの五条悟なの?! 転生したってこと?! まさか、みんな知ってたの!?」
揃って顔を逸らす男衆
憂花「マルまで!? 酷くない!? 私なーんにも知らずに失礼なことしたんですけど!!? んもーーー! 赤ちゃん一日お泊りで預からせてもらうくらいして貰わなきゃ、私許さないからなー!」
虎杖「釘崎の制服のスカート盗んで勝手に履いちゃうようないい加減でふざけた人だったし、失礼程度なら大丈夫じゃねぇかな」
憂花「」
振り上げた腕を落とし、目を白黒させる憂花。「その情報は要らなかったなー……」と真剣も肩落としてる
虎杖「まぁ、お泊りは、先生と相談して、考えてみるわ」
憂花「言質! 取りましたからねっ!」 - 138【第三章】2026/07/01(水) 15:05:37
子供たちの後ろから館内地図を覗き見る虎杖。虎杖が地図を見る様子を察して、宿儺が場を少し開ける
虎杖 「自動ドアは手で抉じ開けるとして、防火扉か……壊さなきゃ入れねぇな」
真剣 「斬りましょうか」
虎杖 「刀の代替品ないだろ。却下」
憂花 「じゃあ、私の狗顎爪で!」
虎杖 「爪割れるぞ?」
憂花 「おぅふ」
虎杖 「マルルも、呪霊がロロルカに寄ってくる可能性があるから、『調和』も『混沌』も無しで」
マルル「おぅふ」
憂花 「おう、真似っ子か」
あれも駄目これも駄目と言われてムッとする三人。信用されてない?と顔に出てる - 139【第三章】2126/07/01(水) 15:18:31
虎杖、頭を掻いて、謝罪から
虎杖「試すようなこと言って、悪かったな。もしもの時のことも考えて欲しかったんだ。俺らの世代みたいな、しんどい思いして欲しくなかった」
続けて、地図を借り、印を書き加えながら、皆に見立てと案を出す
虎杖「脱兎で見てもらった大ホールには複数。正面玄関と、あと裏口に続く廊下にも何体かいる。これらから、五条先生を拾って護りつつ、このフロアから裏口に抜けるルートは、こう。障害物の有無までは分からないから、現場判断になる」
過去の経験則から、銀行内部の構造を大体同じと判断し、走り方の指示もする。つまり、誰かが中に入るということ
虎杖「炊きつけておいてなんだが、やっぱり本目的まで、みんなの力は温存させたい。件の呪霊が一級以上だった場合、制圧の手数は多いほうがいいからな。結果として、戦力として不十分な宿儺に走ってもらう事になる」
その場の視線が新参に向く - 140【第三章】2226/07/01(水) 19:23:39
(あれ、>>60のつもりで書いてたけど、これ思ってた戦闘シーンにならないな……?)
宿儺 「まぁ、妥当な判断だな」
マルル「大丈夫か」
宿儺 「悉くを回避すればよいのだろう。救出が目的だ、戦う必要がないなら、どうとでもなる」
虎杖 「もし宿儺を追って呪霊が外に出た場合は、そいつらは斬って貰いたいんだけど」
真剣 「了解、俺が裏口に回ります」
虎杖 「憂花は宿儺が突入後、鵺で外から偵察。中の呪霊が外に出ようとしてたら報告して。何なら雷撃で倒しても良い。式神召喚の調整も兼ねてだから、きつくなったら術を解いても問題ない」
憂花 「おっす!」
虎杖 「俺は宿儺の後から、呪霊狩りつつ、ついて行くわ」
それぞれの配置を決める。ビル外周を辿って裏口へ向かう真剣には、マルルも同行する
二人が待機できたあたりで、自動ドアを抉じ開ける宿儺。憂花は初めて鵺を召喚、ぎこちなく背中に乗って空へ
- 141【第三章】2326/07/01(水) 19:43:21
虎杖「さっきの道順で。穿血の標的にならんようにだけ気ぃつけて」
宿儺「軽く言ってくれるな……」
虎杖の御廚子で切り崩された防火扉を飛び越え、指示通りビルに突入する宿儺
駆け込んだ大ホールで、物音にキョトンとした五条見つけた。脱兎ごと拾って抱えて走る宿儺
後方からホーミング穿血襲来。五条囲っていた呪霊潰し、導(しるべ)である宿儺の『魂』を追いかける。室内にはびこる雑魚呪霊から舞うように回避しつつ、穿血の軌道を誘導する宿儺
裏口目指して廊下へ。長い路を直進。呪霊二体を左右にクイクイと回避。突き当たりを左に折れる際、右上腕が壁にぶつかる。気にせず前へ走り続ける
呪霊一体回避。すぐ右への曲がり角に。五条を抱えているため左手が使えないので、右手で廊下の手摺り掴んで遠心力でカーブ。後方で穿血が呪霊倒していくのを音で認知 - 142【第三章】2426/07/01(水) 20:03:33
突き当たりの扉を身体反転からの背中から打ち破る。飛び出したところを真剣に受け止められ、真剣の背側で支えるマルルによって全員が倒れるのを避ける。体勢を立て直してすぐ、呪霊を警戒
宿儺が脱出したと同時に穿血が消える。宿儺が外に出たと察知して消したと、のんびり建物より出てくる虎杖を見て知る。呪霊どもは祓ったもよう
キョトンなままの五条、次第に笑顔に。息を停めて走っていたのか、ぜぇはぁと文句も言えず呆れ半目の宿儺
虎杖「お疲れ、宿儺」
五条「ぅーに! あのぃあぁらー!」
宿儺「このガキ、助け出した俺より、小僧か」
五条「しゅうぁ、ほぇれちゅああしゅ!」
宿儺「よし」
憂花「会話が成立してる?!」
空より降りてきた憂花がつっこむ。呪霊の暴走もなく、召喚の調整も適って、良い顔 - 143【第三章】2526/07/01(水) 20:30:58
虎杖「先生、術式使ってない?」
五条「にゃいお!」
宿儺「これのどこをどう見れば使って疲れているように見える」
五条「えへ~」
憂花「ううう、これが五条悟なんて……ぎゃんかわなのに、五条悟……」
