昨日の投稿で触れた分収造林事業においても、県債管理基金の不適切な運用がなされていました。分収造林事業は、昭和37年(1962年)の事業開始以来、民間金融機関からの借入を中心に資金繰りを行なってきました。しかし、経営が事実上の破綻状態にあることが明らかになる中、平成20年(2008年)頃からは、民間金融機関の貸出が厳しくなります。本来であれば、その時点で兵庫県は同事業の抜本的な処理に踏み切るべきでした。ところが県は、平成26年度(2014年度)から、県債管理基金の運用という形で、実質的に同基金から分収造林事業へ資金を融通するスキームを続けていました。
私は、この運用状況等の報告を受けた際、基金運用としては不適切だと考え、直ちにオープンな場での検討と早期事業処理をすべきと判断し、分収造林事業のあり方検討会での議論を指示いたしました。令和5年(2023年度)11月に同検討会に財務部会を設置し、検討の結果、このスキームは「基金の運用としては不適切」と結論づけられました。しかも、県民や県議会に明確な説明がなされておらず、いわば「ブラックボックス」の状態でした。
その結果、分収造林事業は事業清算を行い、県は約660億円の債権を放棄することとなりました。将来の借金返済のために積み立てていた貯金(基金)が、実質的に破綻した事業の延命に使われ、失われたのです。さらに、基金の積立不足等により、実質公債費比率の悪化も招きました。
この事業では、過去十数年間で借金が100億円以上も雪だるま式に膨れ上がり、金利補填だけで年間5億円規模の支出が続いていました。早期に"止血"をしなければ、借金はさらに膨らみ、金利上昇によって県民負担が一層拡大するおそれがありました。そのため、令和7年度(2025年度)をもって事業清算いたしました。
清算後は、県と市町が連携し、持続可能な新たな森林管理スキームへ移行します。不透明な収益事業ではなく、森林の生物多様性や防災面での価値を高めるため、公として管理・整備を進めていく形です。
未来に負の遺産や過度な負担を積み残さないため、私たちの責任において、過去から積み残された県政課題の一つひとつに、着実に対処してまいります。
▼分収造林事業のあり方検討委員会(添付資料は財務部会のもの)
web.pref.hyogo.lg.jp/nk14/rinmu/ari…