28歳フルタイムで“手取り13万円”「お金はほとんど残らない」…若者の“普通の生活”に「月28万円必要」労組ら試算、最低賃金引き上げ求める
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「地方は物価が安い」は本当か
なぜ地方でも同じだけの費用がかかるのか。“地方は物価が安く、暮らしが楽”というイメージは根強い。だが調査結果はそれを裏切ると中澤准教授は言う。 都市部の東京は家賃が高い一方、公共交通が発達しているため交通費は約6000円に抑えられる。対する宮崎・栃木・群馬では家賃は4万円前後と安いものの、自動車がなければ生活が成り立たず、自動車関係費が月3万円ほどかかる。 「住居費と交通費がトレードオフの関係にあり、他の支出はさほど変わらない。トータルの生計費は全国どこでもほぼ同水準だ」(中澤准教授) 冒頭のAさんも、宮崎の実感をこう語る。「公共交通は一時間に一本あればいいほう。軽自動車は生活必需品で、ガソリン代も車検の積み立ても家計に重くのしかかる」 地価の上昇で家賃も上がり始め、コンビニのおにぎりの値段は都会と変わらないという。さらに宮崎県の自殺死亡率は人口10万人あたり19.2人で全国ワースト5位タイ、九州では6年連続でワースト1位だとし、「地方と都市の収入格差が背景にあると強く感じる」と訴えた。
「社会全体の衰退を招きかねない」
中澤准教授は会見の終盤「現代の最低賃金は、なかなか暮らしに結びついた金額になっていない」と改めて主張。 初任給の引き上げなどが行われている一方、Aさんのように最低賃金付近で働く例など格差が広がっているとして、次のように指摘した。 「格差が広がれば、生きづらさにつながり社会の閉塞感が高まります。 昔は学校を卒業したら、親元を離れて独立するのが当たり前でした。ですが、現代では親元にいた方が節約できるので、一人暮らしをしない若者が増えています。 しかし、そうすると家族形成が遅れ、結局少子化の問題につながり、社会全体の衰退を招いてしまいかねません」(中澤准教授) 石破前政権は最低賃金に関して「2020年代に全国平均1500円を達成する」と掲げていたが、高市政権はこの目標を2030年代へ先送りする方針を示している。 黒澤事務局長は「1500円でも遅い。試算結果からは1700円、1800円、さらには2000円が必要だ。生存権を守る最低賃金にしてほしい」とコメント。以下のように続けた。 「最低賃金法では『賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする』と定められています。 ですが、現状、日本の最低賃金は国際的に見ても極めて低い状況に置かれています。 国として労働者の生活を守るためにも、せめて『2020年代に全国平均1500円』のかつての目標を、早期に実現させる必要があると強く訴えたいです」(黒澤事務局長)
弁護士JPニュース編集部
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