五条「ちゃは♡」
真剣「諦めろ、これが事実だ」
分かっててきゃるるんする五条に、憂花と同じく、がっかり顔の真剣。“伝説”は壊される一方である - 144【第三章】2626/07/01(水) 21:23:20
浮かない顔のマルル。“理由”を分かってる虎杖、今出たビルを見る体で近づき話振る
虎杖 「五条先生を攫った奴は居なかった」
マルル「やはりか……『風』にはかなり強いロロルカを感じたのだが」
虎杖 「大元が俺たちを試してる可能性」
マルル「有り得るのか?」
虎杖 「俺たちの代には、知能も知性も持った特級呪霊がいたよ」
マルル「そうか」
虎杖 「全部祓ったけどな」
マルル「さすが」
虎杖 「俺以外が」
マルル「まさかの他人」
虎杖 「その内の二人が転生前の宿儺と五条先生です」
マルル「なんと」 - 145【第三章】2726/07/01(水) 22:45:53
真剣に通信が入る。相手は美野。別動隊がいることを今知らされる宿儺。虎杖は呪力探知の時点で知ってた
真剣 「真剣っス。……そっちに大型呪霊出た?! すぐ行きます!」
真剣の言葉を合図に、それぞれが駆け出す
虎杖 「あっちと合流する前に、確認! “あっちのマルル”と合流したら混乱すっから、ネタばらししといてくれんか」
虎杖のセリフに、若者三人がうげっと顔を歪ませる
宿儺 「やはり別人だったか」
真剣 「あんたも気付いてたのか?」
宿儺 「攫われる直前の五条悟が、泣き喚いて困らせようと画策した時の反応が、先日の奴とは違ったのでな。こちらは随分と静かだ」
憂花 「だってさ」
マル?「マルめ……どれだけはしゃいでたんだ」
頭頂部のヘアバンドを取り、後頭部で髪を束ね括った青年。見た目は確かにそっくり。宿儺「双子か……」と、少々思うところが
「クロス・ヴァル・コラク・イェルヴリだ。今後も関わることがあるだろう。記憶に留めておいて貰えると嬉しい」
穏やかな彼に、宿儺も五条も手を挙げて応じる - 146二次元好きの匿名さん26/07/02(木) 02:34:13
双子に思う所ありか…
- 147スレ主26/07/02(木) 09:27:46
“前”の生まれもあって気になるかんじですかね
- 148スレ主26/07/02(木) 09:34:32
文章の更新は夕方以降にいたします~ ノシ
(第四章を頭から書き直し始めました……終章はもう書いてるのに四章の中身がまとまらーん!) - 149二次元好きの匿名さん26/07/02(木) 11:04:03
憂花が鵺を…!
- 150スレ主26/07/02(木) 16:11:51
式神使わせられる状況下ならどんどん使って頂いちゃいます!
- 151【第三章】2826/07/02(木) 16:31:24
見えた別動隊が既に交戦中と知るや、虎杖は大きな百斂をこさえ、限界まで圧縮したそれを血星磊として呪霊に見舞う。注意が別動隊から、虎杖たちのほうへ向く
マルル「クロス! 真剣! 憂花! 虎杖悠仁と、先日の君たちも!」
オスキ「集中しろマル! 次くるぞ!」
頬に赤い線をつけたマルルが喜色で呼んでくる。斧を構えなおしたオスキにどやされて、視線を呪霊に戻しつつ、腰の剣をクロスに投げ渡す。こちらも、とヘアバンドを投げ返し、クロスも真剣と並んで臨戦態勢に入る。他者が混じったことで十種を満足に使えない状況の憂花は、五条を預かって美野と後方に下がる。戦力外宣告を受けている宿儺も、回復要員として後方へ
憂花 「どんなカンジなの?」
美野 「触れた形のあるものから茨が次々に生えてきてる。呪霊に触れられた門脇の腕からも生えてきて、オスキさんに斧で茨切り落として貰ってから退避、治療に向かった。マルくんも一撃貰ったけど、彼は反転術式みたいな力で自己治癒してたよ」
憂花 「みんなー! アレに触られたら茨になるってー! 反転術式使えない人は絶対避けてー!」
五条 「あんあえー!」
応援しか出来ない五条も声をあげる - 152【第三章】2926/07/02(木) 16:42:18
真剣 「簡単に言ってくれるな……マルが一発貰ってんだろ」
オスキ「やるしかねぇだろ。他所に行かせねえために、斬って斬って斬りまくるだけだ」
真剣 「……ですね!」
鍔と鞘で火花を起こし、刀身に乗せて薙ぐ。襲来の茨は焦げて、普通に斬ったものと異なり再生できない
真剣 「草なら燃やすだけってね」
オスキ「便利だな」
真剣 「呪具、マジで便利ですよ。防具や遠隔操作持ちもあります」
オスキ「……今度そっち顔出してもいいか」
真剣 「もちろん!」
呪霊とカリヤンが別物と認識して貰えるようになってから、シムリア側との共同戦線は上手くいっていることが分かって、虎杖も安堵する - 153【第三章】3026/07/02(木) 22:03:06
呪力から、五条を『風』で攫った大元の存在ではない、と虎杖は見込む。が、今は目の前の呪霊だ
等級は一級。もし『風』を使ったのがコレならば精霊の類と見立てることもできたが、あまりにも人に近い形のため仮想怨霊と改める
耳のある位置から桃色の四枚羽を生やし、羽の後ろから上下に一本ずつ赤い帯状の紐が伸びている、淡い青銀髪の、おそらく女形呪霊。おそらくとつけたのは、鎖骨下部より下はドロドロの闇で、左右一対の腕以外、見当がつけられないため。天使と見紛う容姿ながら、一つ目が描かれた仮面が邪悪さを物語る。仮面のせいで顔も窺えない。海外起源の呪霊と虎杖は判断する。しかし何故海外産の呪霊が? どうやって東京に?
