園児に道の渡り方を教える飯塚さん(右から3人目)=9月7日、渋川市の中村保育園

 ぴしっと右手を挙げ、3~5歳児50人が園庭に描かれた横断歩道を順に歩いた。蛍光色の帽子とベストを着けた女性たちが、そっと背中に手を添えて導く。9月、渋川市の中村保育園で「渋川地区安全会女性部」の教室が開かれた。

 「3本指のお約束。私は、必ず、止まります」。女性部長の飯塚祐子さん(77)=同市八木原=が合言葉を唱えた。萩原啓子園長は「外部の方が教えると反応がまるで違う」と喜ぶ。

 安全会と交通安全協会を兼ねる飯塚さんは、年二十数カ所を仲間と回る。「未来ある子どもに命の大切さを直接教える。こんなにいいボランティアはない」。市内で子どもの事故は少なく、手応えを感じる。

 活動に関わり始めたのは1990年代初め。啓発品を手に高齢者宅を巡ると、「集金かい?」といぶかしがられた。毎年続けるうちに反応が変わった。「こう来てくれるんじゃ、気を付けなきゃなんねーやいのー」

 「意識に残る」と対面の呼びかけを大切にする。個人情報保護のために名簿がなくなっても高齢者がいる家を地道にたどり、今年も200軒近くに反射材付きのエコバッグを手渡した。

 ブレーキの踏み間違いによる高齢運転者の事故が気がかりだ。「事故は悲しみをたくさん生む。少しでも減るように家庭から、地元から呼びかけたい」

【県安協の役割】 地域行事に出る機会が少ない高齢者にも事故に気を付けてもらうため、全県的に戸別訪問を奨励し、意識を高めている。