「お父さんは詐欺犯じゃない」濡れ衣で解雇された一家の柱は、帰らぬ人に 一審は遺族の完勝、でも会社は再び犯人と主張…判決前日、思いも寄らぬ結末
遺族は憤りを隠さない。 「開いた口がふさがりませんでした。誰のせいで職を失ったと思っているんだろうって」 高裁の裁判官からは和解案を示されたが拒否した。 「いまだに犯人扱いされている。到底受け入れられない」 求めたのは、男性の潔白と会社の責任を判決の形で明確にすること。高裁判決は今年5月に指定された。 ▽突然の裁判終了。会社の弁明は「問い合わせに対応できない」 ところが判決前日、会社は控訴を取り下げ、裁判は唐突に終わった。妻は怒りをあらわにする。 「無実が認められてやっと前に進めると思ったのに、さらに半年間も再び傷つけられた。嫌がらせとしか思えない」 会社は、なぜ控訴を取り下げたのか。 取材に応じた会社の代理人弁護士は「一審判決の内容は、当社の主張と乖離しており、最後まで争うことも検討した」とした上で、理由をこう説明した。 「男性が亡くなり、最後まで争うことで解決まで時間も要する。控訴審判決の内容が報道された場合、多くの問い合わせ等に現実的に対応しきれないと判断した」
弁護士はこう繰り返した。「地方のいち中小企業の話。今は社長も交代しているし、大ごとにしないでほしい」 男性の死からまもなく7年。裁判の終結で一審判決が確定し、無実は明らかになったが、一家の柱が帰ってくることはもうない。 訴訟を終えた妻は男性の遺影を見つめながら、静かにこう語った。 「葬儀会社は仕事でたくさん悲しみを見てきて、命の大切さを一番分からないといけないはず。それなのに命を絶つまで追い込んで、亡くなった後も侮辱し続けた。無理にでも、そんな場所から逃げてと言えば良かった。二度とこんな思いをする家族を出してほしくない」 遺族への謝罪は現在もない。
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