マルル「真剣! 炎を!」
真剣 「おう!」
シン・陰流 抜刀による居合いで発した火を、『混沌』で伸ばし、斬った箇所から本体へ向けて急速に燃やしていく。しかし呪霊側も馬鹿ではなく、燃える茨を根から捨てて、新たにビルの窓を苗床にした
宿儺 「際限なく構築されていくな」
憂花 「削っても削ってもダメって……」
虎杖 「いや、ちゃんと呪力も一緒に削ってるよ。燃やしたのも良かったんだろう。最初見た時よりか、勢いが落ちてきてる」
それでも茨の襲撃は止まない。地面を突き破って後方にまで来た茨は、虎杖の『解』で掃われる
オスキ「ぐぁ……!」 - 154【第三章】3126/07/02(木) 22:28:29
オスキの呻き声。目を向けると、足元から生え真剣を串刺そうとした茨から彼を庇って、腿を貫通された姿が
真剣 「オスキさん!」
マルル「オスキ! すぐ治す!」
オスキ「っ構うな! 焼き続けろ! 倒すの優先だ!」
真剣とマルルの意識が怪我人に向いて、隙ができた。不味い、と動く虎杖。しかし、虎杖が意識を逸らしたことで、後方の防御はクロス一人に係ってしまった。剣で斬ったところで、真剣のように炎が出るわけもなく、茨が呪力の高い憂花と五条へ向かう
真剣 「憂花!」
オスキの言葉に従い本体に向かった真剣が棘による怪我も省みず茨を駆け上がり、届いた仮面を火で一刀した直後、振り返り叫ぶ
五条を懐に入れて庇う憂花。その上から覆い被さり護ろうとする美野。クロスも気を取られて茨に腕を払われ、剣を落とした
『解』を放つには、避けるべき対象が多すぎる。赤血操術で兄の最期のように庇うには、皆の位置が遠すぎる。どうするどうすれば。虎杖の眼が揺れた - 155【第三章】3226/07/02(木) 22:49:32
術式の特性と持ってしまった“強さ”ゆえに集団戦闘に不向きとなった虎杖が迷いを持つと察していた宿儺、ここでやらねばいつやる、と戦力外ながら御廚子を試す
真剣と同じく本体を目指し、ただ一点を狙って放つ『解』は斬撃。伸ばされた茨は次の一手『捌』で一太刀で払い落とす。意識を総て呪霊に向けることによって、『解』も『捌』も叶った。反転術式を使っていない分、今回はまだ余力が残っている。術式に関する勘も戻ってきている
宿儺「(ならば、できるか?)」
“前”の縛りは果たして残っているだろうか。一対一ならば皆を巻き込む心配もないはず。草なら燃やすだけ。確かにそうだ。そして、呪具に頼らない、祓うに最適な術式を持っているのは、この場で己だけ。ならば、使う以外に、選択肢はない。集中し神経を尖らせ、弓を構える動作を取る
身体を共有していた過去から、宿儺が何をしたいか読み取れた虎杖、「駄目だ」と声を荒げる
宿儺「『竈』」
虎杖「やめろ、宿儺……宿儺っ!」
虎杖の静止の声が、酷く、遠い
宿儺「―― 『開』」 - 156二次元好きの匿名さん26/07/03(金) 02:23:50
使えるんですか?!
- 157【第三章】3326/07/03(金) 09:16:24
.
