SNSで批判集中、コスプレイヤー主催クラファン中止→“支援金”巡り運営とトラブルに… 身に覚えのない入金、どう対処すべき?
私的な返金交渉のやり取りを暴露→刑事告訴のリスクも
今回の騒動では、返金交渉のメールがSNS上に公開されたことも問題視された。このような行為について荒川弁護士は、「メールに書かれた内容が事実であっても、公開した側が民事・刑事の名誉毀損など、法的責任を問われる可能性はある」と指摘する。 「名誉毀損は、民事・刑事いずれも、内容が真実であっても成立することがあります。『事実だから公開しても問題ない』というわけではありません。公共の利害に関わり、公益目的があるなど一定の要件を満たす場合のみ、違法性が阻却され、名誉毀損を免れることはあります。 ただし今回のような私的な返金交渉のやり取りを暴露するケースでは、公益目的があるとは認められにくいです。悪質な場合には、企業側が名誉毀損を理由に損害賠償請求することや、名誉毀損罪で刑事告訴することも考えられます」 では、信用毀損罪や業務妨害罪についてはどうか。 「信用毀損罪や業務妨害罪は、虚偽の情報を流した場合が問題となるため、メールの内容をそのまま公開しただけでは成立しにくいでしょう。 もっとも、メール本文の公開は著作権の問題となり得ますし、メール内に記載された担当者の氏名やメールアドレスなどの個人情報をマスキングせず公開すれば、プライバシー侵害にあたる可能性があります。投稿の削除請求や、損害賠償請求などの民事上の措置を取られるリスクも負います」 さらに今回の事例では、メールの公開をきっかけに企業側の担当者個人が特定され、顔写真が第三者によってSNS上で拡散された。この点についても荒川弁護士は、「拡散した人に法的責任が生じる可能性が高い」と指摘する。 「一担当者個人の氏名や顔写真をさらして拡散する行為は、その個人に対するプライバシー侵害、肖像権侵害、名誉毀損にあたる可能性があります。そのため、会社とは別に、担当者個人から損害賠償請求されるリスクもあります」 現時点で女性は返金の有無について公表しておらず、一連のトラブルがどのように決着したのかは明らかになっていない。身に覚えのない入金があった場合は、安易に使わず、事実関係を確認したうえで冷静に対応することが重要だ。 ■倉本菜生 1991年福岡生まれ、京都在住。龍谷大学大学院にて修士号(文学)を取得。専門は日本法制史。フリーライターとして社会問題を追いながら、近代日本の精神医学や監獄に関する法制度について研究を続ける。主な執筆媒体は『日刊SPA!』『現代ビジネス』など。精神疾患や虐待、不登校、孤独死などの問題に関心が高い。X:@0ElectricSheep0/Instagram:@0electricsheep0
倉本菜生