もっと自由でいい。コテンラジオ発、島根着。コミュニティーナースとの出会い
没入しちゃうようなラジオ、皆さんにはありますか?
私はコテンラジオが大好きで、もうほぼ全話聞いています。
コテンラジオとは、歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEKと、圧倒的歴史弱者がお届けする歴史インターネットラジオです。
聴き始めたのはたしか2024年のどこか。
大学院卒業を控えて、実務で人と組織の葛藤にぶつかってた時期に、会社の人から「人文知に触れるの、産業保健の仕事に役立つよ」って教えてもらって。それがきっかけで聴き始めました。
最初に聴いたのは吉田松陰(先生)の回。
これがもう語り口からして面白くて。
しかも、歴史の教科書に出てくる人たちが、今の自分が向き合ってるような人や組織、社会規範っていう壁にぶつかりながら時代を動かしてきたんだって気づいた瞬間、あっという間にハマってしまったのです。
狂ったように聴いた。
通勤中はもちろん、家事してる時、ご飯食べてる時、子どもの送迎してる時、お風呂入ってる時(スピーカーで)、寝かしつけの時……とにかく片耳に必ずイヤホン突っ込んで、聴き続けた。
そんな没入生活の結果、3週間くらいで2018年〜2024年の放送分をほぼ聞き終えてしまったのでした。(寝ることを忘れるくらいハマるのが、私の悪い癖です)
2. 避けていた「ナース」という言葉
そんな風にコテンラジオを狂ったように聴き倒してきた私ですが、実はひとつだけ、ずっと避けてきた回がありました。
それが今回のnoteのメインテーマでもある、コミュニティナースの回。
なんでかっていうと……
「ナース」という言葉が、私の中では戻りたくない場所を連想させるものだったから。もう看護師は退職してて、私のナースの時代はとっくに終わったと思っていた。だから、人生の新しいページに看護師が登場することはもうないって、勝手に決めていた。コミュニティナースについて聴いても、「別に私が看護師に戻るわけじゃないし」みたいな感じで、聴かないことを選んでいた。
それに加えて、こんなことも思っていた。
「コミュニティナースって、結局地域看護のことじゃないの?」
大学時代、実は地域看護実習には全然興味持てなくて……「急性期!臨床!万歳!!」みたいな学生だった私からすると、“なんでコテンラジオが地域看護にフォーカス当てるんだろう?”って疑問に思っていました。(ホント、失礼)
結局のところ、「ナース」って単語になんとなく触れたくないなーって気持ちだけで、そっと蓋を閉めてたんだと思います。
そんな風に、ずっと横に置いたままにしていたテーマ。ある出来事がきっかけで、その蓋を開けざるを得なくなるのでした。
3. コミュニティーナースの視察への招待状
そんなある日、突然会社のメールに届いたのが「コミュニティナース視察」というスケジュール。
島根までコミュニティーナースを育成する株式会社CNCに行くというのだ。
「いやいや、泊まりがけですやん。しかも、こんな営利企業が何故、コミュニティナース?地域看護?地域保健?を視察するの??」
頭の中はハテナだらけ……。
だけど、気づいたら「でも、なんか面白いかも」と思い、アクセプトしていた。我ながら単純。
避けてたはずのテーマなのに、いざ目の前に来ると好奇心が勝つんだから、自分でもよく分からないものです。
4. コミュニティナースの本質を知る
とはいえ、「視察に行くなら事前に情報収集せねば」というのは、半ば自分の中の流儀みたいなもの。
というわけで、コミュニティナースに関連する書籍やネット記事を片っ端から読み漁りました。もちろん、避けてたコテンラジオのコミュニティナース回も、ここでやっと聴いた。ずっと蓋をしてたテーマに、ようやく向き合った瞬間でもあった。もはやネットストーカーの如く、調べまくった。
そうやって漁った結果、分かったことがありました。
視察先である株式会社CNCのコミュニティナースは、単なる「地域看護」的な取り組みじゃなかった。いや、もちろん地域看護の要素も含まれている。
けれど、それだけじゃなくて、もっと抽象的な概念を含んでいて。
人も地域も企業も幅広く巻き込んでる企業活動なんだと、ここでようやく理解した。
つまり、CNCの活動は「ポスト資本主義」的な社会課題の解決策であり、これからの企業や社会にとって「超長期的な合理性」を持ってるものなんだと。
コミュニティナースが地域に再構成していく相互扶助のネットワークは、行政や市場サービスだけに頼らない形で生活コストを下げて、社会の持続可能性を高められる。人の繋がりで作り上げる、いわば「社会インフラ」なんだと気づいたのでした。
そう分かってからは、もうワクワクする気持ちが止まらず……!
