西武4000系「秩父の主」2ドアクロスシート車で“ほかの車両にはない”特別感 ライオンズカラーが異彩放つ「山のレジェンド」
配信
首都圏の大手私鉄の電車といえば、特急列車を除けば思い浮かぶのはいわゆる「通勤電車」。最近は座れる通勤電車として、進行方向を向いた「クロスシート」に座席を転換できる車両もあるものの、一般的なのは窓に背を向けて座るロングシートの車両だ。 【写真はこちらから】▶秩父の山岳路線を走り続けてきた西武鉄道の4000系▶「ライオンズカラー」のラインが入った2ドアの車体▶ちょっと懐かしい長距離列車のようなボックスシートが並ぶ車内など、ほかの西武車両とは違う特徴の多い「山の主」を車両基地で独占取材 そんな中で例外的な車両もある。西武鉄道の「4000系」は、ちょっと懐かしい長距離列車のようなボックスシートが並ぶ2ドア車。登場以来、主な活躍の場は池袋線の飯能(埼玉県飯能市)から西武秩父線の終点、西武秩父(秩父市)の間だ。勾配の続く山岳路線の「主」として、30年以上活躍を続けてきた。
■活躍の場は飯能―西武秩父間 池袋線の飯能駅は行き止まり式の駅。池袋方面からやってきた電車は、西武秩父まで直通の特急「ちちぶ」や土休日の「Sトレイン」を除いて同駅で折り返す。これらの列車以外で飯能から先に向かう場合は、4000系の各駅停車に乗り換えることになる。 【写真を見る】秩父の山岳路線を走り続けてきた西武鉄道の4000系。「ライオンズカラー」のラインが入った2ドアの車体、ちょっと懐かしい長距離列車のようなボックスシートが並ぶ車内など、ほかの西武車両とは違う特徴の多い「山の主」を車両基地で独占取材
飯能まで乗ってきた電車とは大きく違う4000系に、「遠くに旅行に行くみたいな電車」とちょっとした驚きを示す利用者の姿も。走る車両が変わるだけに、西武線の利用者でも池袋線の「終点」は飯能で、その先は「西武秩父線」だと思っている人は少なくないだろう。実際には池袋線は飯能より先、吾野まで続いており、その先が西武秩父線となる。 吾野までの開業は戦前の1929年だが、西武秩父線の開業は1969年と比較的新しい。
同線は武甲山から産出するセメント原料の石灰石輸送と秩父方面の観光開発を目的に建設され、吾野―西武秩父間約19kmに16カ所のトンネルと35カ所の橋梁が連続する山岳路線。1967年に着工し、山岳部の難工事ながらわずか26カ月で開業を迎えた。正丸―芦ヶ久保間の正丸峠を越える「正丸トンネル」は全長4811mで、開業時は私鉄のトンネル最長を誇った。 開業時に登場したのは、一時期の西武線のイメージをつくった「黄色い車両」の元祖、通勤電車の101系と、初代の特急「レッドアロー」5000系。どちらもその後の西武の基礎となった電車だ。
- 8
- 13
- 9