関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の稼働によって生活や健康に深刻な被害を受ける生活を強いられているとして、42都道府県の住民約3500人が関電と国に運転差し止めと賠償を求めた訴訟で、京都地裁(斎藤聡裁判長)は14日、請求を棄却し、住民側を敗訴とする判決を言い渡した。
2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、国内の原発は全基が止まったが、大飯原発3、4号機は12年に当時全国で唯一稼働し、その後、厳格化された原発の新規制基準に適合すると原子力規制委員会に認められて18年から再稼働している。
訴訟では、原発事故時の避難計画や、関電が設定した「基準地震動」(原子力施設の運転中に発生し得る最大の揺れ)の妥当性が主に争われた。
住民側は、原発事故時に避難するための手段が具体的に想定されていない▽5~30キロ圏内(緊急防護措置区域、UPZ)が屋内退避とされている点に合理性がない▽自然条件によって避難経路が通行止めになり得る▽高齢者・障害者は避難が困難――といった例を挙げて実施困難な避難計画になっていると指摘した。
さらに大飯原発は、原発の耐震設計の目安となる基準地震動が過小に設定されており、実際に発生し得る地震は想定を大きく超える可能性があると主張。「住民の人格権が侵害される具体的な危険性がある」と訴えていた。
これに対して関電側は、新規制基準に適合した大飯原発の安全性は十分に確保されていると反論。避難が必要になる事態が起きる可能性そのものを否定していた。
大飯原発3、4号機を巡っては、住民らが国の設置許可取り消しを求めた行政訴訟の控訴審で、大阪高裁が5月に設置許可は妥当として住民側逆転敗訴の判決を言い渡している。【資野亮太、大東祐紀】
あわせて読みたい
Recommended by