爆発性の炎で跡形もなく焼き尽くされた呪霊が、消失する。宿儺の目論見通り、縛りは未だ有効。領域展開未使用により呪霊のみを対象に燃やすことができた
宿儺「……できた、できたぞ。……できたではないか!」
両手を見る。記憶が戻ってから抱えていた靄がようやく晴れた気がして、宿儺は拳を握り、笑む
これで皆に遅れをとらず戦える。戦力として数えてもらえる。自分も人の役に立てる。『人を助ける』ことができる
五条「しゅうぁ」
名を呼ばれて、宿儺は意識を外に向けた。振り返れば、怪我人たちから茨は除かれ、双子の治療で傷も癒えつつある
憂花「……何、今の」
五条を抱えたまま、憂花がゆらりと立ち上がる。その足で宿儺に近付き、 - 158【第三章】3426/07/03(金) 09:28:21
憂花 「術式使えたの?! しかも斬撃に炎って、お祖父ちゃんたちの話通りじゃない! 味方だと凄い安心感ね! 見直したわ!」
マルル「威力も凄かったぞ! あんなに手強かった呪霊が、一瞬で熔けたんだからな!」
真剣 「おいおい、戦力外じゃなかったのかよ! これで反転術式も使えるとか、あんたマジでどんなだよ!」
クロス「あなたの機知のおかげで解決できた。ありがとう」
若者たちが次々に賞賛を送る。伝聞しかない知識を目の当たりにして兄妹はますます強くなりたいと意気込んでいるし、シムリアの民も活躍に感心している。美野は呪霊討伐の報告をしていて輪には入らないが、宿儺を見て何度も瞬いている
宿儺 「仮面が割れて、呪霊の呪力が極端に低下した。貴様のお蔭もある」
真剣 「そりゃ良かった」
宿儺 「『混沌』と『調和』、なかなか面白い術式だな。参考にさせてもらいたいものだ」
マルル「そうだろう!」
クロス「互いに知見を得るのも良い。機会があれば、私たちにも貴方の術式を、是非」
宿儺 「五条悟は無下限術式で勝手に攻撃を防いでいただろうに」
憂花 「そんなこと言っても、赤ちゃん放っておけないでしょうが」
宿儺 「そうだな。助かった」
憂花 「急に感謝とか、何か調子狂うわね……」
五条 「うか、あいあお!」
憂花 「……えへ~」 - 159【第三章】3526/07/03(金) 14:30:52
会話を弾ませる子供たちをそのままに、治療で立ち上がれるようになったオスキ、虎杖に寄る
オスキ「前にアンタから一発貰った時ほどじゃないが、凄まじい爆発力だったな。見たことない顔だが、ありゃ秘蔵っ子か?」
尋ねるも、虎杖は応えない。ん?と覗き込むオスキ。美野も気付いて伺う
真っ青な虎杖に、大人二人は揃って目を見開く
美野「あんたっ、だ、大丈夫か!?」
美野の声に、一斉に大人組を見る若者衆。同じく真っ青な虎杖見て、仰天
五条「ぅーに?!」
五条の呼び掛けも無視し、虎杖の視線はただ、宿儺へ
宿儺「小僧……?」
何度か口を開いては閉じ、苦渋の表情で虎杖はやっと、言葉を発した
虎杖「なんで、使っちまったんだ……」
―― 第三章 終わり - 160第三章 裏話26/07/03(金) 14:38:14
第四章にかけて重い話を書きたいなぁと。ただそれだけのために無茶苦茶強引な進め方しました。未熟!
そして登場予定の全くなかったオスキ氏にも参戦してもらいました。次の章のジャバロマも、たったの一言ですけど、同じくです。モジュロキャラ出したかったんです。無謀!
キャラエミュわからーーーん! でも虎杖のホーミング穿血回避するってことは強い?!というのは分かってたので、オスキ氏にはタンク役任せてみました。無責任!
以下、オリジナル呪霊の設定を置いておきます。10年近く前に描いた自作絵も出しちゃお。
海外産人型一級呪霊:淡い青銀髪。耳のある位置から桃色の4枚羽。羽の後ろから上下に1本ずつ赤い帯状の紐が伸びている。
女性型と思われるが、鎖骨下部より下はドロドロの闇。腕は左右一対。一つ目が描かれた仮面を装着。
触れられた箇所から茨が侵食し、体内を同類へ変容してしまう。植物なので当然火に弱い。 - 161スレ主26/07/03(金) 14:41:32
- 162二次元好きの匿名さん26/07/03(金) 15:11:57
使っちゃダメなんですか?!
- 163スレ主26/07/03(金) 15:57:26
- 164二次元好きの匿名さん26/07/03(金) 21:04:10
このレスは削除されています
- 165【第二章~第三章の間のお話】126/07/03(金) 21:40:16
時系列を出したので、本編では書かなかったssを
6月6日の出来事
【第二章~第三章の間のお話】1 | Writening虎杖「俺は怒ってます」 宿儺「スミマセンデシタ」 五条「ォエンニャチャヒ」 床に寝転んだ状態で謝罪を口にする子供たちへ、胡坐を掻き眉間に深い谷を刻んだ帰宅直後の虎杖は、大きく溜め息を吐いた。 虎…writening.netたぶん第四章にこの話題ネタもちょろっと出すと思います
お暇あります時にご覧頂けたらと
- 166スレ主26/07/03(金) 21:58:02
時系列の計算ミス発見!訂正します!はずかちい!