頭でっかちに理解するだけじゃ物足りなくて、とにかく現地に行ってこの目で見たい。
そんな気持ちのまま、島根県雲南市を訪ねる日がやってきました。
5. いざ、島根へ。コミュニティーナースに会いに行く
出発当日、実はこの日は私の誕生日でした。
せっかく出張で島根に行くなら、近くに出雲大社もあるし、行っちゃおう!なんて軽い気持ちでいました。視察前から、なんだか縁起がいい旅になりそうな予感でウキウキしていたのです。
でも、その日はまさかの大雨!
飛行機も大幅に遅れて、出雲空港に着陸できるかどうかも怪しいアナウンスが流れる始末。1時間以上遅れてようやく到着した頃には、出雲大社行きのバスはもう終了していた……。
「くそー、なんとか行けないかな?!」と一瞬考えたものの、さすがにこの大雨では無理だと諦めて、宿泊先の雲南市に向かうことにした。
誕生日から出鼻をくじかれた形でしたが、この日はまだ終わっていなかったのです。
そのタクシーの中で、運転手のおじいちゃんと道中30分間、思いのほか楽しく会話することに。大雨で出雲大社に行けなかったこと、これからCNCに視察に行くことなんかを話してたら……
「また、出雲に来る理由ができたねぇ」と、にっこり笑うおじいちゃん。降り際には出雲大社のパンフレットとステッカーまでプレゼントしてくれた。そして、「また島根に来てくれることを待っているよ〜」と笑顔で見送ってくれた。
誕生日、出雲大社には行けなかったけど、また、出雲に来る理由ができた。
今日じゃなかったんですねぇ。
6. コミュニティーナース・矢田さんとの対話が開いたもの
そして、その夜。
株式会社CNCの皆さんと、懇親の場を設けてもらっていました。
話せば話すほど、コミュニティナースの皆さんの魅力にどんどん引き込まれていく。
そんな中、なんと代表の矢田さんも、急遽その場に来てくださることに!
事前情報でお名前は知ってたけど、まさか初日にお会いできるとは思ってなかったから、内心テンション爆上がりです。
もう、食い入るように矢田さんの話を聞いた。CNCを起業するまでの経緯も聞かせてもらって。
そのうち私自身の話にもなり……自分が直面化した課題を解決したくて修士課程に進学したこと、スタートアップの創業支援事業を受けてたこと、博士後期課程を受験して落ちたこと。
そして、その結果として今抱えてるモヤモヤまで。もう身も蓋もない話を、気づいたらしてた。お酒の力もあったのかもしれないけど、それだけこの場の空気が話しやすかったんだと思う。
そんな中で矢田さんが放ってくれたのが、こんな言葉。
「行きたい方向がある。じゃあ、やり方はもっと自由でいいんじゃない?」
その一言で、心の中にあったモヤに、一筋の光が差した気がした。
矢田さんの飾らない人柄にすっかり惹かれて、ちゃっかり誕生日プレゼントとしてサインとツーショット写真までねだってしまった。快く受けてくれて、本当に感謝しかないです。(ありがとうございます!!)
お祝いのメッセージを書いてくれる優しい矢田さん。
7. 視察で感じた「人のつながりの力」
翌日。
前の晩に矢田さんとお話しできた余韻でホクホクしながら、ここからがいよいよ本番の視察です。前日の懇親会で聞いた話が頭にある分、実際の現場を見る解像度が全然違いました。
実際に、拠点や人を通じてどんな風に地域と繋がっていくのか、その姿を目の前で見せてもらった。詳細は割愛しますが……やっぱりここでも感じたのは、相互扶助のネットワークが、制度運用の隙間に落ちていく人たちを掬い上げる場になってるってこと。
「人のつながりの力」が持つ可能性を、肌で感じた瞬間でした。
8. 7月また島根へ。次は子どもたちと共に
そんな視察を通して、ふと自分の日常に置き換えて考えてみると……
自分の子どもたちにも、この社会の在り方を見てほしい。
頭で理解するだけじゃなくて、実際に肌で感じてほしい。
そんな気持ちが溢れてきたのでした。
だから、視察が終わる前に、次にここに来る日を決めておきたくて、
「夏休みに何かイベントはありますか?」と思わず聞いてみた。
そしたら、今月の終わりにサマーキャンプがあるとのこと。
もちろん、参加するために雲南市に戻ってくることに決めました。
その日、帰宅すると、寝ずに起きて待ってくれていた娘たち。
帰宅直後から興奮している母は、夫と娘たちにこの度の出来事を話しました。
娘たちはハテナが浮かんでたけど、「サマーキャンプ行く?島根に行く?」と聞いたら、二つ返事で「いく!」と。
避けてたはずの「ナース」というテーマが、まさか自分の子どもたちを連れて行きたい場所にまで繋がるとは思っていませんでした。
人生、分からないものですね
そして、私は今月末、また島根に戻ります。
今度は娘たちも一緒に。


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