中学校の情報・技術系授業、最大週2コマに倍増 他教科から時間捻出
文部科学省は8日、次期学習指導要領について議論する中央教育審議会の特別部会で、小中学校で情報・技術系の授業を増やす案を示した。中学校では最大週2コマに倍増させる。人工知能(AI)など先端技術が急速に普及するなか、情報活用能力を抜本的に強化する狙いがある。
全体の授業時間は増やさず、他の教科のコマ数を少しずつ削って時間を捻出する。
次期指導要領は小学校で2030年度、中学校で31年度から実施される見通しだ。情報・技術系の授業の拡充はこれを待たず、28年度から段階的に始める方針。
文科省案によると、小学校では「総合的な学習の時間」に「情報の領域(仮称)」を新たに追加する。小3と小4は年間で最大約30コマ、小5と小6は同35コマ実施する。高学年は週1コマ程度とする想定だ。
AIの特性やデータの取り扱い方のほか、著作権侵害や不正アクセスなどインターネット利用時の注意点などを学ぶ。
中学校は現在の「技術・家庭科」を2つに分離し、新教科「情報・技術科(仮称)」を創設する。
現在は技術・家庭科の技術分野でプログラミングや情報セキュリティーなどを学んでおり、授業は中1と中2が年間35コマ、中3が同17.5コマある。それぞれ週1コマ、0.5コマ程度に相当する。
新教科の授業は中1と中2で年間最大約70コマ、中3は同35コマとする。それぞれ週2コマ、週1コマ程度になる見込みだ。
AIで機械やロボットを動かす「フィジカルAI」といった先端技術の仕組み、コンピューターのアルゴリズムなどを幅広く学ぶ。デジタル技術を活用した材料加工など、ものづくり体験も実施する。
国は現在、小4〜中3の年間の標準授業時数を全体で計1015コマとしている。文科省は全体のコマ数は維持する考えだ。学校現場で「カリキュラムオーバーロード」(教える内容の過積載)や教員の負担増が課題となっていることが背景にある。
このため国語や算数・数学など他の教科の時間を一定割合で削減し、新教科の授業などに充てる。各教科は年間数コマ程度減るとみられる。年間コマ数が35以下で実施回数が少ない教科は削減しない。
高校では22年度から「情報Ⅰ」が必修化され、プログラミングやデータベースなどを学んでいる。大学入学共通テストの科目にも加わった。次期指導要領では高校の情報教育も強化する。
国の推計では産業構造の変化で、AIやロボットを活用する人材は将来的に大幅に不足する。文科省は大学の理系やデジタル系の学部新設を後押ししてきた。小中高の教育も拡充し、AI時代に活躍できる人材を育てる考えだ。
(森紗良)
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