【第三章までの時系列】
2088年6月を想定
一日 序章、第一章 3~4、6~18、22~34
二日 第二章 37~47、50、53~58
三日 第二章 68~70、72~76、79~80、83~84
四日 第二章 86~91、95~99
五日 (夜に京都に帰還)
六日
七日
八日 第三章 102~103、105~111
九日 第三章 113~114、118~119、122~124、126~131、136~145、151~155、157~159
十日 (東京→京都に帰還)
・
・
・
三十日 終章
- 167【第四章】126/07/03(金) 23:33:54
頭を痛めながら東京から戻って早々の翌日。宿儺の件で用があると通達され呼び出された虎杖。宮國の待つ会議室へ
宮國「先生、ご足労いただき、」
虎杖「宿儺の件」
宮國「彼の名前がわかりました」
椅子から立ち上がりかけた教え子を制すれば、すぐさま答が飛んでくる
目を見開いた虎杖、自分の端末の地図を起動させる
虎杖「実家見てくる。場所は」
宮國「もうありません」
虎杖「……は?」
短いながらも通じる会話。宿儺の生家も何もかも、もうないとの結論
宮國「彼のお母様、彼と心中する目的で、総て片付けてらして。あの日は、彼と最期のひと時を楽しもうと」
虎杖「……あのビルに来てたって?」
宮國「周辺からのお話では、仲の良い母子だったと。『それが何故?』と、逆に私が問われました」 - 168【第四章】226/07/03(金) 23:41:46
腰を下ろし聞けば、十五歳の“宿儺”は、過去に囚われた徘徊老人を幾人も保護し道案内もなく家まで連れ帰ったり、心霊現象の噂が立つ場でとある空間を見つめたあと手を引くような動作で何かを誘導したりと、一般人からは不可思議な、呪術師からは潜在術師として認定される行動を取っていたらしい。その後、老人たちは宿儺を見るたび拝んでいたし、心霊現象はことごとくパタリと止まった、とオマケもついた。母親はそんな宿儺を気味悪がることもなく、「良いコトしたね」と慈愛に満ちた笑みで褒めていたとも
宮國「良い話しか出てこなかったんです。本当にどうして、と私も最初、疑問を持ちました」
しかし、と宮國は続ける
宮國「数日かけて“喚ばれた”のではないかと」
虎杖「……例のテロの呪詛師か」
宮國「はい。そして、そちらの情報も入りました。兵庫県朝来市和田山の、円山川沿いの霊園にて、偶然参拝の『窓』から、同じ残穢があったと」
虎杖「兵庫」
宮國「天空の城として一躍有名になった竹田城跡が有名ですね。あのあたりの土地です」
宮國から目印を入れた地図が寄越される - 169二次元好きの匿名さん26/07/04(土) 02:08:00
えー…お母ちゃん可哀想
すっくんがお母ちゃんの記憶ないのがまだ救いなのか…? - 170二次元好きの匿名さん26/07/04(土) 09:49:25
ほしゅ
- 171スレ主26/07/04(土) 10:16:59
- 172【第四章】326/07/04(土) 10:53:28
虎杖「思ったより近いな」
宮國「城跡で“過去”の怨念でも取り込んでいたんでしょうか」
虎杖「可能性はある」
どちらの情報もありがたく受け取った虎杖、端末を片してから、確認
虎杖「で。宿儺が『開』使った話は」
宮國「届いてます。ただ……憂憂先生は一切関与していないと、直々にご連絡がありました。語気強めで」
虎杖「憂憂じゃない?」
宮國「美野と門脇でもありませんし、他の術師や『窓』の派遣もしていません。シムリアの方たちも先生の反応で“話してはいけない”と認識された、とマルル特使より報告を頂いています。私にも何故なのか分からなくて……」
腕を組んで眉間に皺寄せる宮國。情報源が分からないと本気で頭を傾げている
虎杖「……仮説いいか」
宮國「はい」
虎杖「隠れてた呪詛師がいよいよ動き出した」
宮國「……え?」 - 173【第四章】426/07/04(土) 11:12:11
虎杖、五条が攫われた時の『風』に引っ掛かりを思い出す
虎杖「東京で、対象呪霊を祓う前に、別で悶着した。その時、五条先生が攫われたんだけど、感じたことのない『風』が吹いた」
宮國「赤ん坊といえど、人を運ぶほどの、『風』?」
虎杖「それがもし呪詛師の使った術式なら、情報の回りの速さも納得いくんだわ。それこそ『グリモワール』とか『道(タオ)』とか」
宮國「……門外漢ゆえ、そちらは考慮してませんでした」
虎杖「俺ら日本人が式神を使役するように、海外だって儀式で悪魔だ精霊だを使役するだろ。似た臭いはしたからさ」
宮國「なるほど、悪魔召喚! それで、代償として左腕を棄てたのか。納得です」
東京で祓った呪霊の由来も、これで辻褄が合う。明らかに西洋寄りの姿で、日本のモノではなかった
虎杖「で、ソレが悪意を持って行動しているなら、」
宮國「我々の認識の外で、事を動かしていると」
虎杖「呪霊祓ったせいで『敵』と認識されて、俺たちの都合の悪いように事態を動かすのも有り得るだろ。あくまで仮説の範囲だけど、テロ起こす連中にこっちの常識求めたところで、な」 - 174【第四章】526/07/04(土) 11:51:19
宮國「先生の代の方が繋いでくれた、海外への網も使います。詳細(しさい)分かり次第、必ずお伝えします」
虎杖「頼む」
面談終わり、去ろうとする虎杖に、宮國は言い辛そうに付け足した
