連載

「公益通報」を問う

警笛を鳴らし、組織の不正を暴く公益通報。通報者が「裏切り者」として報復されるケースが相次いでいます。その実態に迫り、制度のあり方を考えます。

連載一覧

「公益通報」を問う

公益通報、問われる公表のスタンス 国のガイドライン浸透不足も

和歌山県のホームページ。2007年8月から通報内容や処理状況を毎月公表している
和歌山県のホームページ。2007年8月から通報内容や処理状況を毎月公表している

 毎日新聞のアンケートでは、12府県が通報や是正の件数をホームページ(HP)上で公表していないことが明らかになった。消費者庁はガイドラインで、通報件数や調査結果の概要などを定期的に公表することを推奨している。公益通報体制の透明性を高め、客観的評価を可能にすることが目的だが、ガイドラインの浸透不足がうかがえる。

 <関連記事>
 公益通報、模索続く自治体 「職員の意識改革も重要」と専門家

「公表すべき」は6項目

 宮城、秋田、富山、石川、福井、静岡、京都、奈良、島根、岡山、広島、愛媛――の12府県が未公表だった。その理由として、通報者や個人情報の保護を挙げる自治体が多かった。「是正措置した件数を公表すると、措置を受けた側が『自分は公益通報された』と分かってしまう可能性がある」(京都)という意見もあった。

 消費者庁は2017年、地方公共団体向けのガイドラインを作成。定期的に公表すべき内容として▽通報受付件数▽通報事案の概要▽通報事案の調査結果の概要▽調査の結果とった措置▽調査対応状況の概要▽通報対応に要した期間――の6項目を挙げている。

 担当の消費者庁参事官室は取材に対し「公表していない自治体に『公表しろ』とは言えないが、ガイドラインに沿った対応をすることが望ましい」と話す。

 「現時点では公表していないが、公表することは決めている」(広島)、「件数自体は公表しても支障がないと思う。公表できるよう進めていきたい」(秋田)などと、公表に前向きな自治体もあった。

中には「ストライク通報」も

 一方、通報件数などを公表しているのは35都道府県だった。公表内容を分析した結果、通報件数のみを明らかにしているのは山口と大分の2…

この記事は有料記事です。

残り778文字(全文1488文字)

全ての記事が読み放題

夏得最初の3カ月50%OFF

※割引期間中でも解約いただけます。

あわせて読みたい

この記事の特集・連載

この記事の筆者

アクセスランキング

1時間
24時間
SNS

スポニチのアクセスランキング

1時間
24時間
1カ月