女子高生がバイクから転落死⇒無免許運転の16歳少年「ひき逃げ」で逮捕…ひいたのは後続車両なのに? 最長“15年の拘禁刑”の可能性もあるワケ【弁護士解説】
最長で「15年以下の拘禁刑」も
本件における少年の行為について、法律ではどのような刑罰が定められているのだろうか。 まず、救護義務違反については10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められている(道交法72条1項前段・117条2項)。 また、事故を警察に報告しなかった場合は報告義務違反にあたり、法定刑は3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金だ。 さらに過失運転致死傷罪が成立する場合には、本件では少年が無免許であったことから10年以下の拘禁刑となる(自動車運転処罰法5条、6条4項)。 ただし、本件で実際に女子高校生をひいたのは後続車であることから「死亡したという結果が少年の過失によるものと法的に評価できるか」といった要素が問われることになり、実際に同罪が成立するとは限らない。 そして、無免許運転罪は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金だ(道交法64条1項・117条の2の2第1号)。 これら複数の罪は併合罪(刑法45条)として処理され、処断刑の上限が引き上げられる。最も重い罪の長期の1.5倍となることから、上限は15年以下の拘禁刑となる(同47条)。 「本件においては、無免許・救護義務違反(逃走)・被害者の死亡などが重なっています。これらの要素は、量刑上、いずれも強い加重事情として働きます」(鷲塚弁護士)
刑事裁判となる可能性は?
一般に少年(20歳未満)が起こした事件は、まず家庭裁判所に送致され、原則として刑罰ではなく保護処分による処遇がはかられる。 ただし、事件によっては、家庭裁判所から検察に送致され、成人と同様に刑事裁判が開かれる場合もある。このように家庭裁判所から検察へ事件が送られる手続きを「逆送」という。 さらに、逆送は大きく二つに分けられる。その一つの「原則逆送(少年法20条2項)」は、16歳以上の少年が「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」を犯した場合が対象となる。 これに対し、「裁量的な逆送(同20条1項)」は、死刑・拘禁刑にあたる罪について、罪質・情状に照らし刑事処分を相当と認めるときに、16歳以上の少年を逆送するものだ。 本件の場合、過失運転致死は故意でないこと、救護義務違反も「被害者を死亡させた罪」そのものではないことから、原則逆送が成立する可能性は低いという。 一方、被害者が死亡し、無免許運転や救護義務違反(逃走)を伴う悪質性の高い事案であることから、「裁量的逆送により刑事裁判・実刑に至る可能性は相応にある」と鷲塚弁護士は語る。 「また、逆送されない場合でも、事案の重大性から少年院送致などの保護処分となる可能性があります」(鷲塚弁護士)
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