宮國「先生、宿儺くんの件で、他の連中が騒ぎ出しています。近々召喚があるかもしれません」
虎杖「だろうな」
宮國「そこで意見具申を。……彼を高専預かりにしてはいかがでしょうか。五条悟が貴方や乙骨憂太をそうしたように、彼を護れるかもしれません」
上申には手を挙げるだけで終わらせた虎杖、早く帰って疲れの残る子供たちに飯作りたいと、足早になる。宿儺の本名を明かすかどうか、胸中で悩みながら
虎杖「(これ以上一緒に居ても、あいつの“自由”奪うばっかになる、か。……離れなきゃ、駄目なんかな……ヤだな……)」
. - 175【第四章】626/07/04(土) 15:35:02
異形。孤絶。虚無。絶望。決壊。
徒党。工作。炸裂。崩壊。消失。
異形。無情。崩裂。暴虐。災厄。
徒党。誘導。爆裂。無化。喪失。
異形。冷酷。裂破。崩潰。災禍。
徒党。陥穽。扇動。崩断。詭計。
異形。堕落。厄災。終局。空虚。
異形。無音。奈落。失踪。雲散。
徒党。改竄。操作。隠滅。滅却。 - 176二次元好きの匿名さん26/07/04(土) 19:17:42
- 177スレ主26/07/04(土) 19:42:26
- 178【第四章】726/07/04(土) 20:41:38
東京から戻って二日。上体を起こした宿儺を見て、名前呼ぶ虎杖。飯できたと、持ってるフライパンで示す。宮國からの呼び出しから帰った昨夜からの、作った笑顔で名を呼ばれて宿儺、虎杖を見返す
起きた宿儺の様子がおかしいと気付く虎杖。フライパン置いて火を止めて、瞳孔開いた宿儺に近付く。一緒に寝ていた五条も不安そうに見る。ベッド脇に片膝突き手を伸ばしたが、届かなかった。というより、出した手を引くしかなかった
宿儺の両手が虎杖の首にかかる。絞首により気道が塞がっていく。でも虎杖、苦しみは一切顔に出さない。静かな表情
「……ケヒッ」
紅くぎらつく眼で蔑むような笑みを浮かべながら、反対に荒い息になっていく宿儺。手に伝わるドクドクと強い拍動。虎杖の頚動脈感じ取って、息を止める宿儺
悪夢。今昔。京都。平安。呪術。別離。御仏。
受肉。片割。羨慕。輪廻。小僧。小僧。小僧。 - 179【第四章】826/07/04(土) 20:45:17
五条「らえ!」
宿儺のシャツの裾握って引っ張り留めようと叫ぶ五条の声が届く
五条のほう見下ろして、恐怖に呑まれた表情向けられる。己の手の行き先を見る。虎杖の首絞めた事実に、宿儺血の気引かせる
宿儺「……ぁ」
戦慄く両手。首から離し、愕然と自身の両手を見下ろす
五条引き離し、台所へ駆ける宿儺。両手で宿儺に追いすがろうと、ベッドから落ちかける五条支えて、寝かせる虎杖
両手を洗う宿儺。この身体ではまだ一度も汚していないが、それでも“汚れている”手を洗い続ける。『開』を使って以来、二日続けて見る夢。過去の『呪い』が強く思い出されて、意思とは別の“ナニカ”が蠢いて、身体が勝手に動いた。動いた先が、どうして虎杖の首を絞める行為に繋がったか、まったく解らない - 180【第四章】926/07/04(土) 22:15:44
虎杖、背後から水道止める。バッと振り返る宿儺の片方の手首取り、タオル握らせる。宿儺が混乱していると理解、落ち着くのを待つ虎杖
タオル握り締め、瞳揺らす少年に、ひと呼吸置いて、
虎杖「宿儺、ここ、出るか?」
突然問われて停止する宿儺
宿儺「……は」
虎杖「だから、ここから出て、高専の寮に入れてもらうかって」
なぜ呪術高専が出るのか、解らない
宿儺「なぜ」 - 181【第四章】1026/07/04(土) 22:56:22
虎杖「呪術の学び直しとか、呪力強化のトレーニングするなら、高専のほうが良いのも事実だから、お前にも悪い話じゃないと思う。普通の授業も受けられるしな。ほら、お前、学校行ってなかったんだろ。丁度良いじゃねえか」
作り笑いの虎杖に、口を戦慄かせる宿儺
宿儺「……今更追い出したくなったか」
虎杖「怒り憎しみが俺に向いてる間はいいんだ。他の人たちに矛先が向いたときが、こわい」
笑みを消し応える虎杖、室外に爪先向け、宿儺に背見せる
虎杖「ここに居続けるより、お前の心持ちも落ち着くだろ。……割と本気よ。俺と居るせいでしんどくなるなら、離れたほうがいい」
宿儺「俺は離れる気は更々ないぞ!」
応えない虎杖、寝室の扉閉める。宿儺は姿が消えた先を呆然と見る。タオル取り落とす - 182【第四章】1126/07/04(土) 23:10:48
烏の鳴き声でようやく動けるように。ベランダの窓開けて烏二羽と対面。窓を後ろ手に閉める。一羽が柵から喉で鳴き、もう一羽が下に降りてソレを示す
宿儺「……菅原」
白い斑点を背負うアシダカ軍曹の骸。脚を畳み小さくなって転がっていた
虫にこの家は、なんと遠い旅路だったか。菅原の意思が宿りこれを動かしていたのか、虫自身が報せを持っていたのか、宿儺には読み取れなかった
膝を抱えてしゃがみ込む宿儺。下の烏が近付き覗き込んでくるも、宿儺の目には入ってない
宿儺「俺は……ここに居たいだけだ……」
虎杖に拒絶された手前、もう言ってはいけない気がして、顔を伏せる。下の烏が小首を傾げながら見守る
五条眠らせて寝室から出た虎杖、ベランダの宿儺見て、口開きかけて、辞める。柵の烏に睨まれ、逃げるように台所へ移る - 183二次元好きの匿名さん26/07/05(日) 03:07:57
離れ離れになるなんてイヤっっ!
一緒にいなきゃらえ! - 184二次元好きの匿名さん26/07/05(日) 11:16:50
このすれ違いなんとかならんかなあ
東堂来てくれ… - 185スレ主26/07/05(日) 12:28:28
- 186二次元好きの匿名さん26/07/05(日) 13:16:45
このレスは削除されています
- 187【第四章】1226/07/05(日) 13:21:06
>>186 文章添付ミス! 私のドジ!
(1スレで終わるはずだったけど書き直すたびに文が増えていく……! これは次スレというものを用意せねば?)
翌朝。起きると、虎杖と五条は既にいなかった。憂花が五条と遊びたがっていたこと思い出す。連れて行ったもよう。外出時に持ち出す五条用荷物も一式無い。赤ん坊お泊りも兼ねてと知る
台所で水を汲み、一気に飲み干す。自分の立てる音以外、何もない
宿儺「……独り、か」
シンクに置いたコップに注いでいた水道水があふれる。誰もいないのなら気にしなくてもいいのに、昨日を思い出し、手は自然と水道を締める
どうして虎杖があんなことを言ったか、宿儺は一晩中考えて、寝落ちしていた。虎杖が傍を離れたことも、腕に抱えていた五条が連行されたことも、全く気付かない程深く
窓へ寄る。烏は一羽。窓を開けて、痛いくらい透き通る、何もない空へ近付く。いつの間にか、季節は夏へ移りかけていた
- 188【第四章】1326/07/05(日) 13:36:21
外に人の気配。知っている存在。玄関に大股で近寄り、開けると、
大家「おハローさんでございまぁす!」
の声と共にラジオ体操の最初の伸び振りを始める、珍しく着物を着た老婆が参上
大家「見てくだしゃんせ、実家から持ち出して参りましてん! 祖母アンド母アンド私の三代で着たお着物でしてよ! あらやだ私じゃやっぱり黒以外似合わない! それじゃ喪服! あかーん!」
『開』を解放するまでならここで扉を閉めて、大家の「あーけーてー」の嘆きに合わせて再び解錠をしただろう。今日の宿儺には、おちゃらける大家へツッコむことは出来そうにない。愉快であるはずの顔をただただ見る
大家のほうも、宿儺の様子に、滑稽な真似を鎮める
大家「暇でしょ? 我が家でお茶しましょ」
宿儺「……茶」
大家「そう。鍵はお持ちね? さ、行きますよ~」
今日の夜にも取り上げられるかもしれない鍵。首から紐で垂らした状態で掛けて、鍵握り締めながら大家に続く - 189【第四章】1426/07/05(日) 13:49:15
部屋は同じ構造なのに、置物や家具の配置でこうも印象が変わるのか。初めて入る大家宅の玄関で靴を脱ぎながら宿儺感心
大家、一度胸の辺りを擦って叩いて、頭を振ってから、宿儺をロングソファに招く。大家の様子が少し違う気がするも、従う宿儺
大家「何がいいでしょうねぇ……天空烏龍にしましょうか。お菓子は琥珀糖です」
宿儺「……馳走になる」
大家「懐かしいパッケージについ惹かれてしまい申し上げ候 うえっへっへ」
やはりツッコミを入れる元気が出ない宿儺。咳払いで場を均す大家。宿儺の隣に腰を下ろして、カップに茶を注ぐ
差し出された茶は薫り高く、琥珀糖も喧嘩せず口で融ける。ようやく何かを食べたと認識できて、宿儺は息を吐いた - 190【第四章】1526/07/05(日) 13:59:24
大家「落ち着きました?」
宿儺「……世話をかける」
大家「じゃ、もう少し、お世話しましょっかね」
口をつけないままカップを置いて、大家が自分の腿をポンポン叩く
まるで魅了でも使われたのかというくらい自然に、横になる宿儺。背中に伸ばされた手は肩胛骨の谷に置かれ、撫でるようにゆっくり叩かれる
大家「実は、この土地を手放すことにしまして」
静かに静かに、ささやくように話す大家の声。思うように眠れなかった宿儺、眠気がくる - 191【第四章】1626/07/05(日) 14:11:43
宿儺「なぜ」
大家「潮時、と言いますか。もともと同じ場所でじっとするのが苦手で。こうやって根付いたのも、ほんの気紛れだったんです。独り身ですから、お金は多少ありましたし、貸し家で自他共に命を繋ぐことができた。結構、楽しい生活でしたよ」
背の手が頭に載る。優しく撫でられる
大家「交通の便が減り、人足が遠退いて、そろそろ終(しま)うかと思った頃に、貴方たちが来た。貴方たちで最後にしようと、以降の貸し家は辞めていたんですよ」
確かにアパートは静かだった。ゆきても帰りても、大家以外と出会うことはなかった
大家「でも、気がかりなことができたんです。手を尽くせる内に己で片付けたくて、少し無理をしました。そして、今日に至ります」
宿儺「気がかり……?」
頭を撫でていた手が、目元を覆う - 192【第四章】1726/07/05(日) 14:21:17
大家「一応、目星はつきましたので、今日はこうやって、お話を」
明るい緑の縮緬(ちりめん)袖が、宿儺の肩を覆って、掛け布団の代わりになる
大家「普通って、難しいですね。私も普通には生きられなかった」
宿儺はまどろみ、応えない
大家「でも、どこかの誰かの、何かしらの助けになれていたのなら、それで良いのだと思います。誰が何を言おうと、己を持って、進めばよいと」
寝息を立てる、千年生きた“少年”を撫でて、大家は目を閉じ言葉をつくす
大家「自分が行きたいと思ったほうへ、真っ直ぐ進むがいいさ。吹く風のように、心が向かうままに」 - 193第四章 閑話-126/07/05(日) 20:54:34
【どうするつもりだ】
宿儺の件を聞きつけていた、不安げな真剣と憂花に眠る五条を託し、二人の母の美冬に挨拶した虎杖は、その足で召集を受けた呪術総監部へ到った。先日の宮國の懸念が現実となった。宇佐美の伝達に応じる形で参上する。
「反転術式しか使えないのではなかったんですか。斬撃? 話と違いますよ」
「火を使った。伝え聞く、渋谷や新宿での爆炎そのものではないか」
「やはり処刑するべきだ! 完全に力を取り戻したわけではない今なら、貴方なら可能でしょう!」
円卓の中央で、一方的に投げつけられる言葉を、虎杖はただただ黙って聞く。
宇佐美と宮國は黙ったままだ。個々人的には宿儺の有用性や、共闘した若者たちの反応から虎杖を擁護したいが、彼らの立場がそれを許さない。上に立つ、上に行くとは、責任のために感情を殺す必要を迫られる。
宇佐美のこめかみに浮き出る太い血管と宮國の泥眼めいた能面は、虎杖は見なかったことにした。 - 194第四章 閑話-226/07/05(日) 21:08:28
己が死刑対象だった頃を振り返り、自身も多種多様に庇われていたことを、虎杖は再認識する。呪霊も呪術界も全く知らなかった自分が戦えると分かって、嬉しかった。皆に認められて、役に立てて、輪に入れてもらえた。
東京で力を解放した宿儺の顔を思い出す。
本来の力を使えて嬉しそうだった。皆を護れたと喜び、自然と輪に入っていた。最初の出張の時とは違う、自信と活力に溢れた、本来の十五の子供だった。身体はもちろん、心もこれから成長できる。中身はアレだが、きっと育つはずだ。
それを、奪うと?
ジャバロマ「待ってください! 彼が術式を使っていなければ、双方共に被害が拡大していたことをお忘れですか?」
美野 「彼が居たから呪霊を祓えた事実もある!」
クロス 「現に、彼に救われた者がここにいます。不問に出来ないとおっしゃるならばせめて、監視を増やす程度に留めては頂けないだろうか」 - 195第四章 閑話-326/07/05(日) 21:16:12
現場にいた二人と、宿儺が処刑される可能性を聞き袖を捲くったオスキに代わり参上したジャバロマが声を上げてくれる。しかし、反応は芳しくない。それどころか、憂憂の関与まで持ち出されてしまう。
「だが、シン・陰流の監視が既にあり、特級術師がついていて、コレだ。その首の痕も、かの少年によるものでしょう。……虎杖悠仁、どうなさるおつもりで?」
―― 先生や乙骨先輩も、こんなカンジだったんかな。先生ならどう答える? 先輩なら? 俺は、どう答えるのが正解だ?
宿儺に絞められた痕が残る箇所をひと撫でする。先の宮國との会話で得た、悪しきに“喚ばれた”姿を垣間見た虎杖は静かに、息を吸った。―― 宿儺を護ってやりたいと、心の底から考えていた。
虎杖「宿儺は、高専預かりにする」
護るためならば、別離も厭わない。 - 196スレ主26/07/05(日) 21:21:18
- 197スレ主26/07/05(日) 21:34:53
そういえば、カテゴリ内の他スレさん見てたら、動画化云々の話題がそこそこ出てるっぽい?
私個人的には、
1.各キャラの声を1キャラにつき1ボイスで固定
2.私が意図した文章や単語でミス無く読み上げる(つまり、ひとつの誤読も許さない)
3.原作やアニメに迷惑かけたくないから動画内で公式画像は絶対に使わない
4.スレ民のコメントやそれに対するスレ主の返信は削除して動画内で一切取り扱わない
―― これを厳守してくれるなら別に……
だって、地の文まで読み上げてくれるドラマCDモドキとか、ちょっとわくわくしません?
上記4つが出来るなら動画にしてみやがれ的な考えです
まぁ、難しいでしょうねwww
上の最低限の条件を欠けることなく適えられないなら動画化禁止です - 198スレ主26/07/05(日) 22:41:12
初スレにコメント戴けたり、ハート押してもらえたり、嬉しかったです!
2026年7月5日現在、本文は終章後書きまで書き終えています
(後日談や時系列にない隙間埋めssは検討中です)
次スレで終わる予定ですので、もうしばらくお付き合い頂けたら幸いです
ありがとうございました - 199二次元好きの匿名さん26/07/06(月) 00:00:24
とりあえず1スレ完走おつ!
綿密で丁寧な設定とストーリー展開面白かったよ!
最終章まで見守るぜ - 200二次元好きの匿名さん26/07/06(月) 00:29:14
楽しく読ませて頂いてます
次スレ感謝埋め